久長家住宅・アトリエ久長
所在地:中央区 入船1-6-6
構造・階数:木・2
建設年:1929(昭和4)
解体年:2020〜21(令和2〜3)
備考 :元 米屋の建物
Photo 2013.10.13
出桁造りの町屋。下記、中央区の「中央区近代建築物調査」のページによれば、米屋として関東大震災後の1929(昭和4)年に建てられたものだったそうだ。
震災後の都心商業地では、銅板張りなどで洋風に見せた看板建築が多く建てられたが、そのようななかこの米店は在来型の立派な出桁造りを建てた。ただ、1階の店舗の軒先は銅板張りのベランダにしていて、在来町屋とは少々異なる。また、2階の戸袋も銅板張り、側面はモルタル塗り(これは後年の改装だったのかもしれないが)。昭和初期の状況を踏まえて、防火と少しの洋風化を考えたのかもしれないと思わせる。
後方の別棟はギャンブレル屋根。こちらも屋根裏3Fだったようだ。
戦後の1950(昭和25)年の火災保険特殊地図では「久長工具」となっているが、1970年代以降の住宅地図では個人宅で仕舞屋だったようだ。2000年代頃以降は「アトリエ久長」。Google ストリートビューでは、2020年2月までは存在を確認できたが、2021年6月の画像では既にコインパーキングで、この頃に解体されて消失したようだ。
中央区ホームページ/久長家住宅
Tokyo Lost Architecture
#失われた建物 中央区 #出桁造り #銅板張り看板建築 ブログ内タグ一覧