椎名誠
『アド・バード』★★★★
読書会課題本
椎名さんはエッセイや旅行本が好きだけど、
小説の方は何冊かは読んでいるけど特に惹かれるものがなく・・
こちらは異質とも言える(今だからこそ)SF作品です。
さあアタマの中を空っぽにして、想像力を屈指してマザーK市へ旅立とう!
P574の大容量
この作品は、1987年7月号~89年12月号まで「すばる」に掲載され、
90年3月、集英社より刊行された。
--------(抜粋)
K二十一市に住む青年、安東マサルとその弟菊丸は、行方不明となった父が生きていることを知り、マザーK市への旅へ出る。世界はターターとオットマンの両陣営による改造生物を使った広告戦争により荒廃しており、市外を一歩出たところには、何もかも分解して土に変えてしまう科学合成虫ヒゾムシ、鉄を食いつくすワナナキ、触手を持った動く絨毯のような赤舌、そして鳥文字を作ったり人語を話す広告用の鳥アド・バードといった、珍妙不可思議な生物たちがうごめく危険な時代だった。道中で出会ったキンジョーという名の生体アンドロイド(ズルー)と共に、兄弟はマザーK市へ向かう。
『アド・バード』は、椎名誠によるSF長編小説
『水域』『武装島田倉庫』と共に椎名SF3部作に数えられる。
小説誌『すばる』に1987年9月から1989年12月まで連載され、1990年3月に集英社より刊行された。
同年、第11回日本SF大賞を受賞した。
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出逢ったキンジョーが撃たれた。
穴が開く!? そうキンジョーはアンドロイドだった。
将来はそんなことが当たり前になる世の中になるのかもしれない。
アンドロイドのハルオ
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菊丸は快活な声だった。
「そうしてね、フト気がついたんだ。そうかキンジョーはアンドロイドだった。アンドロイドも夢を見るのだろうかって、ふいにそのことに気づいたんだ」
「ほんまごっつい話で・・・」
キンジョーは菊丸の隣に頭を並べてひどくくつろいでいるように見えた。
「そうしたらね、夢は見ないけれど、ねむれないときに電気ヒツジのことを考えるんだそうだよ。笑ってしまうじゃないか。電気ヒツジと言ったらタルモネのことだろう。むかしスーパーで売ってたアブラで太る豚だ」
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ナウシカじゃないけど、虫から逃れるために都市が廃墟と化してゆく様は、想像出来てしまう。
椎名さん時代を先取りした感有
色々な虫が出て来て世界は虫の支配する世界
上空から巨大なものが落ちてきて、虫が一瞬にして死滅
その巨大なものが人間の足・・うん。目線を変えるとそうよね。
足元にアリさんがってよくある。
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脳髄男はもちろんC4もキンジョーも通常人間の生理とは違っていて、喉の渇きには無頓着なようでつくづくこういう時にはうらやましかった。
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アンドロイドが中心の世界
それでも地ばしり(海ばしり)の強い意志を感じたり。
心温まるSFに出逢えました(^▽^)/🌎
★★★普通かなとは思ったんだけど、C4の最後の会話?にほっこりさせられたので+
スターウォーズで言えばR2-D2みたいな、いるだけで存在感がある憎めないヤツ
読むきっかけとなった本