’08/08/20の朝刊記事から
タリバン攻撃 仏兵10人死亡
アフガン 治安悪化浮き彫り
【パリ19日共同】フランスのサルコジ大統領は19日、北大西洋条約機構(NATO)が率い、アフガニスタンに駐留する国際治安支援部隊(ISAF)のフランス部隊が18日に反政府武装勢力タリバンと交戦し、フランス兵10人が死亡、21人が負傷したとの声明を発表した。
7月に米兵9人が死亡した戦闘と並び、ISAFにとって最大規模の犠牲で、アフガンの治安悪化をあらためて浮き彫りにした。
サルコジ氏は事態を重視し、19日夜にもアフガンに向け出発する。
大統領声明などによると、戦闘があったのは首都カブールの東方約50キロのサルビ地区。
アフガン国軍と共同で偵察活動を行なっていたフランス部隊は18日、タリバンの待ち伏せ攻撃を受け、19日まで夜通し戦闘が続いたという。
ISAFによると、フランス兵を襲撃したタリバン兵は約100人。
サルコジ氏は声明で「私の決意は揺るがない。フランスは民主主義と自由のため、テロとの戦いを続ける覚悟だ」と強調した。
フランスにとっては、レバノン内戦中の1983年に自爆テロで兵士58人を失って以来の被害。
タリバンの報道官は19日、共同通信の電話取材にNATOの車列を襲撃したことを認めた。
フランス公共ラジオによると、タリバンの報道担当者は、タリバン側は地雷とロケット弾を用いてNATO軍に甚大な被害を与えたと強調。
NATO側が空から反撃し、タリバンの5人と市民15人が死亡したとしている。