絵の上手な姉さんの愛用しているペンを使えば私だって上手な絵が描けると思い込み、こっそり借りようとしたら見付かって叱られた。あんたが今の私と同じ年になって、それでも絵を描いていたら貸してあげるよと言われたペンは今、私の物になったが、それより姉さんが新しく描いた絵をずっと見ていたかった。
絵の上手な姉さんの愛用しているペンを使えば私だって上手な絵が描けると思い込み、こっそり借りようとしたら見付かって叱られた。あんたが今の私と同じ年になって、それでも絵を描いていたら貸してあげるよと言われたペンは今、私の物になったが、それより姉さんが新しく描いた絵をずっと見ていたかった。
曽祖父から祖父、父から僕に譲られた愛用のペン軸が万年筆に生まれたかったと煩いので、万年筆に生まれていたら書きたかったという教養溢れる古典文学を数カ月かけて分厚い日記帳一冊分書いてやったらようやく黙った。ただ、テキストに使ったのはボッカチオのデカメロンなのだが。