’07/11/10の朝刊記事から
パキスタン政府 ブット元首相を軟禁
野党と亀裂 決定的
【シンガポール9日勝木晃之郎】パキスタン治安当局は9日、非常事態宣言を出したムシャラフ大統領への抗議デモを呼び掛けていた野党第2党パキスタン人民党(PPP)を率いるブット元首相を首都イスラマバードの自宅に軟禁した。
政府は同日夜、軟禁を解除する見通しを明らかにしたが、大統領との間で「権力分担」でほぼ合意していた同氏を拘束したことで、政府と野党との亀裂は決定的となり、国民や国際社会から非難が強まるのは必至とみられる。
PPPは9日、イスラマバード近郊のラワルピンディで、他の野党も加えた大規模デモを計画。
非常事態宣言が出されたパキスタンでは現在、反政府デモは禁止されており、ブット氏が外出しようとした朝方、数百人の警官隊が自宅の周囲を取り囲み、軟禁下に置いた。
当局幹部は「われわれのデモ中止要請をブット氏が拒否したため」と自宅軟禁を正当化。
これに対し、ブット氏はAFP通信の電話取材に対し「国民のため、独裁を終わらせるために闘う」と徹底抗戦の構えを示した。