井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

イージーリスニング

2006-12-17 10:37:20 | 音楽

これがブームになったことがあったのである。たかがBGMと言うなかれ。今でも街頭で、店内で、ポール・モーリアは頻繁に耳にする。しかも世界中で。ベルリン・フィルでは考えられない。

それで約30年前のブームの頃、アレンジが秀逸なのはパーシー・フェイス、時に新鮮な好盤があるのがポール・モーリアなどと取り沙汰されていた。すでにパーシー・フェイスは亡くなっていたにも関わらず、である。

そのポール・モーリアの名前が師匠の口から飛び出してびっくりしたことがある。思わず「先生もその類を聞かれるんですか?」と尋ねたら「パリにいた頃はそんなのばっかり聞いていたよ。友達も入っていたし。」 そうか、ポール・モーリア・グランド・オーケストラの音はパリ音楽院の音だったのか…。心なしかポール・モーリア・サウンドが上等なものに響いてくる。

そのポール・モーリア氏と偶然出会ったことがある。場所は大阪グランドホテル、時間は朝食時。またまた偶然にも大学で一年上の先輩にもそこで出会った。私はブロードウェイ・ミュージカルのオーケストラの仕事で来ていた。先輩はもしかしてポール・モーリアですかと尋ねたら、ここにいることは内密にしてほしいなどと言われ、話題は何故かパーシー・フェイスの話になっていた。

パーシー・フェイス楽団はパーシー・フェイスの死後も活動を続け、今でも存続しているはずだ。その先輩はそこのエキストラ奏者として演奏したことがあったらしい。 「みんなすごく上手いの。とにかく音程がいい。」音程を外す日本人奏者は何回も駄目出しがあったとか…。こちらはこちらでハイレベルな話である。

今思い返すとポール・モーリア楽団に日本人エキストラ奏者が入っていることを一般に知られてはまずいから口止めされていたのだろうな、と思う。 そのポール・モーリアも今年お亡くなりになった。口止めももう時効だろう。

しかし始めに述べたように、その音楽は今でも立派に生き続けている。そしてそこにはたかがBGMでは済まされない奥の深さがある(と私は思っている)。ポール・モーリア、そしてパーシー・フェイスよ、永遠に!