ヴェトナム 公衆電話
'07/01/10の朝刊記事から
「米のダンピング算定 違反」
日本が逆転勝訴 WTO上級委
世界貿易機関(WTO)の紛争処理上級委員会は9日、輸出品の一部でも国内価格を下回れば全体として不当廉売(ダンピング)があったとする米国の税率計算方式について、WTO協定違反だとする日本の主張を全面的に認める報告を公表した。
一審に当たる紛争処理小委員会(パネル)の判断を覆した。
鉄鋼やベアリング業界をはじめ、影響を受けていた日本の業界にとっては朗報。
甘利明経済産業相は「自由貿易の維持・発展に資する」と評価する談話を発表した。
「ゼロイング」と呼ばれる米国の算定方式をめぐっては、欧州連合(EU)なども米を訴えWTO上級委が違法などと決定。
「ゼロイング」は外国企業と競合する米企業を保護するための米国の戦略だったが、米政府は見直しの検討を迫られそうだ。
WTOの紛争処理手続きは二審制で今回で審議は終了。
日本は今後、米国に同算定方式の早期全面廃止を求める。
日本は2004年、米国の「ゼロイング」がWTO協定に違反する不当な方式だと提訴。
これにより日本のベアリング業界が約3千700万ドルの被害を受けたと主張していた。
しかしWTOパネルが昨年9月、日本側の主張を一部しか認めない判断を下したため、日本政府が10月に上訴した。