「東京の階段」の文章が入試問題になっていた。
半月ほど前、教学社と旺文社から、著作権関連の許諾依頼の連絡が届いた。なにかと思ったら、実践女子大学の今春の入試問題に拙著の文章が使われていて、受験勉強用の過去問題集を出版するにあたって著作権処理が必要なのだという。
どんな問題かと思ったら、地理とかじゃなくて、なんと国語の問題だった。届いた資料をみると、拙著のプロローグの部分が使われていた。文章のいくつかの段落部分が空白になっており、その部分の段落が選択肢として別記されていて、話の展開に合わせてそれらを適切な順番に並べ替えて空白部分に当てはめなさいという問題。
ちょっと面白かったので自分で解いてみた。5年以上前の文なので、自分自身、忘れてしまっていて一瞬戸惑ってしまった。実際、問題として解こうとすると、あれ、別の順番でもアリなんじゃねぇの?、とか思う。正解が二つになっちまってはまずいだろ。そのへん、ちと微妙だな。これ、初見の受験生は解けるのだろうか? 階段まちあるきについてグダグダ書いてる文章なんて面喰らったんじゃなかろうか。
自分で言うのもなんだが、大学の先生も変な文章を選ぶものだ。誰も読んではいるまいと思ったか、先生が地形や階段好きでたまたまはまったとかだろうか。論理的な展開になっているから使われたんじゃないか、などという過分なお褒めの言葉も頂戴したが、なんだかそれはえらくこそばゆい。こんなことになると、今後、ますます書きにくくなるよ。ちゃんとした日本語を書かなくちゃとか、プレッシャーになるじゃないか。
問題を解いてみたくなった方は、秋口あたりに2014年度版の過去問題集が店頭に並ぶだろうから、そのときに御覧下さいませ。そうそう、また入試問題になるかもしれないから、受験生は買って読んでおくよ-に、なんてね。