妙なタイトルの本ですが、これはかの財津和夫さんの曲名から。この本は集英社新書ですが、NHKのドキュメンタリー「ザ・ヒューマン」という番組で財津さんを取り上げた際に行ったインタビューを、その担当ディレクターが全面改稿したというものです。
私はチューリップにも財津さんにも詳しくないのですが、人としての財津さんには関心があるので「財津和夫の現在を描く決定版的一冊」と言われるとつい買ってしまいました。
財津さんというと、ビートルズに強烈な影響を受けたサウンド志向の人という印象でしたが、近年は地元福岡のホテルで一般を対象にした作詞講座を開講したりしたそうです。もちろん、要請があって引き受けたわけですが、一般の人が書く詞に財津さん本人も大きく刺激を受けたようですね。
あとは、あれだけの人でありながら新曲を1曲作るのにすごく丁寧に、とにかく言葉の一つ一つを選びながら相当苦労してたというのが印象的でした。この辺は、本のカバーにあるように「癌や更年期障害を乗り越え、サウンド志向だった過去の自分から脱却し、詞の重要性に目覚めて…」ということかもしれません。
こちらは昨年出たばかりの本なので、それこそ財津さんの今がわかるとともに、序盤はアマチュア時代からチューリップがデビューした頃の話もあったりで、私のようなものにとっては入門書として最適でした。
個人的にはもっとボリュームがあってもいいかと思うのですが、そこは財津さんのインタビューを基にしてるので、ご本人が饒舌なわけではないのでしょう。そのテレビ番組は見てなかったのですが、この本は面白かったです。興味のある方は是非どうぞ。