備 忘 録"

 何年か前の新聞記事 070110 など

防衛省昇格法成立

2008-03-22 21:32:02 | 評論
'06/12/16の朝刊記事から


防衛省昇格法成立 専門家に聞く

防衛庁が悲願としてきた省昇格関連法が15日、成立した。
日本の防衛政策の転換をもたらすとも指摘される同法の成立をどう見るのか。
軍事評論家の前田哲男氏と、拓大海外事情研究所長(安全保障論)の森本敏氏に聞いた(聞き手・東京政経部 青山修二)

前田哲男氏 軍事評論家
核心を巧妙に隠ぺい

自衛隊の海外活動が本格任務化され、専守防衛という防衛政策を根本的に変えるという法の核心が明らかにされないままに採決された。
国会でも、この法の核心を外れた議論が多かった。

2001年にテロ対策特措法を制定するとき、秘密を漏らした自衛隊員や防衛庁の契約業者などを処罰する自衛隊法改正も同時に行われた。
この法改正は1985年に「知る権利を妨げる」と批判されて廃案になった国家機密法案と似ていたが、国会審議はテロ特措法に集中し、自衛隊法改正は議論されなかった。

今回の昇格法も、省昇格と、自衛隊の海外活動の本来任務化が一体として審議されたことで、核心が巧妙に隠ぺいされたと感じる。

防衛庁は、憲法9条の下で自衛隊を海外に出さない、戦争をしないという国の姿勢を示すために「庁」として生まれた。
実態に合わないからといって省に昇格させ、海外活動を本来任務化するのは本末転倒の議論だ。
この昇格法は、専守防衛を定めてきた憲法9条に対して「下克上」を起こしているといえる。


森本敏氏 拓大海外事情研究所長
「恒久法」整備が必要

防衛庁は、旧社会党が自衛隊を違憲とみるなど、設置当時の政治状況の中で、庁になれないまま現在まで続いてきた。
自衛隊は、災害派遣、国連平和維持活動(PKO)、テロ特措法に基づく活動など、海外でも活動の幅を広げている。
防衛庁は、ほかの省や、他国の防衛担当機関と同等の仕事をしており、省昇格は遅すぎた。

防衛という国の基本的な機能を「庁」に担わせている国はほかにない。
法の成立により、防衛庁の省昇格を論じる必要性はなくなり、どんな役割を充実させるべきか議論する時代に入った。

海外活動が本来任務化されても、派遣する際には根拠法が必要だ。
ただ、自衛隊を海外に派遣するときに、その都度、特措法の制定を国会で議論していたら、政府の対応が遅れてしまう。

政府の次の仕事は、自衛隊を海外に派遣する手続きを定めた「恒久法」の整備だ。
自衛隊派遣の基準や、自衛隊員の武器使用の基準をどうするかを国民にきちんと示すためにも、恒久法を制定する必要がある。




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