ヴェトナム 永厳寺正面 Kodak DC4800
'07/01/10の朝刊記事から
日本タンカーと米原潜衝突
対イラン 米軍動き活発
ペルシャ湾 原油輸送影響も
米ロサンゼルス級原子力潜水艦と川崎汽船の大型タンカーが衝突したアラビア海のホルムズ海峡やペルシャ湾周辺では、国連安保理が昨年12月にイラン制裁決議を採択したことなどを受け、米海軍の動きが活発になっている。
核兵器開発疑惑を持たれるイランの情勢次第では、武力行使論が台頭する恐れがあり、「原油輸送の大動脈」に大きな影響を与える可能性もある。
米艦隊や同盟国の海軍艦船はアラビア海周辺でイラクやソマリアへの武器密輸、イランへのウラン濃縮に関係する物資・技術の移転を監視する「海洋保安作戦」(MSO)を実施しており、衝突事故は同作戦中に発生した。
安保理決議は、イランによる濃縮活動、重水炉建設、弾道ミサイル開発にかかわる物資・技術の禁輸を明記した。
しかし、イランは「平和的なエネルギー利用」を盾に核開発を継続する姿勢を崩しておらず、米国などはイランに対する警戒態勢を強化している。
イラン核開発をめぐり対話解決を目指す欧州やロシア、制裁強化を求める米国の対立を背景に、国際社会は実効性のある制裁で合意するのは困難。
このような中で米国やイスラエルがイランの核兵器獲得を阻止するため、武力行使を計画しているとの観測は根強い。
原潜 国籍、所属答えず
最上川で突如、大きな衝突音が響いたのは、出港から丸1日以上たった8日午後10時45分ごろ(日本時間9日午前4時15分ごろ)。
船底が破損しすぐに浸水も始まった。
事故の詳細がハッキリしない中、約35分後に短距離無線電話で「こちらはサブマリンだ。緊急のアシストが必要か」との連絡が入る。
原潜との衝突と認識した船員が「どこの国籍か?所属は?」と問い掛けるが、回答がないまま交信は途絶えた。
タンカー側から交信できず、約20分後、原潜から2回目の無線が入る。
「タンクに浸水がある」と伝えると「緊急の救助が必要か」と再度確認。
「必要ない」と答えると交信は切れた。
原潜との連絡はこの2回だけ。
その後、船舶管理会社に船長が事故を伝えたという。
ニューポート・ニューズ
米海軍のロサンゼルス級攻撃型原子力潜水艦で、2001年にハワイ沖で実習船えひめ丸と衝突したグリーンビルと同型。
1989年6月に就役し、乗員は127人。
全長約110メートル、6300トンで、25ノット以上で航行可能。
同級原潜は米海軍の攻撃型原潜53隻中、48隻を占める中核戦力で、魚雷や対艦ミサイルのほか、地上攻撃用のトマホーク巡航ミサイルの装備が可能。