お正月の新聞にミキモト2が銀座にできたと一面広告で載っていた。中央通りのミキモトの他に、銀座にもう一つお店ができたんだそうな。
銀座ミキモト2
所在地:中央区銀座2-4-12
階数 :9F+B1F
建設年:2005.12
設計 :伊藤豊雄
Photo 2006.1.28
建築系の雑誌には、伊藤豊雄さんの設計で完成し云々と書かれていた。伊藤さんと言えば、仙台メディアテークやTOD'S表参道などで、新しい構造デザインからも建築を考えている方。どうやらミキモト2もその流れの延長線上にあるらしい。気になったので銀座に行ったついでにちょっと見てきた。
Photo 2006.1.28
まず最初に気になるのはやはり窓の形です。おむすび型みたいな窓が、フロアーとかも関係なくランダムな感じで全面に。TOD'Sの方は、コンクリートの躯体がケヤキの幹や枝のようになっていて、残りの部分が窓という感じだったけど、ミキモト2の方は外壁が面のようになっていて、そこにおむすび型の窓穴が開けられている感じ。
Photo 2006.1.28
不思議なのは、下から上まで外壁に継ぎ目などが全然見えないこと。雑誌で読んだところによると、この外壁は二枚の鋼板の間にコンクリートを流し込んで固めたものらしい。鉄筋コンクリートの場合は、中に鉄筋が入っていて、コンクリートが固まったら外側の木製の型枠を外してしまう。ところがこの建物では、コンクリートの型枠でもある鋼板をそのまま構造体として使っているという。鉄板は錆止めの塗装がしっかりされていて、表面は滑らか。鋼板相互が溶接されているため継ぎ目が全く見えないのだという。
船の船体などは溶接でできていて、100m以上あるような大きな船も溶接で組み立てられているが、それを四角くして垂直に立てたようでもある。大きな船ができるのだから出来ないはずがない、ということかもしれないけど、結構大変だったのだろうなこれ。
入口付近 Photo 2006.1.28
外壁が鉄板とコンクリートでがっちり出来ているので、あとは内部に床を張るだけ。この建物、壁が全体を支えていて、柱というものが無い。壁の厚さはわずか20cmほどだという。構造的に問題がない範囲であちこちにおむすび型の窓があけられている。窓枠の箇所に壁の厚さが表れてます。
入口付近夜景 Photo 2006.1.22
あー、こういう考え方があったかー、と驚かされる。出来上がってしまえば、ふーん、確かにそうすれば出来るよねーと判るのだが、普通は到底こんな構造を思いつかないんじゃないだろうか。やっぱり建築家が考えることは違うなー、日々新しい建物のデザインを考えてると、こういうことを思いつくんだろうなぁと感心するばかり。
しかも結構美しい。かっこいい。おむすび型の窓は銀座の他の建物とは全然違うけど、全体のプロポーションはスクエアで、ソリッドなスタイルは銀座の街並みにもちゃんと合ってる。ブランドイメージとしての高品質な感じもちゃんと表現されている。数年したら、表面の塗装が剥げて、錆びて汚くならないかという点はちょっと気になるけど。
Photo 2006.1.22
夜景もきれいだ。最近は光の箱のように輝くガラスの建物が増えているけど、直方体から光が漏れ出す様子は、オフィスのような均質なモダニズムとは異なる美しさを持っていると思う。
ああ・・・、ですが、この建物も内部の方にはご縁がありませんです。ハイ。建物は好きだけど、冷やかしで入って、キョロキョロ見てるだけってのも申し訳ない気がするので、中には入ってません。「なにかご案内致しましょうか?」なんて言われたら困ってしまうから入れない、というのが正直なところですが・・・。
ミキモト2に関するHP
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