Kodak DC4800 ヴェトナム
'07/04/13の朝刊記事から
インド 新型ミサイル実験成功
中国の一部都市射程に
【ニューデリー12日共同】インドは12日、核弾頭搭載可能な新型中距離弾道ミサイル「アグニ3」の発射実験を東部オリッサ州ウィーラー島の実験場で行った。
同ミサイルの発射実験は昨年7月に失敗しているが、同国国防省は今回の実験は成功したと発表した。
発表によると射程は3千キロ以上。
南アジア全域のほか中国の一部主要都市も射程に収めるが「配備地点を考えると北京に届くかどうか微妙」(軍事筋)。
中国南部にインドに向けた核ミサイルが配備されているとされ、インドは「最低限の核抑止力」確保を目指している。
また、アグニ3が配備されればカシミール地方の領有権を争うパキスタンより優位に立つことから、新たなミサイル開発競争を生む恐れがある。
アグニ3は長さ16メートルの二段式で個体燃料を使用。
PTI通信によると、今後は射程を5千キロまで延ばす計画がある。
インドはパキスタンとの協定に基づき事前通報を行ったもよう。
パキスタンは2月、核弾道搭載可能な中距離弾道ミサイル「ハトフ6」(別名シャヒーン2、射程2千キロ)の発射実験に成功している。
インドは外交的には中国と友好関係を演じているが、軍事面での緊張は完全には消えていない。
2006年度の国防省年次報告書で中国のミサイル配備に言及、中国人民解放軍の近代化と軍事費増大に警戒感を示すとともにパキスタンへの軍事支援に強い懸念を示した。
インドのミサイル開発
中国と国境画定問題、パキスタンとカシミール地方の領土問題を抱えるインドは、核兵器とともにミサイルも開発、軍事力を強化してきた。
1989年に核兵器搭載可能な国産中距離ミサイル「アグニ1」(射程2500キロ)の発射実験に成功。
95年には地対地ミサイル「プリトビ」の発射実験に成功し、プリトビ1-3、アグニ1,2などを保有。
06年7月のアグニ3発射実験では、発射自体は成功したが、標的をとらえられなかった。