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'07/08/20の新聞記事から
厚労省 子供の心診療拠点整備
全都道府県に順次
増加する虐待の被害や不登校など子供の心を取り巻く問題が深刻化していることを受け、厚生労働省は19日までに、乳幼児期から青年期までの心を専門的にケアする外来や病棟を備えた「子どもの心診療拠点病院」を全都道府県に整備する方針を固めた。
2008年度から3年間はモデル事業として10病院を選定し、費用の一部を同年度予算の概算要求に盛り込む。
欧米より立ち遅れているとされる子供の心の診療体制構築に、国が本腰を入れる大きな一歩となる。
11年度以降、全都道府県に拠点病院を1ヵ所ずつ順次指定。
それらの病院を後方支援する「中央拠点病院」を全国で1カ所、国が運営しているいずれかの医療機関内に設置したい考えだ。
厚労省母子保健課などによると、モデル事業は既に子供の心の診療に取り組んでいる病院を対象とし、今後、都道府県を通じて募集し選定する。
子供の心の診療
虐待や非行などの対応のほか、災害や凶悪事件を体験し心に傷を負った子供のケアなども重視されており、ニーズは幅広い。
欧米では大人の精神科とは別の医療分野が確立している。
しかし、厚生労働省の検討会の推計によると、国内で専門的に携わっている医師は70人弱、定期的に診療する小児科医や精神科医は約1500人しかいない。
今年1月現在、専門医研修のできる医療機関は国立成育医療センター(東京)や信州大病院(長野)など9都府県の13カ所にとどまっている。