’08/06/01の朝刊記事から
韓国全土で抗議集会
米牛肉輸入解除 警官隊と衝突も
【ソウル1日共同】韓国政府による牛海綿状脳症(BSE)対策を理由にした米国産牛肉の輸入制限の解除に抗議するろうそく集会が5月31日夜、全国各地でほぼ一斉に開かれた。
KBSテレビによると、ソウル市庁舎前の広場には若者や家族連れなど約十万人(主催者推計、警察調べは4万人)が集まり、集会後約4万人が大統領府に向けデモ行進した。
一部が大統領府近くで警官隊と衝突、警官隊が参加者に向け放水する場面もあった。
政府による解除発表後、初めての週末。
韓国メディアによると、5月に始まった市民の抗議集会としては最大規模となった。
参加者は、李明博大統領の「退陣」を要求するシュプレヒコールを上げながら行進、反政府デモの様相を呈し、軍人出身政権以降では異例の事態といえそうだ。
警察当局は機動隊員ら1万人以上を動員して厳戒態勢を敷き、韓国メディアによると市民ら64人を拘束。
警察との衝突で失神し病院に運ばれる人もいた。
ソウルの集会を主催した約1700の市民団体とインターネット愛好者のグループが「十万人規模」を目指し、ネットや携帯電話のメールで広く参加を呼び掛けた。
集会では牛肉問題に限らず、李大統領の国政運営全般を批判する市民も目立った。
これまでに開かれた集会では、参加者の一部と警官隊との集会後の衝突などで、30日までに200人以上が逮捕・拘束されており、さらなる混乱を懸念する声も出ている。
ソウル以外では同国南部の釜山や済州島、南東部の大邱、南西部の光州、中西部の大田などでそれぞれ数千人から数百人が集まり、計1万5千人を超えた。
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