カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

作品その79・苦味と甘味

2018-11-16 21:24:16 | 見習い錬金術師の作品
たかあきは『琥珀』と『水砂糖』を材料に『終末の苦味飴玉』を錬成しました。用途は秘密です。

 絡繰り犬が恐ろしく不機嫌になっていたので何故かと思ったら、妹弟子が面白がって与えたおやつがよりにもよって苦味飴玉だったらしい。仕方がないので好物のケーキを焼いてやったら今度は妹弟子が不公平だと文句を言ってきたので、苦味飴玉を食べた後でならこのケーキを食べていいと宣言したら黙った。
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骨董品に関する物語・イベント開催

2018-11-16 18:42:10 | 突発お題

「神保町の骨董品イベントで欲しかった義眼買ってきたよ。ヘイゼルアイって言う光に当てると緑、青、茶色に黒と色々な色になる瞳でさ、セットでアンリ・マチスが描いたポーカーチップのウインクする義眼(複製品)が付いてなんとお値段……」
「貴様は何処でどんな買い物をしてきたんだ」
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骨董品に関する物語・祈祷書に挟まったビオラの押し花

2018-11-16 18:15:35 | 突発お題

 かつて信州松本に「菫の君」と呼ばれた学生がいた。姿のたおやかさからではなく、近隣の山に登っては熱心に菫の標本を採集する姿からそう呼ばれた彼は、やがて不幸な戦争の行く先を憂いて自ら志願し、空に散った。だが、彼の故国が敵に回した国にもまた菫を愛する人は住んでいて、それがどうしようもなく哀しいのだ。
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