備 忘 録"

 何年か前の新聞記事 070110 など

EU拡大路線 休止

2008-05-20 19:45:09 | 海外

ヴェトナム 映写室 Kodak DC4800


'06/12/27の朝刊記事から

EU拡大路線 休止
年明けから27カ国体制 機構・条約整備を優先
財政負担が急増、犯罪対策など遅れも


【ロンドン26日高田昌幸】
来年1月にルーマニアとブルガリアが新たに加盟し、27カ国となる欧州連合(EU)が、拡大路線をひとまず休止させることになった。
EU内の各機構や法令整備が加盟国増加に追いつかないことに加え、財政負担が急増していることなどが理由。
今後は、拡大よりも組織の効率的な運営や市場・政治統合を優先し、「足場固め」に力を注ぐ。

EU議長国フィンランドのバンネハン首相は12月14日、ブリュッセルで開かれたEU首脳会議の席上、「ドアを閉ざすことはしないが、今後、加盟条件は厳格に運用する必要がある」と述べ、従来の拡大方針を転換する姿勢を鮮明にした。

EUは東西冷戦崩壊後の1993年11月、フランス、ドイツ、ベルギーなど12カ国で発足。
95年にフィンランドなど3カ国が加わった後、2004年には中・東欧を中心に一気に10カ国が加盟し、現在の25カ国体制となった。
来年1月にルーマニアとブルガリアが加盟すると、EUの域内人口は5億人弱。
さらに、トルコ、クロアチア、マケドニアが加盟候補国となっているほか、旧ソ連から独立した国々の一部も加盟の意向を持つ。

ただ、EUの拡大意欲はここにきて、急速に衰えている。

中・東欧諸国の加盟に際しては、国内の組織犯罪対策、司法制度、農業政策などの分野で遅れが目立ち、EU側は膨大な実務作業と巨額の財政負担を強いられてきた。
この結果、EUには拡大の利点を疑問視する声が充満、「拡大疲れ」の様相を呈し始めた。

加盟交渉が一部凍結されたトルコの加盟問題も、陰を落としている。
交渉凍結は、トルコがEU加盟国のキプロスを国家承認せず、キプロスの船舶や航空機の入国を認めないことが直接の理由になったが、背後には、イスラム教徒が大半を占めるトルコを、キリスト教文化圏のEUが受け入れ可能かどうかという難問が横たわる。
実際、シラク仏大統領がトルコ加盟を強く拒否しているように、異文化の流入を懸念する首脳も少なくない。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« フセイン元大統領死刑確定 | トップ | パート労働法 均衡処遇 努... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

海外」カテゴリの最新記事