あるBOX(改)

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実家で本あさり②

2013年09月24日 | 生活
3日の帰郷だったが
ほぼ毎日マンガを読んでいた。

言うまでも無く母親には「何しに帰ってきたんだオマエは」と皮肉言われまくりだった。

まぁ、懐かしい友達に会うようなもんですよ。
または色々と教えてくれた先輩というか先生と言うか・・・。
そんなマンガ本たちと自分の本棚で再会するのも、嬉しいもんですよ。

そんで
今回は星野之宣さんですよ。「巨人たちの伝説」ですよ。



まずは昔の話から始まる。
地球には、すぐれた文明を持ったタイタン族という巨人たちと
人間たちが共存していた。

氷河時代と地殻の変動を予知したタイタン族の王女は、
一族の超常的な能力を団結させ「もうひとつの太陽」を作り、生き延びようと挑戦する。

ただし、王女の脳裏には滅亡の映像も映し出され、苦悩しながらも微かな希望に賭けるしかなかった。
タイタン族の勇者プロムは、リーダーである王女を信じ一族を鼓舞するが、地殻変動は予想より早く、地震と噴火で存続の希望は絶えた・・・。



そして、現代の地球。
再び氷河期の危機が迫り、雪に覆われた世界では暴動と略奪が行われ
それによって恋人を失った日本人青年は人類の滅亡さえ望んでいた。

しかし、腕の立つパイロットである彼を「あるプロジェクトチーム」は放ってはいなかった。

氷河期から地球を救うため「水素の集まりである木星を爆発させ、もうひとつの太陽に仕立てる」という、途方もなく巨大なプロジェクトチーム。
彼は、その一員となった。

いみじくもタイタン族と同様の挑戦に踏み出したのだ。

パートナーの女性にも気を許さない主人公は、この計画によって雪の下に隠された人間の醜さを白日に晒す事を望んでいた。

プロジェクト・リーダーの博士は、地球を救う事に懸命だが、主人公にも理解を示した。

プロジェクトは巨大にして困難。メンバーたちに軋轢も走る。
「やはり、手をつけてはいけなかったんだ」と木星の雷鳴に恐れ慄く一部のメンバーは宇宙船内で反乱。

主人公と計画は大きな危機を迎えるが、傷だらけの宇宙船「プロメテウス」は、それでも任務遂行のため敢然と木星に向かって飛んだ。

リーダーの博士こそ失ったが、主人公は計画の途中で博士に「氷の中で眠る巨人」を見せられていた。
それこそが、「タイタン族の若き王女と勇者」の姿だったのだ。

逃げるように諭す勇者の元を離れず、手を繋いだまま氷の下に眠った美しい王女。

勇者を「ギリシア神話のプロメテウスのようだ」と語った博士。
同じ名前の宇宙船は、最後の希望となって木星に向かう。

SFです。人間ドラマです。
頑なだった主人公の心も、最後には変貌をきたします。

この辺は星野先生さすがです。

絵も素晴らしいです。

氷の中で勇者の手にふれる王女の指の柔らかさ、宇宙船内のパース、
影のあるパイロットの表情・・・全てが素晴らしい。
※主人公の顔のタッチなど池上遼一さんの影響も
 感じられますが、その辺は向上心ゆえでしょう。

なんか、トシ取ってからの方が読後感がジーンと響きますね。

初の連載「ブルーシティ」終了直後、週刊少年ジャンプに短期連載された名作。
例によって「よくぞ子供にこんなもん見せてくれた」の傑作。

マンガ読むのにも背伸びが必要な時代でした。
(音楽聴くのにも背伸びが必要だったけど・・・)

そんな時代、読者でいられた我々は幸せだったんでしょうね。