あるBOX(改)

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山中慎介はジャモエを9Rで降す

2014年04月24日 | ボクシング
マルティネスvs長谷川と同じリングで行われた、
プロボクシングWBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦は
王者の山中慎介(31才/帝拳)が同級3位シュテファーヌ・ジャモエ(24才/ベルギー)を
9回TKOで下し、6度目の防衛に成功した。

第1R開始直後、踏み込みが過ぎて空振り後に大きくバランスを崩した山中。
「地元関西の試合とあって気が入り過ぎてるのか?」と少し心配になったが、
相変わらず表情は冷静。

ジャブの突き合いからジャモエのボディーに左ストレートを打ち込み、挑戦者は思わず後退。

第2R
それでも勇敢に前に出てくるジャモエだったが、山中は電光石火の左ストレートを顔面にヒット!
挑戦者はロープ際でダウン!立ち上がったが主導権は一気に王者へ。

4回終了時点の公開採点も、3人のジャッジ全員が40―35と大きくリード。
相手の驚異的な頑張りに遭いながらも、コンスタントに「ゴッド・レフト」をヒットする。

粘るジャモエが捨てバチ気味で振ってくるパンチを単発で浴びるシーンもあり、
相手の執拗な前進を少し持て余したのか、何度も右手を伸ばして押さえて減点されたが、
それでもペースは譲らず。時折りヒットする右も痛そうなパンチだ。

第7Rには、さすがもジャモエにもダメージの蓄積が見え始め、公開採点でも大差がついた。

8回には左ボディーストレートで挑戦者は弾き飛ばされるようにダウン。
立ち上がったジャモエだったが、顔面への左ストレートを浴びて2度のダウン。

そして第9R、左ボディーストレートが突き刺さる!衝撃が背中を突き抜けたようにダウンする挑戦者!
即座にレフェリーが試合を止めたが、まだ戦意を見せていたジャモエの根性も素晴らしかった。

それでいながら試合後は男らしく山中を称え、リング上で共に記者撮影に応じるんだから
サバサバした良いヤツだねぇ。

これで世界王座5連続KO防衛の山中。
狙い過ぎの反省も述べたが、海外進出への夢も語った。

シンプルなボクシングだが、シンプルゆえの強さがあるんですよね。

だいぶ前の話だが、日本のバンタムに島袋忠司というワンツーパンチャーがいましてな
オーソドックスの右ストレートに武器が集約されてたので、敵の応援団から
「相手は右だけだぞー!」と言われたりしてたのだが、それでも右で倒してたんだよね。

あの高橋直人も初戦で勝ったものの、再戦では島袋の右ストレートを浴びて
完璧にKOされてしまった。

まぁ、好調時はリードが伸びて利き腕ストレートの御膳立てする機能を果たす訳だが
結局は徹底的にマークされたパンチで最後は倒すんだから凄いよねぇ。

島袋は好不調の大きさ等あって大成ならなかったが、ポーカーフェイスで試合を
こなす山中は、最終的にはサンデーパンチを炸裂させる強みがある。

ストレート中心のシンプルなボクシングといえば、カルロス・モンソンの名前も浮かぶが
彼はジャバーとして執拗なリードパンチを繰り出し続けましたからね。

山中チャンプにも そういった面が付加されれば面白いな・・・なんて
そんな事を思いました。
強打者の割りに拳を痛めたという話を聞かないし、具志堅さん6連続KO防衛記録に
並ぶ次期防衛戦にも注目です。

長谷川穂積TKO負け

2014年04月24日 | ボクシング
4/23、大阪城ホールで行われたIBFスーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦は
同級13位の長谷川穂積(33才/真正)が同級王者のキコ・マルティネス(28才/スペイン)に
第7RでTKO負け。世界3階級制覇はならなかった。

初回は足を使い、速いパンチで迎え撃つ展開。右フックでボディを叩くなど「長谷川、好調」と
感じされられたが、この回の終盤、王者は長谷川のパンチを恐れず圧力を強めてきた。

第2R、そのまま前進して圧力を掛けて来る王者
距離を詰められ、ロープを背にした危険な打ち合いに応じる長谷川、
マルチネスの左右のフックをカウンターで貰ってグラリ!
追撃を浴びてダウンしてしまう。

最悪の展開となったが、立った後はクリンチや足で躱し辛うじて終了ゴングを聞いた。

第3R、足とクリンチで躱しながら軽打を放ち、反撃の機会を窺った長谷川は、
左ボデイを みぞおちに打ち込んで逆襲。王者の前進が鈍るシーンもあった。

私は1,3Rを長谷川として、第2Rダウンのマイナス2ポイントを相殺してイーブン。
挽回の期待も膨らんだ第4Rだったが、バッティングで目の上をカット。
ダウンのダメージも完全には回復しておらず。たまの被弾でもグラついて、再度劣勢に。

マルチネスの前進と連打は止まらず、特に顔面の打たれ強さが目に付いた。
長谷川が迎え撃っても怯まない。
ダウンのダメージで長谷川のパンチも切れでいないが、それにしてもタフだ。
長谷川は目に血が入り、パンチの精度も落ちている。
ボディ狙いも長続きしない。

第6Rにはダメージの蓄積が顕著に現われ、後退するシーンも増える。
ますます勢い付くマチティネス。

そして、第7R。
GOサインを受けた王者はイケイケで攻勢。
打ち合ってもパンチが遅れ、被弾する長谷川。遂に左フックを貰ってダウン。
会場の歓声に押され、長谷川は立ち上がって再開に応じたが、再開後すぐにダウン。
レフェリーが試合を止めた。

カウンターで倒す選手は、相手が倒れずに追撃してくると袋小路に嵌る傾向にある。
長谷川は、そういう意味でも悪いパターンに嵌ってしまった。

サイドにすり抜けても、「そこから即時の攻めが無い」と相手に読まれた感もある。
※サイドからの右フック・ボディに新境地の片鱗が見えたが・・・

初回の序盤、長谷川が良いパンチをのぞかせても王者はグイグイ前進してきた。
2R以降、
以前は同時に放っても先に当たった長谷川のパンチがジャストミートしないシーンも増えた。

やはり衰えと言うものがあったのか・・・。

試合後、改めて会見するとマスコミに伝えて大阪市内の病院に直行した長谷川。
右眼窩底と鼻の骨折と診断され、神戸市内の病院に入院。
戦績は38戦33勝(15KO)5敗となった。

山下会長は「進退は本人の意思を尊重したい」とコメントしたとの事。

日本のエースとしてボクシング界を牽引してきた選手の敗北は寂しいが、これも実力の世界。

とにかく今は静養に務めて欲しい。
ただただ「お疲れさま」と言いたい気持ちです。