聖徳記念絵画館前の広場から富士を望む
所在地:新宿区霞ヶ丘町1と2の間
Photo 2016.1.10
晴天の日曜日、日没の時間帯に神宮外苑の聖徳記念絵画館前へ。旧国立競技場が解体されて、絵画館前の広場から富士山が見えるようになったという情報を得て、シルエットになった富士を確認しにいく。
現場に行ってみてビックリ。絵画館前を横切る道の真っ正面に富士が見えている。意外な場所からの富士のお姿に、通り掛かる人は皆、写真を撮っていた。神宮外苑の計画時に「山あて」をして軸線を取ったのではないかと思えてしまう配置。
明治神宮の内苑・外苑の計画に関して、そのような話があったとは聞いていないが、これはあまりにも真っ正面過ぎる。
東京から道路の先に富士を眺める場合、方向が1°でも違うと正面には見えない。
明治天皇の事績を展示する絵画館前で、西方の目立つ方向の真っ正面に富士が見えるということは、なんらかの計画的意図があったと考える方がむしろ自然ではないだろうか。
初代の競技場は大正時代に建てられたらしい。戦後に新しく競技場が造られ、その後、1964年の東京オリンピックの際にこれは増築されている。どこかの段階(たぶん東京オリンピックの時だと思う)で、富士は隠されてしまったのだろう。
富士が見えることや、そこに神聖なものを感じ取るよりも、競技場の拡張が優先された時代があったということなのかもしれない。
駐車場のおじさんは「新国立競技場ができるとまた見えなくなっちゃうよ。今だけの景色だろうね。」と言っていた。
この眺望に関することは今度の競技場計画でも考慮はされていないだろう。だが、新国立競技場を建てつつ、突如として復活したこの景観を残す手だてはないものだろうか。
ちなみに、富士見坂眺望研究会のWeb Siteには、早速、絵画館前からのダイヤモンド富士のシミュレーションが掲載されている。
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