あるBOX(改)

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ケン・ノートン氏、死去

2013年09月19日 | ボクシング
フレージャーに続き、ノートンまで亡くなってしまいました。

週刊少年チャンピオンで連載されていた「がきデカ」で
人間の小ささと変態性を「蟻以下だ!」と同級生に責められた主人公=こまわりくんが
「オレは蟻・・・、あり・・・、アリ・・・、アリ!」と覚醒し
周囲の連中を、(オマエは)「フレージャー!」「フォアマン!」「スピンクス!」
「ノートン!」とアリのライバルと見做し、グラブで次々とシバき倒すシーンがあったが

山上たつひこ先生が、少年漫画に登場させるくらいに
当時のプロボクシング・ヘビー級はメジャーだったんだなぁ・・・と思い出します。

ジョージ・フォアマンに何も出来ずに2回で倒された敗戦もあったが、あれとて
「アリの顎を割ったノートンが、あんなにアッサリ倒されるなんて!」と
フォアマンの怪物性をクローズアップする事になったし

モハメド・アリとの関係で言えば、
クロスアームの構えから左フックを狙い、ジャブでも煽れるノートンのスタイルは
最も相性が良かったと言えるかも知れない。
アリとの試合は全てクロスゲームで、世界タイトルを賭けた第3戦など
ノートン勝利を支持する関係者・ファンも多かった。
※最終回の終了ゴングと同時にアリの面前で「どうだ!」と
 叫んだ時には勝利を確信してたんだろうなぁ・・・



反面、徹底的にパンチを追撃して倒しきる無慈悲さは無く、どこかクールだった印象もあり。
その辺も戦国ヘビー級で突出できなかった理由かも知れません。

フォアマンの全盛、アリの時代、ラリー・ホームズの台頭にブツかった事も不運だった。
※初防衛戦のホームズ戦も超僅差で、どっちが勝ちでも
 おかしくなかったよなぁ・・・

ノートンは役者として映画にも出演したりして多才ぶりも披露。
そういや、『世界名ボクサー100人』では「それほどのタレント性に恵まれながら、アリの前では日陰の存在にならざるを得なかった」などという表現もありました。

なお、息子のケン・ノートン・ジュニアは、アメリカンフットボールのラインバッカーとして活躍。
スーパーボウルにも出場している。
(現在はコーチとして活躍しているそうな)

後付けで認定され、世界戦で1勝もしないまま陥落した王者として記録されるが
ボビックやスタンダーは序盤で倒してるし、強豪ぞろいの70年代ヘビー級で
「記憶に残る選手」として存在をアピールした事は間違いない。

ケニー・ノートン氏の御冥福を心よりお祈りいたします。



ケン・ノートン(米国)KEN NORTON

第5代NABF北米ヘビー級王者、第7代NABF北米ヘビー級王者
第7代WBC世界ヘビー級王者

1967年 デビュー
1968年 5勝4KO
1969年 6勝全KO
1970年 7勝6KO1敗 
 ※ホセ・ルイス・ガルシア(ベネズエラ)に8RKO負け●
1971年 4勝3KO
1972年
チャーリー・ハリス(米) 3RKO
ジャック・オハロラン(米) 10R判定
ハッシェル・ジェイコブス(米) 10R判定
ジェームス・J・ウッディ(米)  8RKO
ヘンリー・クラーク(米)  9RKO
チャーリー・レノ(米)     10R判定
1973年
モハメド・アリ(米)    12R判定
  【NABF北米ヘビー級王座獲得】
モハメド・アリ(米)    12R判定負け●
  【NABF北米ヘビー級王座陥落】
1974年
ジョージ・フォアマン(米) 2RKO負け●
  【世界ヘビー級王座挑戦】
ブーン・カークマン(米)  8RKO
1975年
レコ・ブルックス(米)   1RKO
ジェリー・クォーリー(米) 5RKO
  【NABF北米ヘビー級王座決定戦 獲得】
ホセ・ルイス・ガルシア(ベネズエラ) 5RKO勝ちで雪辱
  【NABF北米ヘビー級王座 返上】
1976年
ペドロ・ローベル(亜)   5RKO
ロン・スタンダー(米)   5RKO
ラリー・ミドルトン(米)  10RTKO
モハメド・アリ(米)    15R判定負け●
  【世界ヘビー級王座挑戦】
1977年
デュアン・ボビック(米)  1RKO
ロレンゾ・ザノン(伊)   5RKO
ジミー・ヤング(米)    15R判定
  【WBC世界ヘビー級王座 認定】
1978年
ラリー・ホームズ(米)   15R判定負け●
  【WBC世界ヘビー級王座陥落】
ランディ・ステフェンス(米) 4RKO
1979年
アーニー・シェーバース(米) 1RKO負け●
スコット・ルドー(米)   10R引分
1980年
ランディ・コップ(米)   10R判定
1981年
ゲーリー・クーニー(米)  1RKO負け●

50戦42勝(33KO)7敗1分