宇江佐真理
『我、言挙げず―髪結い伊三次捕物余話』★★★+
表紙を見て分かるとおり、
引き続き龍之進達同心の活躍を描くシリーズ第八弾
宇江佐さんが平成27年(2015年)逝去し、
このシリーズは16巻目を最後にシリーズ未完となる。
ちょうど半分まできたことになる。
(実はこれを記している時点で10巻目を読み終わっているけど・・)
この『我、言挙げず』文庫版あとがきはその4年前に書かれている。
それがまた笑っちゃう内容で(下記抜粋)
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宇江佐真理の作品は、もう愛想が尽きたので手を引きたいというコメントがある。どうぞ、と私は内心で呟く。私ばかりが小説家でもあるまいし、他にもたくさん優れた作品がある。気に入らぬものを無理して読むことはない。髪結い伊三次シリーズでは目録を作り、いちいち書評して、これは星印三つだの、五つだのとランクづけをしている。ミシュランじゃあるまいし。挙句に私の作品に人情はあるが、哲学はないなどと、訳のわからないコメントもある。アホかいな。
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(笑)
まだまだ続く・・
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精神衛生上にはよろしくないが、人は様々な考え方をする生きものなので、そういう意見も覚えておくのは、悪いことではないだろう。なぜか、褒め言葉より、辛口、悪口のコメントが頭に残る。お前、確かに言ったな、自分の言ったことを忘れんなよ、いつか仕返しするからな、と私は、ネット画面に毒づく。いや、仕返しはしないが、ネット上、覆面で言いたいことは卑怯である。こっちは署名入りで文章を書いているのだから、そっちも正々堂々と姓名を明かすべきだ。と、これがじょっぱりの私の言い分である。まあ、悪口を言われても私はさほどこたえない。こたえなくなった。
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◆お江戸?なぞワード◆
糸鬢
元禄(1688~1704) ごろ流行した、男の髪の結い方のひとつ。
月代(さかやき、頭の中央から額にかけて剃り落とした髪型)を後方および左右へ広く剃り下げて、両鬢を細く狭く糸のように残したもの。
役者・小者・侠客などの間で行なわれた。
樒(しきみ)
マツブサ科シキミ属に分類される常緑小高木-高木の1種
有毒で、実の形状は中華料理で多用される八角に似る。
仏事に用いるため寺院に植栽される。
別名、「ハナノキ」、「ハナシバ」
新内流し
鶴賀新内が始めた浄瑠璃の一流派
浄瑠璃の豊後節から派生したが、舞台から離れ、花街などの流し(門付け)として発展していったのが特徴
哀調のある節にのせて哀しい女性の人生を歌いあげる新内節は、遊里の女性たちに大いに受け、隆盛を極めた。
一朱、一文
金貨単位:両(りょう)、分(ぶ/歩とも書く)、朱(しゅ/銖とも書く)/くずし字; 金一両= 四分=一六朱
江戸時代、金貨は主に東国で上級武士が使いました。
金一両っていくら? 金一両は現代で約75,000円
計算式. 一石は150kgです。
言挙げ
日本の神道において宗教的教義・解釈を「ことば」によって明確にすることを言う。
体調不調・・動けない。
通り雨が何だか夏みたいな天候