都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

コムソモーリスカヤ駅からアルバート通りへ

1992-10-14 | ロシア  

1992.10.14(Wed) Moscow

 環状線コムソモーリスカヤ駅で地下鉄を下車し、地上に出る。列柱の並ぶ出口から外に出ると、なんだか劇場か美術館から外に出たような晴れやかな気分になる。駅は同じ名の広場に面している。

コムソモーリスカヤ広場   Google Map
左 カザンスキー駅、左奥 コテルニチェスカヤ川岸通りの高層アパート、右 レニングラードホテル

 市内北東部にあるこの広場の周りには地方都市への長距離列車のターミナルが集中しており、カザンスキー駅、レニングラーツキー駅、ヤロスラフスキー駅などがそれぞれに様式を競って建ち並んでいる。レニングラーツキー、ヤロスラフスキーなど異なる名の駅が一ヶ所に集まっているのは変な感じだが、実はこれらの駅名はその路線の終着地の名をとっている。レニングラーツキー駅から出る路線の終着駅はレニングラード、ヤロスラフスキー駅の場合はヤロスラブリなのだ。従ってモスクワの街の周囲には地方都市の名の付く駅がいくつもある。行き先と駅名が一致するのは、考えてみれば面白い発想だ。青森行きの列車が出発する上野駅が青森駅と呼ばれるようなものである。

ヤロスラフスキー駅(左端はコムソモーリスカヤ駅)   Google Map
開業年:1862年(コムソモーリスカヤ駅は1952年)
Wikipedia > ヤロスラフスキー駅コムソモーリスカヤ駅 (環状線)
カザンスキー駅   Google Map
開業年:1864年

 広場はこれらの駅に来る人々のためのバスターミナル及び駐車場になっている。日本の駅前広場のように、ラインや植栽で仕切られているわけではなく、舗装されただけのだだっ広い場所になっていて、横断歩道さえよく分からない。

レニングラーツキー駅   Google Map
完成年:1851年
Wikipedia > レニングラーツキー駅

 しかし周囲の建物が立派だと、これはこれで良いような気がしてくる。後にロンドンやパリの駅も見たが、そちらでも必ずしも緑地やモータープールは設けられていない。駅前広場の使い方はおよその仕分けがあるだけで、その他は暗黙の了解でフレキシブルに使われているようだった。よく考えてみると、実はその方が合理的な使い方であるような気もしてくる。ただそれはやはり、広場と周囲の建物の関係の中で出来上がることであり、絵になる建物あってこそのものなのかもしれない。

レニングラードホテル   Google Map
建設年:1953年
階数 :17F
高さ :136m
部屋数:329室
Wikipedia > ホテル・レニングラード

 広場の端には、モスクワ7大塔状高層建築の一つであるレニングラードホテルがそびえている。ホテルの質は知らないが、目立つし気になるスターリン・ゴシック様式の超高層建物だ。136mという高さは7つの中では一番低いというが、やはりランドマークであることにはかわりがない。またそんな高い建物であるにも関わらず17階しかないのも、シンボル性を重視した建物ならではだ。

ノーヴィ・アルバート通り(新アルバート通り・旧カリーニン大通り)の高層アパート   Google Map

 コムソモーリスカヤ広場から再びバスに乗って、アルバート通りへ向かう。

ロシア連邦政府庁舎   Google Map
(ベールイ・ドーム、旧ロシア最高会議ビル)
建設年:1981年完成(1965年着工)
Wikipedia > ベールイ・ドーム

 モスクワ川沿いを走っているときにロシア最高会議ビル(当時)(別名:ホワイトハウス)のそばを通る。このビルは、翌年、クーデターが起こったとき、反乱軍が立てこもったため戦車砲撃されて焼けてしまった。正面から見ると巨大でシンメトリーな建物からは独特な威圧感が感じられる。
 コメコンビルのそばも通ったが、こちらは写真に収めることができなかった。コメコンという機関はその後、事実上解体してしまったので、写真を撮りそびれたのはちょっと残念だった。

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