都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

旧 同志看護婦家政婦紹介所

2025-02-15 | 文京区  
旧 同志看護婦家政婦紹介所
所在地:文京区 本郷2-24-11
構造・階数:木・2(屋根裏3)
建設年:震災後〜昭和初期
解体年:2010〜13(平成22〜25)
Photo 2006.10.22

 大横丁通りから南に入ったところにあった銅板張り看板建築。一部にはギャンブレル屋根が載っていて屋根裏3階建てになっていた。側面や屋根はトタン張りだったが、ファサードは全て銅板張りで、やや狭い小路に面して案外迫力のあるものになっていた。

 関東大震災後に震災復興区画整理が行われた場所なので、昭和初期に建てられたものと思われるが、当初の用途等は不明。

 戦後、1951年の火保図では「同志会看護婦」、その後は90年代まで「同志看護婦・家政婦紹介所」などとして住宅地図に記載されている。「同志」がなんらかの組織を表すものなのか、単なる意味での「同志」なのかは知らず。「同志会」というキリスト教系の財団が経営する学生寮が西片にあるそうなのだが、これと関係があったのかどうかも不明。

 下記「ぼくの近代建築コレクション」内の1988年の写真には看護婦・家政婦紹介所の縦書き看板が設置されていることが判るが、1990年代後半にその活動は終了したようで、この頃以降は住宅地図でも個人宅として記載されている。

 窓や引き戸はアルミサッシに替えられていたが、欄間状の部分には木製枠の小窓が一部残っていた。また、出窓部分の窓台まわりや窓上の庇も丁寧に銅板で覆われていた。

同志職業紹介所、伊東米店/本郷2丁目 - ぼくの近代建築コレクション

Tokyo Lost Architecture  
#失われた建物 文京区  #看板建築  #銅板張り看板建築 
#ギャンブレル屋根   ブログ内タグ一覧
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九谷焼商会

2025-02-12 | 文京区  
九谷焼商会
所在地:文京区 本郷2-24-9
構造・階数:木・2
建設年代:震災後〜昭和初期
解体年代:2010〜13(平成22〜25)
Photo 2006.10.22

 前項と同じく大横丁通りに面して建っていた商店で、こちらは銅板張り看板建築。下記「ぼくの近代建築コレクション」の1988年撮影の写真では、モルタル看板建築の化粧品店が右隣に並んでいたことがわかるが、私が撮ったときはそれは既になく、マンションなどの間に単独で建っている状態になっていた。

 屋根は寄棟瓦葺きだったようで、ファサード上部に軒先がちょっとだけ見えていた。銅板張り部分は剥がれたり欠けたりしておらず、比較的きれい。かつては袖看板があったのか、右端には道路側へ棒が張り出している。また、1階のビニール庇の少し上には白い出っ張りが2つある。昔はここに店の看板が載っていたのかもしれない。

三豊商店、他/本郷2丁目 - ぼくの近代建築コレクション

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関口書店・小山履物店

2025-02-09 | 文京区  
関口書店・小山履物店
所在地:文京区 本郷2-19-7・8
構造・階数:木・2
建設年代:震災後〜戦前
解体年 :2014(平成26).7末
Photo 2014.7.15

 本郷の大横丁通り沿いにあった2軒続きのタイル張り看板建築。2軒とも戦後まもなくの火保図に既に記載されているお店。この一角は戦災では焼失しなかったようなので、建物も戦前のものだったのかもしれない。

 関東大震災ではこの界隈までが焼失したようで、大横丁通り以南では震災復興区画整理が行われている。このため大横丁通りには昭和初期に銅板張りやタイル張りなどの看板建築が多く建てられ、90年代あたりまでは多くの店がまだその建物で営業を続けていた。

 タイルの色味が若干異なるが、それ以外のファサードデザインはほぼ同じ。構造的には一体だったものと思われるが、老朽化のためか軒先や庇のラインが一直線ではなく、ちょっと折れた感じになっていた。

 下記、「東京 DOWNTOWN STREET 1980's」には2013年2月時点の写真が掲載されていて、この時には関口書店の方はまだ営業していたようだ。

 ただ、2000年代以降、老朽化や代替わり、所有者の変化、廃業などに伴い、界隈の看板建築はかなり減少している。この看板建築も写真の2週間ほど後に解体されてしまった。

本郷大横丁/本郷2丁目 - ぼくの近代建築コレクション
文京区本郷界隈〜最近消えた景色 - 東京 DOWNTOWN STREET 1980's

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旧 綿貫理髪店

2025-02-06 | 文京区  
旧 綿貫理髪店
所在地:文京区 白山1-10-8
構造・階数:木・2
建設年:戦前?
解体年:2015(平成27)
Photo 2008.3.28

 白山1丁目、旧丸山福山町にあった理髪店の建物。装飾はほとんどないが、2階建て平入りのモルタル看板建築になっていた。


 Photo 2008.6.4

 戦前の火保図には同様の建物の外形が記されているので建物自体は既にあったようだが、店名などは記されおらず、いつ頃から理髪店として営業していたのかは不明。その後、昭和40年代から昭和の終わり頃までは理髪店として住宅地図に記載されている。

 写真の頃は既に廃業して仕舞屋になっていたが、床屋のくるくるサインはそのまま掲げられていた。


 東側から Photo 2008.3.28

 側面や後方の壁面、窓上の庇などはトタン張り、屋根はセメント瓦?で、やや傷みが激しかった。写真の後も存続していたが、2015年に解体され、現在は3階建ての集合住宅?になっている。

綿貫理髪店、二軒長屋/白山1丁目 - ぼくの近代建築コレクション

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協立製本(株)第二工場、岡村紙工

2025-02-03 | 文京区  
協立製本(株)第二工場、岡村紙工
所在地:文京区 白山1-10-5
構造・階数:木・2
建設年:戦前?
解体年:2019(平成31).7
Photo 2008.3.28

 白山三業地の東側、旧丸山福山町にあった洋風モルタル看板建築の工場。白山界隈は、製本、紙、印刷など、出版関連の工場が多くあるが、古い工場建物は建て替えられたりして次第に減っている。この工場建物も5年ほど前に解体されて、跡地は現在、マンションになっている。

 平入りの二軒長屋で、2階には付柱とアーチが付く。ただ、付柱は本格的な様式建築のデザインではなく、梁を支えているわけでもない。アーチも付柱の途中から架かっており、よく見るとちょっと変なことになっているが、そのあたりが建物の個性になっており、建物を印象的なものにしている。

旧協立製本(株)第二工場・岡村紙工 文京区白山 - 東京ノスタルジア
協立製本、四軒長屋/白山1丁目 - ぼくの近代建築コレクション

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