新坂・凌雲橋
所在地:台東区根岸1丁目
Photo 2012.12.18
新坂(鶯坂・根岸坂)
新坂は明治初期に新しく造られた坂。坂上の台地上は、江戸期には全域が寛永寺領だったので、根岸・下谷側から上る坂道はほとんど無かった。鶯谷を通る坂だったので鶯坂、坂下の根岸にちなんで根岸坂という別名もある。
新坂の一部、JRを渡る橋は凌雲橋(新坂橋)と呼ばれる。1928(昭和3)年頃完成で、現在は全部で13の線路を跨ぐ。左右の歩道部分は1966(昭和41)年に追加された。凌雲橋が完成するまでは、新坂は踏切で線路を越える坂道だったが、大正期には踏切の東側に人道橋(歩行者用の跨線橋)が既に架けられていたようだ。
凌雲橋の名は、明治初期まで現在の国立西洋美術館のあたりにあった、寛永寺の塔頭「凌雲院」の名に因むものという。橋の近くに他の塔頭もあったのに、わざわざ少し離れた場所にあった塔頭(しかも半世紀ほど前)の名を付けた理由は不明。縁起がよいとか、そういうものがあったのだろうか。
凌雲と聞くと、浅草の凌雲閣が思い起こされるが、凌雲閣は関東大震災で崩壊してしまったので、橋ができた時には既になかった。また、こちらは塔ではなく橋なので、凌雲閣に因んで付けたなどというのもなさそうだ。
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