たまたま家にあった文庫を読んだのですが、これが大変面白い。筒井先生の本はいくつか読みましたが、もしかしたら一番面白かったかも。
旅のラゴスというくらいなので、主人公のラゴスが旅をする物語なのですが、そこは筒井先生なので「集団転移」(いわゆるテレポーテーション)とか、本当に壁抜けをする芸人とか、太古にやってきたらしい宇宙船の残骸とか、絶妙にSF的要素を織り交ぜ、ワクワクしたりハラハラしたり。
調べてみたら、これは最初に出たのが1986年だったそうですが、その後1994年に文庫が出てロングセラーになったそうです。それが2014年頃から増刷10万部を超えるヒットで、それも原因不明の謎のヒットと言われてるとか。
しかし、私からすればこれはヒットするのが当然で「原因不明」というのは失礼な話と思われ。とはいえ、ずっと売れ続けてたのが映画になったわけでもアニメになったわけでもないのに売り上げが急上昇というのは不思議ですね。
不思議というと、私がこの本をまったく知らなかったのもまた不思議。1986年というと就職した年なので、それどころではなかったのかもしれませんが、それでもずっと出張生活だったので旅のお供を探しに結構本屋には行ってたはずですが。
なんにしても、これは読んでよかったです。やはり筒井先生は天才ですね。大人としては、これは読んでおかねばという感じでした。