カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

第十九景・秋桜(コスモスに非ず)

2019-01-14 19:16:19 | 桜百景
たかあきは、晩秋の異星と桜の上に関わるお話を語ってください。

 この惑星で桜は秋に咲くものと相場が決まっていて、わずかな期間に色鮮やかな花を咲かせ、やがて惜しげもなく散っていく潔い姿は季節は違えど地球と同じ様に風物詩となっている。ただ地球と違うのは、何故か桜の花弁の色が燃えるように鮮やかな赤や橙や黄色であることだろうか。
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骨董品に関する物語・白薔薇のバングルとブローチ

2019-01-14 19:02:24 | 突発お題

 母は純潔を意味する白薔薇を模したバングルとブローチを身に付けて着飾りながら、頻繁に父とは違う男性と逢瀬を重ねていた。やがてそれは男性の妻の知る処となり、結局は激しい罵り合いの末、夜会服を血で染めたのは母の方だった。それ以来白薔薇の花弁の奥には赤黒い汚れがこびり付き、どんなに洗っても落ちない。
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骨董品に関する物語・鮮やかなエメラルド色のボンボ二エール

2019-01-14 19:00:25 | 突発お題

 薄荷飴が嫌いな彼女は、ミントの味を予想してしまうからとピンク色の菓子器を推してきたが、僕は頑として緑色に拘った。最後には折れた彼女がピンク色だと甘そうなのにと呟いたので、器が緑色だときっと君が作るマシュマロのピンクと白が一番美味しそうに見えるに違いないと答えた。
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