宇江佐真理
『聞き屋与平 江戸夜咄草』★★★
こちらも初期作品
「お話、聞きます」とある商家の通用口に、男がひっそり座る。
ご隠居が始めた聞き屋
そこへ老若男女 色々な人達が一時を過ごしてゆく。
聞き料はお客様の気持ち次第
そこでどんなお話が語られてゆくのか。
実際今でも新宿の裏路地あたりにありそう?
ビッグカメラ裏の占いは毎度若い女子が並んでる。
誰しも悩みを抱えている(まぁそこは恋愛ね)
宇江佐作品を何作か読んできて感じる身近な「死」
主人公が亡くなるお話も何作かあり、死後の状況も語られている。
子供ゴコロに死について考えた時、とてつもない恐怖に襲われた。
自分のこの意識が消滅する、この世から消えてしまう。
今はそんなどうしようもない恐ろしさみたいなものはなく、
眠っている延長線上に死があると思っている。
夜いつものように眠りそのまま目覚めないのが理想
何度か死にかけたことがあるから、命を繋いだ感がある。
既にあの時死んでいたんだ。
生死観を考えると日々のくだらない悩みがどうでもよくなる?(いやよくないけど!)
命あればこそ。
健康であればこそ。
最近多いなと感じる連日の人身事故・・
色々な人を巻き込んで最後まで迷惑をかける「死」
雰囲気よし居心地よし
そんなカフェを見つける嗅覚
くんくん
金策に走ることなんてないと思っていたんだけど・・
連休は熊本 今年は熊本に縁がある。
宇江佐真理
『玄冶店の女』★★★★★
私的に大ヒット★
玄冶店(げんじだな× げんやだなと読)
そこに暮らす運命に翻弄されながらも健気に生きる女たちの切なくて心温まる物語
もちろん短編仕立て8話収録
さてその玄冶店とは?
江戸の地名で場所で言えば日本橋北、人形町通りの東側、新和泉町南側の横町
ご近所だったので想像がつく。
元は幕府の医師、岡本玄冶の屋敷跡で、役者、芝居者が多く住んでいたと言われる。
その医師、岡本玄冶とは?
医師で名を残すにはそれなりの人物
三代将軍家光の時代に将軍お抱えの医者として名を馳せた方
この『玄冶店の女』
表紙からじめっとした様子が伺える。
そう主人公は日陰の女・・それを著している。
傑作人情譚
また一つ心打たれるよい物語に出逢えた。
◆お江戸?なぞワード◆
虫籠窓
主に漆喰の塗屋造りと呼ばれる町家建築の二階部分に、縦に格子状に開口部を設けた固定窓のことを指す。
多くでは漆喰を塗り回され、窓といっても開け閉めできるものではなくささやかな明り取りや通風を目的としたものであろう。
しらくも
白癬(はくせんと読)と呼ばれる皮膚病のこと。
江戸時代には、病気と薬の番付表が製作された。
「病薬道戯競」には「初編」と「二編」があり、向かって左側に病気、右側に薬の名前が並べられている。
「初編」の病気の筆頭には「疱瘡(ほうそう=天然痘)」
「二編」の筆頭には「胎毒(たいどく=子どもが生まれつき持つ毒と考えられていたもの)」
どちらの病気ともに恐れられていた。
しらくもは「初編」の前頭に。
http://www.eisai.co.jp/museum/curator/yamazaru/viewpoint/disease_02.html
世代は違うけどちょっと気になる。
父が寅さん好きで結構みている方だと思う。
再放送でみたゴクミの記憶もある。これぞよき時代
宇江佐真理
『斬られ権佐』★★★
初期作品の一つ
表紙からも分かるように身体に傷を負った権左が主人公
捕り物が多い中でも、安定した一作
安定し過ぎる感もあり、そんなにとんとん拍子に上手くゆくかな?
ちょっぴり腑に落ちない箇所もある『赤縄』
赤い糸の伝説・・(笑)
平和を望むも現実は結構厳しい昨今
自然と救いを求めてしまうのは致し方ない。
将来の不安を憂う。
初期未読本『深川恋物語』が見つからない。
あと『銀の雨』『卵のふわふわ』もそう。
予約しないとダメかしら。
順調に進んでゆく宇江佐作品
台風19号の被害は未だに増え続けている。
それを考慮して天皇陛下の即位に伴う祝賀パレードが延期へ。
そういう気遣いが日本らしいなと思う。
ちょっとだけ日本脱出!

宇江佐真理
『夜鳴きめし屋』★★★
『ひょうたん』の続編
残念ながら古道具屋は閉店・・
標題のように居酒見世へと変更し息子の長五郎が主役へ。
音松とその女房 お鈴の掛け合いが見られず、そこがちょっと残念
世代はこうやって変わってゆくんだな とよき時代に思いを馳せる。
若さゆえの過ちも、こう上手く後年纏まれば言うことなし。
男女の関係なんてそうよ。なるようにしかならない。実感
◆お江戸?なぞワード◆
万年青(おもとと読)
中国から日本の暖かい山地に自生するスズラン亜科の常緑多年草
日本では関東から沖縄にかけての山地、特に西日本に多く自生状態で生育し、
観葉植物としても鉢植えで栽培される。


逆襲!?
朝早いメールは決まってて、
くまの出現に思わず手で胸(心臓部)を押さえ、ハッとした。
まるで韓国ドラマの大リアクションよ(嫌いじゃない)
え?まさかの元通り?
喧嘩って何だろうと考える。
毎回ハッとさせられる「感謝日記」
https://blog.goo.ne.jp/inorichann/e/4eed288df35d830159166ea3609e05e4

宇江佐真理
『ひょうたん』★★
久々に戻ってきた安定な江戸の市井の人達を描く短編集
読んでいて心の底からホッとする。
実家にたくさんあったひょうたん
おじいちゃんとおばあちゃんを想い出す。
日本全国の旅の記念として。
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本所五間堀にある古道具屋・鳳来堂
借金をこさえ店を潰しそうになった音松と、将来を誓った手代に捨てられたお鈴の二人が、
縁あって所帯をもち、立て直した古道具屋だった。
ある日、橋から身を投げようとした男を音松が拾ってきた。
親方に楯突いて、男は店を飛び出してきたようなのだが……(表題作)
江戸に息づく人情を巧みな筆致で描く、時代連作集!
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お友達から借りた『夜鳴きめし屋』へと続く。
同 光文社の『彼岸花』も忘れずにね。
アタマに血が上ってうれしさ全開
でもそれ以上に相手が全開テンションだと冷める。
だからと言ってテンション低めだと気が削がれる感じになる。
だったら同テンションを求める?
その線引きがむずかしい。

ラグビー&世界陸上盛り上がってる!!
豊田スタジアムで観戦していた知人のアツイ熱気が伝わってきた。

ジャンクジャンクジャンク
先日棚にあった分を全部買い占めてみた。
【期間限定】に弱い。

宇江佐真理
『深尾くれない』★★
異色な史実に基づく
装丁がその「重み」みたいなものを表現
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鳥取藩士・深尾角馬は短躯ゆえの反骨心から剣の道に邁進してきた。
いまでは藩の剣法指南役も勤め、藩主の覚えもめでたき身
しかし姦通した新妻を、次いで後妻をも無残に斬り捨てた角馬の狂気は周囲を脅かす。
やがて一人娘・ふきの不始末を知った時、果たして角馬の胸中に去来したものは……。
紅牡丹を愛し、雖井蛙(せいあ)流を起こした剣客の凄絶な最期までを描き切った異色の長編時代小説。
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ちょっと生々しいというか、今までの宇江佐さんにはない描き方
重さもさることながら、人生のやるせなさを感じる。
浮気して斬り捨てですよ!?
「いえいえ斬り捨てされるような覚えはございません」
そう胸を張って言える人はこのご時世いるのだろうか・・(笑)
もちろんわたしは確実に死んでるね。
まぁ視点が違って飛躍し過ぎな考えかもしれないけど、
この自由が認められる時代に生を受けたことを思うと、
「もっと人生を謳歌しよう!」そう実感させられる。
だって自分で人生を選び取ることが出来る時代ですもの!
ホント時代小説はおもしろい。
この『深尾くれない』は影があるけど、色々考えさせられる本でした。

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観自在菩薩。行深般若波羅蜜多時。
照見五蘊皆空。 度一切苦厄。
舎利子。 色不異空。 空不異色。
色即是空。 空即是色。 受想行識亦復如是。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
往ける者よ、往けるものよ、彼岸に往ける者よ、彼岸に全く往ける者よ、悟りよ、幸いあれ。
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鳥取砂丘
実は鳥取に行ったことがない。
なので読んでいて、景色が浮かばず想像のみ。
日本47都道府県・・まだ見しらぬ地は多々
(岡山、山口、愛媛、徳島、高知、宮崎 7県もある!)
来春に岡山予定 わくわく
縁ある愛媛は・・未だ未定だけど、何となく行けるような気がしてきた。
我楽観!

待つということ。
忍耐
ある意味我慢比べ。

宇江佐真理
『無事、これ名馬』★★★★★
並行読書がたくさんで収拾がつかない。。
(永遠の京極夏彦や初作家の藤沢周平など)
イマイチどれも乗り切らない感
そこでもう一冊と脱するが如く宇江佐さん^^
私的な名作に出逢ってしまった!
それがこの『無事、これ名馬』
まずこのタイトル
お江戸物語だし、馬が出てくるお話?(そんな単純なわけなし)
競走馬を指し「能力が多少劣っていても、怪我なく無事に走り続ける馬は名馬である」とする考え方を表した格言
現実は小説より奇なり いやいや「事実は小説より奇なり」ですが、
生きてゆく中そう物事は簡単には回らないし、上手くもゆかないことが多々ある。
それでも人はどうにか折り合いをつけて生きてゆく。
それがまぁ上手くこの一冊に纏められている。
よい本に出逢えてホントうれしい。
まだまだこれからだね。


「頭、拙者を男にして下さい」
そこから始まる、以前水没させた『春風ぞ吹く』の続編(スピンオフ)
https://blog.goo.ne.jp/bookook/e/1ac1d833ec961b4c91cff84688101c61
うれしいことに、宇江佐さんにつながり^^
https://blog.goo.ne.jp/mizudaityan/e/62c5fd61934668eb660b5e3cc97f7437

宇江佐真理
『憂き世店 松前藩士物語』★★+
このお話を一言で表すと「切ない」
読み終わる直前、危うく駅のホームで涙しそうになった。
突然の死はホント切ないね。
月日が経つとその当時の苦労がなぜか輝いて見えてしまう。
どうして人は昔を懐かしむのか。
過ぎ去った日々がどんな辛くともよい想い出として残る。
「笑って過ごせる日がくるさ~」って。
その日暮らしの浪人の身となり、帰封を願い続けて十数年・・
他人事ではなく感じる松前藩
先にチラッと解説(ネタバレ含)を読んでしまい、
最後に叶うと分かっていても心の奥底に澱のように切なさが残る。
さてさて宇江佐さん 結構読んできたけどまだまだ続きます。
初期未読本
『銀の雨 堪忍旦那為後勘八郎』
『深川恋物語』
『斬られ権佐』
『深尾くれない』★
『玄冶店の女』
『卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし』
『無事、これ名馬』★
『ひょうたん』★
『三日月が円くなるまで 小十郎始末記』★
『聞き屋与平 江戸夜咄草』
『恋いちもんめ』
『十日えびす 花嵐浮世困話』
『夕映え』
『深川にゃんにゃん横丁』
このあたりを読んでゆきたい(★GET)

ゴルフ仲間との親睦会 in吉祥寺
もー笑った笑った。
お気遣いありがとうございます!

宇江佐真理
『春風ぞ吹く―代書屋五郎太参る』★★★+
寝ぼけていたのか、ただのアホなのか洗濯機で洗ってしまった。
シーツを取った時に紛れこんだ模様・・


記念?にぐんにゃり曲がった・・はは;
こちらの主人公は若い25歳の武士
今の時代と比べると寿命も短いことながら、精神年齢が違い過ぎる!
25歳と言っても心持ちイメージ+10歳と思い読んでゆくとピタリと合う。
その若き村椿五郎太
武士と言っても、先祖の不始末といまいち野心に欠ける遺伝子が災いしてか、
うだつのあがらぬ小普請の身
この小普請というのは、江戸幕府における家臣団の一組織
3000石以下の旗本、御家人の無役の者で編成され、
旗本を小普請支配、御家人を小普請組とした。
無役とは役目のないこと。
今でいう立場的にはNPO(非営利団体)に近しいそう。
んーでも私的にはニート、フリーター?(って最近聞かないけど)
身分制度のはっきりしていた江戸時代
小普請は中途半端な存在である。
標題の通り、五郎太は「代書屋」でバイトをして生計を立てている。
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新しい本をGETするまで途中離脱
五郎太が小普請のままで終わるのかどうかその先を想像
宇江佐さんパターンだとそこを脱し、婚姻も上手くゆき、めでたしめでたしかなぁ
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と・・意外な展開に「!!」
と思いきや、やはりハッピーエンド(それも想像以上)
将来有望筋となり、邁進してゆくのであります。
印象深かった『赤い簪、捨てかねて』
年増となっても恋愛は恋愛
複雑な想いを胸に秘め、生きている。生きてゆくしかないのである。
そこが+

宇江佐真理
『甘露梅―お針子おとせ吉原春秋』★★★+
『春風ぞ吹く』を洗濯機で洗ってしまったため(やってもうた~)
途中終了/// 飛ばしてこの作品へ。
詰めが甘いはわたしだ・・あぁ
岡っ引きの夫を亡くし、吉原で住み込みのお針子となったおとせが主人公
そう吉原とは江戸郊外に作られた、公許の遊女屋が集まる遊廓
当初は江戸日本橋近く(現在の日本橋人形町)にあり、
明暦の大火後、浅草寺裏の日本堤に移転し、前者を元吉原、後者を新吉原と呼んだ。
元々は徳川家康の終焉の地、駿府(現在の静岡市葵区)城下にあった二丁町遊郭から一部移されたのが始まり。

吉原での遊びのルールは事細かく、遊ぶのにも莫大なお金がかかった。
この小説ではやさしく説明されていて、何とか飲み込めたけど、
https://magaki.sakura.ne.jp/yoshiwara.html
こういったサイトも存在する。
現実に身請けが存在していたかと思うと、胸が締め付けられる。
吉原の遊女の年季は「最長十年、二十七歳まで」という原則であった。

心に沁みるお針子から見た遊女の物語
久々にやらかした二日酔い・・
既に一次会後半での記憶が曖昧で、二次会の記憶はない。
がんがんするあたまを抱え、苦しみながら電車に乗る。
本社での打ち合わせがなかったら休みたいところだったけど、
基本突休しないわたし(有休は遊ぶために取得)
ちょっと反省
明日、明後日と飲み会が続く。
あー海に入りたい。そうよアタマを冷やせ!
