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C

2016-12-04 | 村上春樹(翻訳物)



カーソン・マッカラーズ
訳 村上春樹
『結婚式のメンバー』★★

 

村上柴田翻訳堂
シリーズ開始 第一弾

カバーをかけずに毎回表紙の3人を眺めてから読んだ。
バッグに入れて色々な場所に連れて行ったから、
表紙は少々色褪せ、擦り切れてしまった。。
味がある本とも言える?

旧き良きアメリカ南部の田舎町

これぞ想像力


とても描写がキレイで何度も読み返した文が多々あった。
さすが春樹?



---








街の歩道は早朝と夜には灰色だったが、昼間の太陽がそこに釉薬をかけ、焼きついたセメントはまるでガラスみたいに眩しく輝いた。








夕方の空は青白く空虚で、台所の空から洩れる明かりが暮れゆく庭に黄色い四角形の照り返しをつくりだしていた。








まだ六時半になったばかりで、夕方の一刻一刻が眩しい鏡のようだった。








その日は土曜日で、彼女は街に出かけたのだが、出口のない空白の夏はもう終わりを告げ、突然彼女の前に街は大きく開かれた。そして新しいあり方で彼女は街に属していた。








夜明けの柔らかな灰色は薄らぎ、空は水彩絵の具の淡いブルーに塗られたばかりで、まだ乾ききっていないように見えた。きらきらと輝く空気は新鮮で、茶色く日に焼かれた芝生には涼しげな朝露が降りていた。








「灰色の目はガラスの目」








黄昏は白みを帯び、長い時間続いた。八月には一日は四つの部分に分けことができた。朝と午後と黄昏と暗闇に。黄昏の時刻には、空はちょっと不思議な青緑色に染まる。そしてほどなく白へと褪せていく。空気は柔らかな灰色で、あずまやと潅木は次第に暗さを増していく。その時刻になると雀たちが群れて、街の上空を飛び回る。街路に並ぶすっかり暗くなった楡の木から、八月の蝉たちの声が響く。黄昏時の音は鈍くくぐもり、いつまでも消えずに漂っている。








「わたしは一本の緑の木を見る。わたしにとってそれは緑色なの。そしてあなたもそれを緑色だと言う。わたしたちはそのことで同意する。でもあなたが緑と考えている色は、わたしが緑として考えている色と同じかしら?あるいはわたしたちは二人とも、ある色を黒と呼ぶかもしれない。でもだからといって、わたしが黒と考えるのが、あなたの考える黒と同じとは限らないでしょう?」








「でもこういうこともあるの。あなたがこれまで、そんなことを考えたことがあるかどうか、わたしにはわからないけれど。つまりわたしたちは今こうして、ここにいるじゃない。ちょうど今、この瞬間。でもわたしたちが話しているうちに、この瞬間は過ぎ去っていく。そしてもう二度と戻ってはこない。世界中探しまわっても、どこにも見つからない。ただふっと過ぎ去ってしまうだけ。この地上にあるどんな力をもってしてもそれを引き戻すことはできない。ただ消えてしまう。それについて考えたことはある?」








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抜粋をしてなかったけど、再度ぱらぱら見ているとこうやって出てくる。


翻訳というのは究極の再読なのだ――



「気の触れた夏」

最初の出だしが、
「緑色をした気の触れた夏のできごとで、フランキーはそのとき十二歳だった」
だからね<



























「雑めく」






「嘘はつかない。わたしは子供が大っ嫌いだ。言ったぞ正直に」



「他の人がどう思おうと気にしないで。分かった?」



「待つのは嫌いだ」



「善意は見返りを求めた時点で消える」








奥多摩 星空Night☆
初めて天体望遠鏡を持参して冬の星空を眺めた。
気温は2℃
トレーナーの上にパーカー2枚でも寒くなかった。
ただしおなかと腰にホッカイロ


申し訳ないけど、過去に想いを巡らしてしまった。
これは悪縁と言えるのか?それとも?
時間だけが過ぎてゆく。焦り?

真夜中の首都高の新宿を過ぎたあたりで限界
想い出が多すぎる。


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