世界遺産ブトリント遺跡の入場口へは、
観光バスで港から1時間弱で到着しました。

入り口を入って右に見えるのが、
15世紀から16世紀に建てられたベネチアンタワー。
こちらでは新しい建造物と言えるようです。

真っ直ぐ進むと医学の神「アスクレピウス」の
聖域ですが、紀元前4世紀のものです。

古代ローマの詩人、ヴェルギリウス作の叙事詩
『アエネイス』に登場するブトリント。
それによれば建設者はトロイアの王プリアモスの息子、
ヘレノスでトロイアの陥落後、この地へ逃れてきたのだとか。

学術的な調査によっても紀元前8世紀には、
人の定住があったことがわかっているそうです。

対岸のケルキラ(コルフ)とともに海上交易によって発展、
紀元前4世紀までには防壁を持った都市としての形成、
劇場や神殿なども造られていったようです。

ギリシャ方面に領域を拡大しつつあったローマは、
紀元前167年にこの地を支配下に置き、
ギリシャ侵攻の基地とし、ローマ皇帝アウグストゥスは、
ここに植民地を建設していったのです。

ローマ式浴場やニンファエウム
(ニンフを祀る泉)も造られましたが、
後に徐々に衰退していったようです。
アルバニア
2017.7.6