宇江佐真理
『紫紺のつばめ―髪結い伊三次捕物余話』★★★★
急展開な第二弾
ぐいぐい惹き込まれる。
いきなり別れがあり(元に戻ると分かっていても感慨深し)
そして裏切り(色々な想いが錯綜)
友の死(きっかけとしての宇江佐さんの話には胸打たれる)
と思えば奥様の仇討ちがあり(無念・・)
初作の「静」から今回は「動」へと。
ある程度の下地作りがあっての怒涛の展開にしてやはりしっとりとした安定感
端的とも言える纏め方が上手いと思う。
それをどう取るかは読者次第かもしれないけど、すっかり宇江佐さんお江戸物語の虜
言うことなしだわ。
◆お江戸?なぞワード◆
あばえ
別れの挨拶の言葉で、「さようなら」よりくだけた言い方
ふぐり
哺乳類の雄の陰茎基部にあって下垂し、精巣・副精巣などを内部に含む袋のこと。
がえん彫り
呼ばれ顔をのぞいて首から下、手首から上、足首から上の胸、背中、腕や足まで全身すべての肌を彫る刺青
床几(しょうぎ)
日本で古くから使われている調度品の一つで、脚をX形に交差させ、上面に革や布を張った折り畳みできる腰掛のこと。
また、縁側などで用いられる、数人が腰掛けられるような横長のイスのこと。
なまくら
切れ味の悪い刃物を言う。
そのイメージから、体力が弱いことや怠けてばかりいてだらしがないことを言う。
金棒引き
(夜警が金棒を突き鳴らして声でふれ歩くところから)
ちょっとしたうわさなどを、大げさにあちこちにふれて回る人。
引っかかったお江戸言葉
また・・同じ歳ぐらいかと思っていたコが結構年上だった。