山本周五郎
『おごそかな渇き』★★★★★+
図書館本
新潮社文庫 背表紙NO. や - 2 - 15
宗教的課題とあって一瞬ためらったけど、読まないわけにはゆかない。
新潮社文庫の1~20あたり中心にどんどん読み進めよう(^▽^)/ゴーゴー
山本周五郎の読書備忘録化しております(笑)
先日会社帰り食事するのに、身軽にスマホと『おごそかな渇き』持参で行ったら、
待ち合わせた会社のコに「渋過ぎる(笑)」と若干引かれてしまった。
そうね、山本周五郎 知らなかった頃の私が聞いても苦笑よね。
現金がなくても、クレカがなくても、スマホ一つでお食事出来る。
よいご時世になったものです。
--------(抜粋)
周五郎絶筆!連載途中で中断した『おごそかな渇き』を収録
さらに、“下町もの” “武家もの” “こっけいもの” “メルヘン調”と、幅広い魅力を集めた短編集
長年対面しつづけた宗教的課題を取り上げ、“現代の聖書”として世に問うべく構想を練りながらも絶筆となった現代小説「おごそかな渇き」
ほかに“下町もの”の傑作「かあちゃん」「将監さまの細みち」「鶴は帰りぬ」、
“武家もの”の名品「紅梅月毛」「野分」「蕭々十三年」、
“こっけいもの”の「雨あがる」、
“メルヘン調の「あだこ」「もののけ」と、周五郎文学のさまざまな魅力を一冊に収めた。
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・蕭々十三年
超短編なのに、予想が出来るのに、胸を打つ一作
・紅梅月毛
こちらも同様 伏線が最後に現れる。
・野分 ★★★★+
(「講談雑誌」昭和21年12月号)
「江戸っ子でぃ!」
双方もそうだし、せつないね。
全然関係ないけど、野分と見ると野分さんFB
・雨あがる ★★★★
(「サンデー毎日」昭和26年7月1日号)
こっけいものの一作
はたし合いの場面で5人相手に刀を取り上げる様を想像してついつい苦笑
新たな仕官の話もそう簡単にはゆかないだろうと予想はついたけれど・・
ツキがない人にはそんな返しがくるけど、前向きに前向きに。
わたしが刻んでいる「相手に期待しない」
怒りを鎮めろ。我も抑えて。
その戒めにもなる一作かもしれない。
・かあちゃん ★★★★
(「オール讀物」昭和30年7月号)
周五郎さんの市井モノはホント心の奥が温かさに満たされる。
人間捨てたもんじゃないってね。
標題の通り、かあちゃん一家を巡る物語
たくさんの兄弟が当たり前な時代ならでわの一致団結力!
泣かせますわ。
・将監さまの細みち ★★★★+
(「小説新潮」昭和31年6月号)
昔は人探しにをするにしても大変だったろうと思う。
名字があるわけじゃなし、想い人を探すこれはもう執念しかない。
相思相愛でも縁がなければどうにもならない。
・鶴は帰りぬ ★★★★+
(「週刊朝日別冊」昭和32年6月号)
実さんとおとわの恋の行方は!?
もーどうなるのかハラハラドキドキ
予想がつくようなつかないような・・
・あだこ ★★★★★
(「小説倶楽部」昭和33年2月号)
★デジャブメモ
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「おれは少年のころ、こういう経験をした」と彼は手酌で一つ飲んでから云った、
「——九つか十ぐらいのときだったろう、場所は半蔵門の堀端で、おれは一人だった、前後のことは記憶にないが、おれは一人で堀端にいた、季節は夏の終わりごろだったと思う、風が吹いていて、おれは風が向こうから吹いて来て、そして吹き去ってゆくのを感じていた、そのうちにふと、いま自分に触れていった風には、二度と触れることはできない、ということを考えた、どんな方法をもちいても、いちど自分を吹き去っていった風にはもう二度と触れることはできない―—そう思ったとき、おれは胸が押しつぶされるような息苦しさ、自分だけが深い井戸の底にいるような、真っ暗な怖ろしさに圧倒された」
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鼬の話を二度読みする。おかしみってやつね。
このお話は再読したいので★★★★★
・もののけ
ファンタジー 木像に少し??って感じだけど。
・おごそかな渇き
確かに部分部分で違和感ワードが挿入
聖書と言われれば確かにそうかもと思う程度
絶筆になってしまったのは残念でならない。
全体を通してみても絶妙な短編がつまった一冊です。
余韻に浸ろう♪♪