◆BookBookBook◆

📚読書備忘録📚
(自己評価★★★★★)+泣ける物語
たまに山ブログ
         

Y

2022-10-26 | 山本周五郎

 

山本周五郎
『ひとごろし』★★★★★

 

周五郎熱はまだ冷めません🔥
物騒な題名だけどこちらは会社のコチョイス
図書館予約本 装丁に笑ってしまった。



同時進行に宮部みゆきの『蒲生亭事件』、『密室黄金時代の殺人』
そこに先日読んだ阿部和重と伊坂幸太郎共書も+
江戸時代から、昭和の二・二六事件、近未来の日本へと移り変わる。

 

--------(抜粋)

 

 

藩中きっての臆病者と評判をたてられた若侍が、それを逆用し奇想天外な方法で誰も引受け手のなかった上意討ちを果すまでを描いた「ひとごろし」、“無償の奉仕”という晩年最大の命題をテーマに著者の人間肯定がみごとに定着した「裏の木戸はあいている」をはじめ、戦前の作品から最晩年の表題作まで、“武家もの”“岡場所もの”“こっけいもの”等々の代表的短編10編を収める。

 

 

--------

 

 

・壺

「禅問答みたいで笑えました。」
今までにないパターンかな。心理を読み取れ。
標題の壺は何処~と前半戦

 

 

・暴風雨の中

先日読んだ『柳橋物語』を彷彿とさせる場面展開
同じ時をして逃げずに死のうと覚悟を決めた男がいた。

 

 

・雪と泥

恋愛の駆け引き 騙すオンナと騙されるオトコ
そうね・・全てとは言わないけど裏表がないのは男子の方が多い!?
一途な想い
女子寄りの感情を持つ人が身近にはいるけど。

どういう結末であるにしろオンナは怖い!

バカを見たね。

 

 

・鵜

江戸時代でもキャッチアンドリリース🐟殺生せず。

待ち人来たらず・・

 

 

・女は同じ物語★★★★
(「講談倶楽部」昭和30年1月号)

 

---

 

「ひと口に申せば、きれいな侍女でも付けておけば、広さんももう二十六ですから、女に興味をもつようになるかもしれないでしょう、いくら堅苦しく育っても男はやはり男でございますからね」

 

---

 

——温雅な軀つきだな。

 

---

 

「男でも女でも、相手が好きになると誰かに似ているように思うことがよくある、——人間は性分によって、それぞれの好みの型がある。だから、好きになる相手というのは、どこかに共通点があるんだろう、」

 

---

最後の父との会話が絶妙(笑)

 

 

・しゅるしゅる

この短編集は城代家老が多く出てくる気がする。
何かと逸話を省略するくだりがおもしろい(笑)

 

---

 

「やっぱりお江戸育ちはしっかししていらっしゃるんですね、お一人で来て、御自分で注文なすって、召上って、ゆうゆうとお帰りになるんですもの、わたしたちなんぞ真似もできやしませんわ」

 

——誰だって真似ができるものか。
江戸にだってそんなことをする娘はそういやあしない、と万之助は思った。

 

---

しゅるしゅるは蛇ではなかった(少しネタバレ?(笑))

 

中々微笑ましいお話でした。

 

 

・裏の木戸はあいている★★★★
(「講談社倶楽部増刊号」昭和30年11月)

 

---

 

「樹が腐りだしたら根から伐るがいいさ」
「彼は樹じゃあない、人間だよ」
「だからなお始末が悪い」と久之助は眉をしかめた、「樹ならはたに迷惑は及ばさないが、腐った人間はまわりの者までも毒する」

 

「人が不幸になってゆくということは、単にその人間の問題だけではなく、環境や才能やめぐりあわせなど、「いろいろな条件の不調和ということもある―—彼は傷ついた人間だし、私は幸いに傷ついてはいない、私は自分が無傷でいて、傷ついた人間を突き放すことはできない、それは私にはできないことだ」

 

---

 

「あの人たちにはわからないだろうかれね、自分で現実に飢えた経験がなければ、飢えがいかに辛いかということはわからないものだ」

 

---

 

周五郎が晩年の最大のテーマとしていた(解説より)
〈無償の奉仕〉

恐れ入ります・・

 

 

・地蔵

まるでドリフの掛け合いのよう(ある意味旬なネタ)

しかし最後はあっけなく。

 

 

・改訂御定法★★★★★
(『文芸朝日』昭和37年12月号)

詰腹を切るとは?(切腹かと思うけど・・)

詰腹とは - コトバンク

 

中々読めないオトコ直衛 大物ぶりがうかがえる。

---

 

「もう一本」と岡倉がおじぎをして云った、「お願いします」
「いやだ」直衛は他の四人を見た、「ほかに誰か出ないか」

 

---

 

「——武家に生れた男子は、およそ七歳にして切腹の式をまなぶ、そのとき彼はその家の子ではなく、藩家の臣に加えられるのだ、もはやおのれというものはない、身も心も藩家に捧げ、いったん大事に当面すれば一命を賭して責任をはたさなければならない、七歳にして切腹の法をまなぶのはそのためだ」

 

---

 

「私は祖父から、こういうことを云われました」と直衛は云った、「——侍も人間であるからには、人間としてのあやまちや失策のないことは望めない、けれども、侍としてゆるすことのできないものが二つある、——一つは盗みをすること、一つは死にどきを誤ること、この二つは侍にとって、理由のいかんにかかわらずゆるすことはできない、ということでした」

 

---

どんどん出てくる秀逸な作品

 

 

標題の
・ひとごろし

「偏耳録」を参照・・これは本当か嘘か?(というか作り話か?)
ついつい検索しちゃうこのご時世であります。

「誰か来て下さい」、ひとごろしです、ひとごろし」

まるでオオカミ少年のような・・ドリフってて思わずはははと笑ってしまった。
周五郎さん最高です。

 

 

 

 

 

 

(予約投稿)
東京ドームです(^▽^)/♪


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 富士山が真っ白! | トップ | 蝶ヶ岳 夜明け »
最新の画像もっと見る