ジョン・レノンは言う。
「想像してごらん。天国なんてないんだって。簡単でしょう。地獄もないんだって」
この歌を聴くたびに思うのは、想像するというのは、現実と反対のことを思い浮かべることだと考える。
そうすると、ジョンは天国も地獄もあると考えてたんだと思われる。
ジョンに限らず、欧米でキリスト教思想のもとで育ってきた人間は、神や天国の存在を肯定的に考えていると思われる。
私たちもその昔、祖父や祖母から、仏様や極楽浄土の話を聞いて、子供心に、人間は死んだら天国へ行くものだと思っていた。
宗教というのは、極論すれば、死に対する恐怖を軽減させるべく、自然発生的に生まれたものだろう。
人間誰しも、自身の存在がこの世からなくなるというのは、恐ろしさの境地に違いない。
それを和らげるべく、生まれたのが宗教なのに、欧米人は大人になっても心のどこかで神の存在を信じ、片や日本人は信じないのだろうか。
キリスト教と仏教の違いなのか、あるいは見かけによらず、日本人はドラスティックなのだろうか。
依然として子供の自殺を少なからず耳にする。
原因は多々あるだろうが、そこに子供心に両親や祖父母から刷り込まれた、天国思想があるのではないだろうか。
死んだら天国にいける、楽になれるという思いが、追い詰められた子供たちの心に去来するのではないのだろうか。
ここは死んで花実が咲くものか、ではないが、天国はないんだ、地獄しかないんだという思想を子供の時に教え込むべきではないだろうか。
それで少なくとも子供の自殺は減るだろう。
その分、子供たちの苦しみは続くかもしれないが、成長すれば、子供の時の悩み事なんて、笑い話になることも私たちは身を持って知っているはずだ。