こちらは川添象郎さんの自叙伝です。なんとなく名前は知っている人ではあったのですが、実際は物凄くいろんなことをやってます。
この人の両親の川添夫妻は、あのイタリアンレストラン「キャンティ」を作った人でそれぞれ有名人ですが、知らない人はWikipediaででも調べていただければわかります。私は、ザ・タイガースの本とか安井かずみさんの本などで、やたらとこの店の事を目にしてました。それで、「ああ、あの店の夫婦の息子さんか。」と。
著者は、自分自身もフラメンコのギタリストであったのですが、アメリカで演劇とかミュージカルに関わったりして、帰国後はまたさまざまなお店のショーをプロデュースしたり、店の立ち上げに関わったり、音楽プロデューサーとして活動したり、YMOの海外公演を仕掛けたり、「え? あれも、それも?」と、とにかく驚きっぱなしでした。
私生活では結構困った人でもあるのでしょうが、物凄く才能とひらめきに溢れた人なのだろうと思います。安井かずみさんの本を読んでた時も思ったのですが、一般男性である私とはまったく別世界の話なので「ほぉ~」と思って読むしかないです。
そういうことで大変面白かったのですが、さすがにこれだけ色々やってた人なのでちょっと言ってることの時系列がおかしかったり、疑問な部分もあります。特にハイファイセットのデビュー曲は、「フィーリング」じゃないよなあとか。
細かいことは抜きにして、とにかく面白いのは確かなのでこの本はお勧めです。