2月には高田明美さんの個展「Angelic MomentⅡ」に行ったが
それに続いて美麗な絵をお描きになる凄い人の個展に行って参り
ましたよ。
以前紹介した漫画家で画家でもありバロン吉元先生の個展。
2月27日から3月27日まで東京・トーキョーワンダーサイト本郷で
行われているのだ。
タイトルは「バロン吉元の脈脈脈」。
トークショーも数回あり、3/3は荒俣宏先生が登場するって事で
「こりゃ行かなきゃ!」と事前予約して出向いたワケですよ。
※おかげで「ひな祭りなのに!」と家族からは非難轟々・・・
イベントプロデュースはバロン先生の実娘でアーティストの
エ☆ミリー吉元さん。
2年ほど前に倉庫でバロン吉元作品を数百点発見。そこから企画の
構想が始まったとの事。
同個展の主旨は、1959年のマンガ家デビューからのキャリアを辿る
ものだが、画家としても「龍まんじ」の雅号を持つバロン先生だけに
そちらの絵画も展示・・・という事で二重に楽しみが増した。
3月3日のトークイベントは「あの」荒俣先生(作家/博物学者)ゆえ
早々に定員終了。
開始時間前に余裕を持って会場入り。
入口脇には花が飾ってあった。
その贈り主は、なんと少女漫画家の里中満智子先生!!
ドア前でお迎えしてくれるのは、「柔侠伝」の茜ちゃん?
入口にも素敵な女性が。
受付してくれてる体での展示か。
場内にいらっしゃる女性のスタッフさんに名前を告げて入場。
※スタッフさんはバインダーで名前をチェック。
さすがにゲスト人気もあり、ほぼ席は埋まっていた。
時間前にエ☆ミリーさんら入場。
少し後にバロン先生、荒俣先生が登場。
まず会場に関して
「新しい芸術家に機会を与える場」と聞いた荒俣先生がワンダーサイトに
「バロン吉元のキャリアは・・・」と説明すると、
「いや、若いエ☆ミリーさんの」と主旨を告げられたそうな。
金髪に染めた若いアーティスト=エ☆ミリーさんも主役なのだ。
女子美術大学を卒業し、自身も作品を発表しているという彼女が、父の
数多い作品をどういうプロデュースするか、そのセンスが展示されてるとも
いえるという訳だ。
そのエ☆ミリーさんによると、「バロン吉元の描いて描いて描きまくる」って
イベント名も考えたそうだが、今も本人は描き続けてる事から「脈脈脈」に
決めたそうで。
「でも、いま浦谷直樹先生がちょうどそのタイトルで個展を開いておいでで、
いや~危なかったです」と告白。
なんというか、可愛い人です。
まずバロン先生のデビュー話から始まる。
荒俣先生の蔵書「街(劇画本)」に研究生の入選作としてデビュー作が
載っている。絵柄が全く違うが当時受けてる人を真似たそうな。
その本は客席に回された。
ジックリ眺めて次の人へ渡すファンたち。
辰巳ヨシヒロ、桜井昌一、佐藤まさあき・・・執筆陣も凄い。
新人賞はダブル受賞。
なんと「みやわき(宮脇)心太郎」さんと同時受賞だ!
「彼はこの頃から絵が上手かったねぇ~」と語るバロン先生。
荒俣先生も大いにうなずく。
※漫画家志望だった荒俣先生は地元の漫画少年の集まりで
みやわき先生と一緒だったんだそうな!!
バロン先生は今日もウエスタンなファッション(定番!)。
「西部劇への憧れ」と仰るとおり、絵もアメリカン・コミック的に転換。
※というか、もともとアメコミ系の絵柄だったから「戻った」というべきか
大藪晴彦原作でハードボイルド調の劇画も執筆。
そして「賭博師たち」へ。
外へ出て現場に接し「人間を描く事」に目覚めたバロン先生。
色々な人物を登場させ、個々の魅力を伝え始めたとの事。
「たとえ罪を犯した者だろうと、目の前にいるのは愛すべき魅力ある人物
なんですよ」と熱く語るバロン先生。
バロン先生の「創作者として」「人間として」の真髄を感じさせる言葉!
この金言を聞けただけでも来た甲斐があったと云うものです!!
(続く)