今日のひとネタ

日常ふと浮かんだことを思いのままに。更新は基本的に毎日。笑っていただければ幸いです。

またまたタイトルがわかりにくい曲の話

2020年11月10日 | 昭和歌謡・アイドル歌謡
 山口百恵に「赤い衝撃」という曲があります。思い当たる人はさっそく歌ってみて下さい。きっと「レッ~ド センセイ~ショ~ン♪」と歌った人がいますね。それは「赤い絆」であって、「赤い衝撃」は「あ~なたがいる わ~たしがいる」という、チャーリー浜のギャグみたいな歌詞のあれです。

 ということで、タイトルのわかりにくい曲の話題も3回目。考えてみれば、山口百恵の曲というのはタイトルのわかりにくい曲だらけです。先日もBSPでコンサートをやってましたが、そこでデビュー曲を歌ってた時の事。

 自称百恵ファンという妻に「この曲のタイトルは?」と聞いたら、頭から歌っても全然出てこない出てこない。で、歌の最後に「とっし~ごろ~よ~」ときて、「あ、としごろ!」と。

 あの人のその後のシングルも並べてみると、「青い果実」「禁じられた遊び」「春風のいたずら」「ひと夏の経験」「ちっぽけな感傷」「冬の色」「湖の決心」などなど、歌詞にタイトルはまったく出てきません。「あ~な~たに~ 女の子~の~ 一番大切な~アレをあげるわ~」という思わせぶりな歌詞の曲のタイトルがすぐわかる人がどれくらいいるでしょうか? 正解は「ひと夏の経験」なのですが、「経験」は出てきても「夏」は出てこないのですね。「夏じゃなきゃダメなんでしょうか、春だとどうですか?」とか言ってみたくなります。

 これだけ続くという事は、これは多分狙ってやってたのでしょうね。その後は「夏ひらく青春」という、またまた思わせぶりなタイトルの曲は歌詞と結構リンクしてますが、その次の「ささやかな欲望」はまたまったく。というか、私はこの曲自体思い出せません。

 ただ、そのず~っとあとになると、「イミテーションゴールド」「プレイバックPart2」「秋桜」「絶体絶命」「いい日旅立ち」「美・サイレント」「しなやかに歌って」「ロックンロール・ウィドウ」などはわかりやすいです。完全に方針が変わってます。

 他のアイドルで考えると、松田聖子などは「夏の扉」「白いパラソル」「風立ちぬ」「赤いスイートピー」「渚のバルコニー」「秘密の花園」「ガラスの林檎」「瞳はダイヤモンド」「時間の国のアリス」「夏服のイヴ」「ピンクのモーツァルト」「ハートのイアリング」「天使のウインク」「あなたに逢いたくて」など、かなりわかりやすいののオンパレード。これを考えると、歌詞を聞いてタイトルがわかりやすい方がヒットするのではと思ったり。

 ちなみに、キャンディーズのシングル17曲を並べると、多分最もわかりにくいのが「哀愁のシンフォニー」で、次が「ハート泥棒」ではなかろうかと。ただ、ヒット曲ではあっても「わな」もまったく歌詞には出てこないのですね。

 そんなこんなですが、タイトルと歌詞がまったく関連しないものは「勝手にシンドバッド」だという結論になりそうですが、あれはそもそもネタのようなものですし。ただ、元ネタの一つの「勝手にしやがれ」も、まったく歌詞にはタイトルが出てこないですね。ただ、あれはレコード大賞受賞曲だしなぁ。

 ということで、結論としてタイトルがどうであれ歌詞がどうであれ、売れるものは売れるし、売れないものは売れないと。これは多分まだ誰も気づいていない真理だと思います。(か?)

タイトルがわかりにくい曲

2020年11月09日 | 昭和歌謡・アイドル歌謡
 前にも話題にしたことがあるのですが、世の中にはタイトルのわかりにくい曲があります。「ハートのエースが出てこない」とか「その気にさせないで」とか「暑中お見舞い申し上げます」とかいうのは、何も考えずにタイトルはわかります。しかし、最後まで聞いてもわからない曲もあったりするのがつらいところ。

 あれは私が小学生の頃。実家のすぐ裏に年上のいとこが住んでたのですが、ある日ラジカセを貸して欲しいと言ってきました。当時は別に使用頻度も高くなかったので、多分1~2週間貸してあげたと思います。

 それが返って来たときに、どうやら出し忘れたらしいカセットが1本入ってました。折角だからと聞いてみたら何曲か入ってて、わざわざ録音するくらいだから友達からレコードでも借りて来たのではなかろうかと思うのですが、なかなかきれいな音で入ってました。ラジオからの録音で無いのは音を聞けばわかったので。

 知ってる曲、知らない曲、色々あったのですが拓郎さんの「たどり着いたらいつも雨降り」などは、知らなくても「ああ、これがあのタイトルの曲か」とわかったり。それで、その中に結構気に入った曲がありました。

 歌詞は「赤い屋根の時計台が 朝を告げて 光の中に 愛の鐘が鳴る」というもの。そのフレーズがなんか凄くおしゃれな感じがして、声も綺麗な女性のボーカルでした。この出だしの歌詞でタイトルのわかる人がどれくらいいるでしょうか。

 ほどなくそのテープはいとこに回収されてしまったので、その曲はそれ以来聞く機会は無し。あとになって「あの声はチェリッシュではなかろうか?」と思ったのですが、あの人たちのシングル曲の一覧を見てもわからず。

 そして、この曲のタイトルがわかったのは、それから40年ほどしてから。NHKFMの歌謡スクランブルを聞いてのことでした。しかし、一旦わかったその曲のタイトルもまた忘却の彼方に。

 それが、先日キャンディーズの1stアルバム「あなたに夢中」を聞いてたら、この曲をカバーしてました。「おっ、これは!」と思ったものの、またタイトルが出てこず。果たして正解は「避暑地の恋」。歌ってるのはやはりチェリッシュで1973年の曲。あらためて歌詞を全部眺めてみたのですが、「軽井沢」という地名は出てくるものの「避暑地」は出てこないですね。私ならタイトルは「恋の軽井沢」にするなぁ…。←センスのない人。

 考えてみれば、歴代のレコード大賞受賞曲などはいきなりタイトルから始まる歌詞が多いので、ヒットを狙うとそういうのが王道のような気はします。「黒い花びら」「こんにちは赤ちゃん」「霧氷」「今日でお別れ」「また逢う日まで」「愚か者」「UFO」などなど。それから考えると同じく大賞受賞曲でも「天使の誘惑」なんてのは、かなりしゃれたタイトルだったのでしょうね。

 それはそうと、「避暑地の恋」はもう絶対忘れないぞと思ったのでした。調べてみたら、この曲は33万枚の売り上げで週間最高3位までいったそうです。流行ったんだなぁ。う~む、知らんかった。

ラジオNIKKEIからステッカー届きました

2020年11月08日 | ラジオ番組の話題

 
 11/3(火)にラジオNIKKEIで放送された「昭和歌謡セレクション~文化の日スペシャル2020~」にメール送って採用された記念として、当日のパーソナリティーのサイン入りステッカー届きました。

 この日は、先日亡くなった筒美京平先生の特集番組だったのですが、メインパーソナリティのサトケンこと佐藤健一さん、ゲストパーソナリティの神田沙織さん、くまきもえさん、DJマッピーこと松本ともこさんのサインがあります。

 以前TBSラジオ「ストリーム」でメールが採用され、さらにパーソナリティーのサイン色紙も当選したのですが、届いたのは小西克哉さんのだったので、マッピーのサイン貰うのは初めて。ちなみに、中央下のピンクの文字がそれです。

 ラジオ番組でメールが採用されるとステッカー貰えることが多いですが、今あるのは濱田マリさんの「Listen HEART!」、TBSラジオ「たまむすび」(月曜日、水曜日)、TBSラジオ「伊集院光とらじおと」などなど。

 記念にはなりますが、どこに貼ろうかと考えながら全部そのまま保管してあります。う~む、どうしたるか。


「わが愛しのキャンディーズ」見ました

2020年11月07日 | キャンディーズ・伊藤蘭
 BSPで午後7時半から放送の「わが愛しのキャンディーズ」見ました。2006年の放送時に録画してあったのですが、今回はリマスター版ということであらためて保存版にしようと思った次第です。

 そのリマスターの効果ですが、確かに画質は向上しているように思いました。ただ、静止画にして比べた時によくわかるという感じで、当たり前ですがなんかデジタルでいじったという印象が強く、動きは若干滑らかさに欠けたような気がしたのは私だけでしょうか。とはいえ、全編高画質にすることに尽力して放送して下さったスタッフの方には感謝いたします。

 曲もいっぱい聞けましたが、シングル全曲あったわけでななく、ここであらためて自分がどの曲が好きか考えてみました。ちなみに私は青組というかスーちゃん派です。

 シングルはどの曲も好きですが、レコードで聞いて特に好きなのは「そよ風のくちづけ」「なみだの季節」「年下の男の子」「ハートのエースが出てこない」「春一番」「夏が来た!」「哀愁のシンフォニー」「わな」。

 一方ライブアルバムとか歌番組で聞いて特に好きなのは、「あなたに夢中」「危い土曜日」「年下の男の子」「その気にさせないで」「ハートのエースが出てこない」「春一番」「哀愁のシンフォニー」「暑中お見舞い申し上げます」など。まぁ「特に」ということなので、どれも好きですが。

 レコードでのアレンジとか演奏が素晴らし過ぎる曲はどうしてもライブとの差が出てしまいますが、ライブではまた違う感じの迫力が出る曲があって、そういうのは歌う側の力量というかドライブ感もあって見るのは楽しいです。

 今回の放送では、デビュー曲を作曲した森田公一先生のピアノで歌うシーンもありました。あのときの「ひるのプレゼント」はリアルタイムで見たのですが、森田先生は「3人組のデビュー曲ということで、それぞれをどう目立たせるか」と言うので悩んだそうです。

 なので、あの曲は最初にランちゃんのソロ、それにミキちゃんがハモって、次にスーちゃんが加わるという構成にしたとか。あれはさすがというか、歌の合間もスーちゃんだけ目立つのじゃなくてそれぞれの個性が出るようになってる力作だと思います。今聞いてもいい曲ですし、今日あらためて歌唱シーンを見るとスーちゃんがちょっとマイクを遠ざけて歌うところもあったりで、「長年やってるうちにそれぞれ声のバランスもとってるんだなぁ」とか感心しました。

 BSでの放送で話題になるかと思ってたのですが、今のところTwitterのトレンドにも入ってるし、見てなかった人も「何があったんだ?」と思うようなら成功でしょう。とはいえ、NHKには是非地上波での再放送をお願いしたいところです。私なんぞ、もうホームページから意見してしまいました。長年受信料払ってるんだし、こういうのは年に1回くらいは再放送して欲しいものです。

明日は注目の番組「わが愛しのキャンディーズ」放送

2020年11月06日 | キャンディーズ・伊藤蘭
 明日7日(土)はBSPにて「わが愛しのキャンディーズ」が放送されます。以前放送された番組の再放送ではあるのですが、注目点がいくつかあります。

 それは
・リマスターで映像は高画質になったのか。
・BSPと4Kの放送で映像は違いがわかるのか。
・往年のファン以外にも話題になるのか。
・BSでの放送は世間一般の人に浸透するのか。
など。

 今回は9日(月)に4Kでの放送もあるのですが、とにかくリマスターによる高画質を売り物にしています。番組サイトでのプロデューサーの言葉として「1970年代、日本中の若者を熱狂させたキャンディーズの姿が、より美しく鮮明によみがえりました。今年は、いろんな意味で音楽を楽しむ機会が制限されました。そんなときだからこそ、時を経ても色あせないエバーグリーンな魅力を放つキャンディーズの映像をもう一度見ていただきたい、また現代の最新技術でリマスターした映像は、今後も貴重な映像資産となるだろうと考えました。3人それぞれのキャラクターが際立った名曲のパフォーマンスをたっぷりお届けする90分、永久保存版です!」とあります。

 先日山口百恵さんのラストコンサートが、やはりBSPと4Kで放送されました。私はBSPで見ましたが、特に高画質だとは感じなかったので今度はどうでしょうと。もっとも、百恵さんのコンサートは武道館の様子だけで、キャンディーズの方は「レッツゴーヤング」とか「ひるのプレゼント」とか、そもそもNHKの映像があるわけです。

 とくに「ひるのプレゼント」はスタジオライブなわけで、こちらはコンサート会場の映像と比べてリマスターの効果が出やすいと個人的には思ってますが、どんなものででしょう。色々見てますと、キャンディーズファンの方でこのために4K対応レコーダーを買ったという声もいくつかありますし、その感想は楽しみにしてます。

 なおかつ、今回は「見ごろ食べごろ笑いごろ」のあのコントもあるので、往年のファン以外であれを初めて見た人などは、どういう感想を持つだろうかというのが気になります。当時のラジオ番組で、リスナーから「いい年をしてあんな恥知らずなコントをしてなんとも思わないんですか?」と情け容赦ない質問が来た際に、蘭さんは「ビジネス、ビジネス。…あ、しらけたな。」とお答えになってました。そのくらいの覚悟を持っておやりになってたわけです(?)。

 ただ、今回はBSPの放送なわけで、世の中にはBS見られない人もいますし受信料払ってない人もいます。そんな中で、この番組がどれくらい世間一般で話題になるかと。山口百恵さんのコンサートの放送は特に話題になってなかったように思いますし、6月にCSで放送された「ザ・ベストテン」はびっくりするくらい、世間一般では知られていませんでした。

 理想としては、今回の放送が話題になって、地上波でも放送になること。今は地デジがありますし、そこでも十分高画質だと思うので期待したところです。まずは明日ですね。皆様、お見逃しなきように。

「未来少年コナン」の最終回の話

2020年11月05日 | 日記・雑記・ただの戯言
 日曜夜にアニメ「未来少年コナン」の再放送をやってて、この日曜が最終回だったのが、例の大阪都構想の影響でニュースが伸び録画失敗したり見逃した人が多かったとか。実は私も先週まで見てたのですが、録画失敗どころかこの日は放送が無いものだと思ってとっとと寝てしまいました。

 元々アニメはほとんど見ず、「未来少年コナン」もリアルタイム世代ではあるのですがチラリとも見たことなし。今回の再放送にあたって、初めてその設定を知り「ふ~ん、もしかして面白いかも」と思った程度。

 ただ、日曜の夜にNHKの12時のニュースを見て、「麒麟がくる」のまとめを見てから寝ようとすると、ちょうどコナンが始まるのですね。あれのオープニングの怖い感じとオープニングテーマのほのぼのした感じの落差でついつかまれてしまいます。

 ただ、それでも最初の方は知らなくて、見始めたのは6月か7月くらいからでしょうか。はっきり言って面白いです。「んな、アホな」というシーンも多いですが、そもそもがそもそもの設定だし、ドラマじゃなくてアニメだし、それはそういうものだとして楽しめばよろしいかと。

 なお、私は最終回見逃したのですが、【公式アニメch アニメログ】というところの映像がYouTubeで見られたので、事なきを得ました。ここはちゃんと許諾を得たものを流しているそうですが、なんか太っ腹ですね。全話あるので、そもそも見てなかった初回も見られるし。

 なお、いつ頃のアニメだったかと調べたら、1978年4月4日開始で半年ほどやってたのだとか。1978年4月4日というと、キャンディーズが解散コンサートを実施した日で、この番組は19時30分からの放送なので、その時間帯は3人がまだまだバリバリ歌ってた時ですね。ん~、私は何をしてたかなぁ。ただ呆然としてただけかも。まだ春休みだったかも。

山岳小説は心がザワザワします

2020年11月04日 | ブックレビュー
 

 沢木耕太郎さんの「凍」を読みました。5年ほど前に夢枕獏さんの「エヴェレスト 神々の山嶺」を読んだら凄く面白くて、無酸素登頂とか崖を登る時のこととか知らない事も多く、この分野結構興味が湧きました。

 が、あちらはフィクションですが、今度のはノンフィクション。文庫の裏の文章には「最高のクライマーとの呼び声も高い山野井泰史。(中略) 彼は、妻とともにその美しい氷壁に挑み始めたとき、二人を待ち受ける壮絶な戦いの結末を知るはずもなかった。」とあって、「面白そう」と思って読み始めたと。

 ただ、今はWikipediaという便利なものがあって、途中でちらりとこの山野井さんのプロフィールを見たらちゃんとご存命なので、そこはやや安心して読めました。ただ、生きて帰ってこられたからこそ、その壮絶な行程が心理状態まで含めて綿密に描かれてるわけで、もうなんか心がザワザワすることしきり。

 それ以上はネタばれを避けるため、詳細は書きません。沢木さんは、この「凍」で第28回講談社ノンフィクション賞を受賞してるんですね。面白いはずです。

 ちなみに沢木さんのことは、その昔甲斐よしひろさんのラジオで知りました。「敗れざる者たち」の話をしてて、「サウンドストリート」にもゲストで一度来たことがあったと記憶してます。

 当然「敗れざる者たち」は読みましたが、その後「地の漂流者たち」「テロルの決算」「一瞬の夏」なども読みました。しばらく読んでなかったのですが、久々に出会ったのがこれだったので、やはりこの人のノンフィクションは面白いと。次は「キャパの十字架」とか読もうかな。

 で、実は「凍」は図書館で借りてきたのでした。沢木先生、すいません…。

昭和の女性アイドルのモチベーションを考える>三人娘編

2020年11月03日 | 昭和歌謡・アイドル歌謡

 今はいわゆる「アイドル」になろうとすれば、かなり敷居の低い時代になってます。規模に拘らなければ自分で動画発信できるわけですし。また、一方トップアイドルになりたいという人もその目標が山口百恵、松田聖子、中森明菜、小泉今日子など、具体例が思い描けます。歌にドラマに映画に活躍、歌でヒット飛ばしてママになってもアイドル、とにかく歌の世界でセルフプロデュース力も発揮する、歌でもCMでも国民的な人気者になる、などなど。

 一般に昭和の女性アイドルの始まりは、南沙織さんとか麻丘めぐみさんだとか言われます。まだ「アイドル」という言葉が一般的ではなかったのでしょうが、その当時の人はとにかく将来像が描けなかったのではないかと。

 ここ何年かで読んだ本で、その辺のことを考えさせられる部分をいくつも見ました。まずは朝日新書の「南沙織がいたころ」(永井良和著)ですが、南沙織さんがデビューした当時(1971年)の芸能プロダクション事情が垣間見られます。

 当時は今のようにメディア戦略をじっくり練って、本人の成長過程も含めてスターを作り出すようなことはなく、芸能人はプロダクションの「所有物」と考えらえていたのだとか。それを撮影やステージなどの現場に送り込み、興行主と組んで公演の売り上げから取り分を得るような商売をしていたそうです。

 それで、彼女の場合は沖縄から連れてこられ、「住まいを用意する」「学校にもちゃんと行かせる」という約束だったのが、実際はホテル住まいや社長宅の居候、忙しくなると仕事を詰め込み学校にはほとんど行けず試験も受けられず、体調が悪くてドクターストップがかかっても仕事を強行させ、結果入院する事態になってようやく休業、そのあげくに「引退したい」という発言が出たと。

 まだ返還前だった沖縄からパスポートを持って「来日」した少女が、プライバシーもなく、学校での友達もできず、話し相手にも信用できる大人にも恵まれず、という状況におかれよく精神を病まなかったものだと思いますが、そこは相当芯が強かったのでしょう。

 その南さんの「芯が強い」ということについては、酒井政利さんの「プロデューサー」という本にも書かれています。彼女の場合は、最初の所属事務所がよくなかったものの、幸いなことにレコード会社(CBSソニー)では名プロデューサーとして知られる酒井さんや、作曲家の筒美京平先生、「南沙織」の名付け親になった作詞家の有馬三恵子先生らのスタッフに恵まれたことが良かったのでしょう。

 南さんは忙しい合間をぬって上智大学に通い卒業していますが、その酒井さんの著書によると「スターであるために、もし自分の何かを捨てなくてはならないのなら、私はスターであることを捨てます。」と常々語っていたと。それくらいの人だからこそ、いわれのないスキャンダルに巻き込まれても続けていけたのだろうと。とにかく歌は好きだったのでしょうね。引退の際のコンサートのライブCD持ってますが、「こんなに上手かったんだ」とほれぼれします。

 同じく酒井さんが手がけたアイドルが、「ソニーの白雪姫」天地真理さん。国立音楽大学の付属中学・高校でピアノと声楽を学んだ人です。子供の頃に少年ジャンプで見た「天地真理物語」では、「手が小さくてピアニストに向かない」と言われて声楽に転向したという話があって、てっきりそれは盛ったかと思ってたらレコード大賞のステージで本格的なピアノを弾いてた映像があって「ホントだったんだぁ」と思った記憶があります。音大には行ってないですが、ちゃんとした音楽教育は受けてたと。

 私は特にファンではなかったのですが、それでも彼女が当時出したシングルはほとんど知ってるくらい相当ヒットしました。が、デビューの翌年から次々とスキャンダルに巻き込まれ、心身ともに大きなダメージを受け、世間のイメージが崩壊する前に彼女自身が精神的に崩壊してしまったそうです。酒井さんによると「あのときの数々のスキャンダル報道はスーパーアイドル白雪姫を追い落とすために、誰かが書いたシナリオではなかったのか?と思える」とあります。他の事務所の画策か、同じ事務所内での足の引っ張り合いかはわかりません。

 天地真理さんは「芸能界の風潮にはなじめないが、スターであり続けたい」と揺れ動いてたそうで、優しすぎたというか、南沙織さんみたいに「面倒な事あるなら辞めてやるよ!」というくらいの強さがあれば、またその後の活動も違ったのかもしれません。

 当時SNSがあれば、いくらスキャンダルがあっても信じて応援してくれるファンの声を直接聞けて頑張れたのかもと思う反面、もっときつい批判を直接浴びたかもとか思ったりしますが、それはわかりません。

 それで、酒井さんによると「当時の三人娘であった南沙織、天地真理、小柳ルミ子の中では、芸能界にもっともなじみ、プロ根性を持っていたのが小柳ルミ子であった」と。彼女のその後を見ると、とにかく芸能界でスターになるためになんでもやるというのは、たしかにプロ根性以外のなにものでもないですね。そもそもが、宝塚音楽学校には歌手になるために入った人ですし。まぁ彼女を当時アイドルと言ったかどうかはまた別の話。

 アイドルのモチベーションとしては、人気者になりたい、とにかく大勢の人の前で歌いたいという理由もあるでしょうが、その後に出てきた人では「お金を儲けて親に家を建ててあげたい」「有名人と結婚したい」などということもあるかもしれません。

 この週末にBSPで放送される「わが愛しのキャンディーズ」では、都倉俊一先生のインタビューがあって、アイドルが大人になる過程での心境の変化のような話をされています。さすが、いろんな若手歌手を見てきているだけあって、説得力のある話でした。

 今も昔も女性アイドルは、せっかく人気があるのに早々に引退してしまったり、身体や心を病んで辞めてしまったり、応援している側としては残念な場面を色々見ますが、「アイドル続けるのも大変だ」というのは私も大人になってからなんとなくわかるようになりました。

 ということで、紹介した2冊の本は凄く面白いので関心のある方はお買い求め下さい。どっちも凄く面白くて、私は何回も読んでますが毎回新しい気づきがあります。私の場合は「南沙織がいたころ」が、沖縄問題を考えるきっかけにもなったりしました。


引用書籍

南沙織がいたころ/永井良和(朝日新書)
プロデューサー 音楽シーンを駆け抜けて/酒井政利(時事通信社)


くるみの道は奥が深い

2020年11月02日 | 日記・雑記・ただの戯言
 

 わが国では、くるみパンを買って来ては夜な夜な「く~る~み入~り~ お~菓子パン~」と歌っている一般男性がいることが確認されています。(当サイト調べ) それはそれとして、当方くるみのパンを見かけるとつい購入してしまうものでありますが、一昨日ヨークマートで買ったのが「全粒粉入りくるみパン」というもの。これはあまり甘くなく、全粒粉入りというあたりから自然食を好む人にもアピールしよういう企画でしょうか。

 が、実は袋の裏を見たら「2019くるみパン オブ・ザ・イヤー グランプリ受賞!」という文字が。大人気商品だったようです。しかもこれは「カリフォルニアくるみ協会主催」だと。

 そもそも「くるみパン オブ・ザ・イヤー」なんてものがあるのも知らなかったし、「カリフォルニアくるみ協会」なる団体も知りませんでした。

 この「カリフォルニアくるみ協会」は、公式サイトによると「カリフォルニア産くるみの啓蒙活動を行う非営利団体」なのだそうです。そして、現在は「2020くるみパンオブ・ザ・イヤー」の決戦投票をやってます。

 詳しくはこちらのサイトからご覧いただけますが、なんと決選投票に進んだくるみパンはどれも知らないものばかり。くるみの道はいかに奥が深いものか。ちなみに、サイトから投票した人にも賞品が当たったりするらしいです。なんと太っ腹な企画でしょう。

 決選投票は11月15日(日)23:59まで、結果発表は12月3日(木)午前9時予定だそうです。これはアメリカ大統領選挙どころの話ではないですね。明日はエントリー商品を全部買ってこねば。

 それにしても、知らないうちにくるみがこんなに盛り上がっているとは! あなどれん。

11月1日デビューの人

2020年11月01日 | 日記・雑記・ただの戯言
 今日11月1日は、1974年に太田裕美さんがデビューした日だそうです。当時私は小5。プロフィールで「ステージ101に出ていた」というのを見て、私はあの番組のファンだったものの特に印象が無かったので、失礼ながら「出てたっけ?」と思ったのですが、現存する最終回の映像を見るとバリバリ映ってますね。一番目立ってるくらい。最終回の「君のコスモス」はメインで歌ってたし、「涙をこえて」でもやたら映ってたし。当時はどこを見てたのやら…。

 そしてデビュー曲は「雨だれ」。これについては、当時聞いてたニッポン放送の「鶴光寛子の反省してます」という番組で、「歌声が甘ったれてるから『あまだれだ!』」という風に曲紹介してて、「ふ~む、世間はそういう風に見てるのか」と思ったりしました。歌は当時聞いて知ってて、テレビでも見たのでしょうが、あまり記憶には残っておらず。当時は南沙織さんのファンだったので、あまり意識して無かったのかも。

 ただ、その後は特に「木綿のハンカチーフ」をきっかけに結構好きになって、アルバムはベストアルバムを2枚くらい持ってるだけですが、シングルは出るたびに注目してました。生の歌声も「なごみーず」でのコンサートやイベントのゲストで何回か見た事あります。実は今月もうちの近所でコンサートをやってくれる予定があって、それも見に行くことにしています。一応ファンと言っていいでしょうか。

 また、高見知佳ちゃんも11月1日がデビューの日だったとか。それは1978年で、デビュー曲は「シンデレラ」。曲は「シンデレラ」だけど衣装がピーターパンみたいな感じだった記憶あり。最初に見た印象は「郁恵さんみたいな感じ?」と思ったのですが、実際ご本人のインタビューでも「郁恵さんとか真子さんのファンだった人がこっちに来てくれたみたい」と言ってたのを見たことがあります。

 歌は特にお上手ではなかったですが(失礼…)、地声でDまで出るような高音の魅力はあって、曲もかなり良かったです。デビューから3曲目までは筒美京平先生の作品で、4曲目の「ミスター・レイン」と、その次の「セザンヌの絵」は西島三重子さんの作曲でした。それにしても売れなかったなぁ…。

 彼女はバラドルの元祖のようなところもあって、歌よりも「アイ・アイゲーム」の珍回答とぶっちゃトークで人気者になりましたが、歌の方では「くちびるヌード」がヒットしたのが1984年なのでデビューから6年後。そのちょっと前はシングルが年に1枚くらいしか出てなかったのですが、じっくり頑張りました。そういえば、太田裕美さんの「満月の夜 君んちへ行ったよ」もカバーしてましたね。B面だったけど。

 このお二人は、デビュー曲が筒美京平先生の作品である点が共通しています。片や「雨だれ」で片や「シンデレラ」ですから、筒美先生も歌手のキャラクターに合わせてヒットするように作品を提供したのでしょう。知佳ちゃんの第二弾「シルエット」は、ラジオで出だしをちょこっと聞いた時は「岩崎宏美さん?」」とか思ったくらいカッコよかったですし。

 ところで、私にとってこのお二人に共通するところはもう一つあって、どちらもラジオ番組で私の投稿を採用してくれたこと。知佳ちゃんの時はラジオたんぱで、まだデビュー直後でしたが、太田裕美さんは21世紀になってからのNHKFMでした。

 このお二人のデビューがどちらも11月1日だったというのは今日初めて気づいたのですが、そんなこんなをあれこれ思い出したのでした。実は、ラジオでハガキを読んでくれた縁で高校生の頃は結構知佳ちゃん応援してました。若気の至りというかなんというかですが、笑いたければ笑うがいいさ。ワッハッハ。