
主婦の友ビル1号館・お茶の水スクエアB館
所在地:千代田区神田駿河台1-6
建設年:1965(昭和40)?
階数 :9F
備考 :B館、C館共に2003年に解体
左端は明治大学、右側はお茶の水スクエアA館。
B館の右にわずかに見えるのがC館。
Photo 2002.2.24
明治大学の反対側にあったモダニズム系のオフィスビル。
近辺には主婦の友社の旧社屋や明治大学、YWCAなど様式的近代建築が建ち並んでいたので、70~80年代には、そのなかではモダンな建物だっただろう。2002年に日本大学に譲渡され、その後、解体されて現在は駐車場になっている。
最近になって南側の磯崎新設計のお茶の水スクエアA館と共に再開発される予定であることが明らかになった。まとめると結構大きな敷地なので、ここにも超高層校舎が建設されるのかもしれない。都心には次々に超高層ビルが建つが、通りに沿った街並み立面が無い建物が増え、まるで墓地のようになっていくのが気がかりだ。ただ知人に聞いた範囲では、まだ詳細は決まっていないようだとのこと。大学関係者でさえあまり知らないらしい。
ところで、せっかくファサード保存をして部分的に復元した隣のお茶の水スクエアA館の建物もまた壊してしまうのだろうか。現代日本では建物の寿命は人間のそれより遙かに短いのが半ば当たり前になっている。何事も欧米が進んでいるとは言わないが、環境やエコ、もったいないをキーワードに考える時代なら、今ある建物を改修しながら使うことをまず考えるべきじゃないかと思う。新しい建物は省エネかもしれないけど、前の建物を壊して新築するのには、結構エネルギー使ってるんじゃないのか? 最近の東京では築20年ぐらいの比較的新しい建物まで建て替えるので、環境とかエコの時代に逆行してるんじゃないかとしばしば思う。それこそ「築50年以下は建て替え禁止」ぐらいのことを考える必要があるのではないだろうか。
現在、建て替えをするか否かの判断基準は、耐震強度と経済性が大きなウェイトを占めているようだ。だがその考え方だと、ほとんど全ての建物は建て替えねばならないだろう。判断の指標として、もう少し別の価値基準を中心に据える必要性があるのではないだろうか。