あるBOX(改)

ボクシング、70年代ロック、ヲタ系、日々の出来事などをウダウダと・・・

マニー・パッキャオがブラッドリーに判定勝ちして引退宣言

2016年04月11日 | ボクシング
米ラスベガス MGMグランドガーデン・アリーナ
4月9日(現地時間)
【WBOインターナショナル ウェルター級王座決定戦】

◯マニー・パッキャオ(37才/元世界6階級制覇/比国)
判定3-0 
●ティモシー・ブラッドリー(32才/元世界2階級制覇/米国)

採点は三者とも116-110。誰が見てもパッキャオの勝ちだった。
フィリピンの下院議員でもあるマニー・パッキャオの引退試合。

相手はティモシー・ブラッドリー。世界スーパーライト、ウェルターを
制したボクサーで、戦績は33勝(12KO)1敗1分1無効試合。
パッキャオとは1勝1敗、第1戦はパッキャオの勝ちかと思われた
試合だったが、数字上では今回が決着戦と言える。

パッキャオは昨年のメイウェザー戦に敗退後、右肩の手術。約1年の
ブランク明け。
ブラッドリーの回転が速い連打はパッキャオに相性悪く、アジアの
英雄が煽られる展開もあるかと思われた。

1Rからパッキャオは右を使い、肩の回復が窺える。
ブラッドリーは意外にもパッキャオが左で入ってくるところに右の
カウンターを狙う展開。思い切って振るパンチは怖い。

ただし、パッキャオもまんまと食らうほど鈍ってはいない。
第3、4Rとブラッドリーのカウンター打ち終わりに左ストレートを狙う。

ブラッドリーはカウンター狙いで得意の連打が出ない。
パッキャオはジャブを突いたり左を打ったりバランスよく攻めてる印象。

第7Rには「これではいかん」とばかりにブラッドリーが攻勢。
しかし終盤、パッキャオは連打の中で右フックをヒット。
スリップ気味ながらダウンを奪う。

第8R、ブラッドリーはノーダーメージをアピールするが如く攻める。
パッキャオはダウンで2ポイントを奪った安心感からか、手数が減る。
ラスト40秒、ブラッドリーは連打でパッキャオをカバリング一方に
させるが、ダメージに繋がるパンチは無い。

第9Rもブラッドリーが攻めて出る。
しかしパッキャオの左フックがテンプル付近から額を打ち抜くと、
動きが止まってしまう!
ブラッドリー、見えてなかったのか!?

そこから連打して左ストレートをヒットし、でんぐり返しダウンを奪う
パックマン!さすがだ!

全盛ならここで仕留めるのだろうが、ブラッドリーの一発狙いもあって
パッキャオは危険を冒さず。

左を伸ばしながらサイドステップするなど、技術面で全盛の片鱗を見せ、
ブラッドリーにクリーンヒットを許さず。

最終ラウンドも足を使って躱し、終盤に連打で会場を沸かせて試合終了。
判定は3-0でパッキャオが勝利。
通算戦績を57勝(38KO)6敗2分とした。

史上2人目の世界6階級制覇、記録にも記憶にも残る試合を闘いぬき、
輝かしい戦績を残したパッキャオ。

試合後、リング上のインタビューで「フィリピン国民のために引退を
決意している」とコメントした。

ラストファイトとしては充分に上質なパフォーマンスだった。
2度目のダウンで見せた「機を見るに敏」な攻撃、右も上手く使う技巧、
前後左右に動くフットワークとボディワークのディフェンス。

(ややスケールダウンした点があるとはいえ)パッキャオ・ボクシングの
総決算を見た気もする。

カムバック云々はともかく、
パッキャオには「これまで数々の衝撃を有難う。お疲れ様でした」と
申し上げておきたいです。