カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

作品その71・一角違い

2018-11-05 22:56:44 | 見習い錬金術師の作品
たかあきは『まがい賢者の石』と『石砂糖』を材料に『大地の一角獣』を錬成しました。用途は極秘事項です。

 昔の話だが、師匠の出してきた課題で「絡繰り仕掛けの一角獣」というものがあり、自分なりに一生懸命錬成して組み上げたつもりだったが完成品を見た師匠は大笑いした。まあ、ユニコーンを錬成させるつもりで出てきたのが海獣のイッカクだったら確かに笑うだろう。ちなみに、そいつは確か師匠の枕として使われることになったと思う。

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骨董品に関する物語・流星ブローチ・その2

2018-11-05 19:17:24 | 突発お題

 良い流星を手に入れたいなら、なるべく良い星取網を使うのが重要だと流星屋は得意げに言った。尾を引いて空を流れる星の形を崩さずに捕獲して素早く結晶化させなければ、とても売り物になるような美しい流星は手に入らないと続けてから見せてくれた流星は、確かに見事な銀色の尾を引いていた。
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骨董品に関する物語・ピアノ譜面確認用の燭台

2018-11-05 19:11:36 | 突発お題

 どうしてピアノの側にある燭台の蝋燭を灯さないのかと尋ねると、この蝋燭には音を食わせていると答えが返ってきた。奴のもういない娘が小さかった頃、何度も何度も練習した拙い曲をあの蝋燭は覚えていて、蝋が溶けると解き放たれるのだと。そして奴がとうとう家と一緒に自身を燃やしてしまった時、確かに拙いタッチのピアノ曲が、まるで奴への葬送曲であるかのように辺り一面に響き渡った。
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