2022年9月1日(木)早朝、ホテルを出て下関駅に行きます。
この日はかつて山陰本線を走っていた824列車の行程をなぞってみようと思っていました。
824列車については、宮脇俊三さんが『旅の終りは個室寝台車』(新潮文庫)新潮社1987に「にっぽん最長鈍行列車の旅」として取り上げています。
この当時、824列車は門司5時22分発、福知山23時51分着で山陰本線を走り続けていました。
現在は下関5時39分発の山陰本線の列車に乗ると6回乗り継ぎをして福知山に23時12分に着くことができます。
824列車が走っていた当時は寝台車が走っており、宮脇さんは東京から新幹線に乗り、寝台特急に乗り継ぎ5時4分に門司に到着して824列車に乗り込んでいます。
そして福知山では福知山駅前のビジネスホテルに泊まっています。
現在では下関に宿泊するしかこの山陰本線の列車に乗る方法はなさそうです。
で、前日、下関のビジネスホテルに宿泊し、福知山はビジネスホテルでなく、お安くて深夜も受付しているとあったカプセルホテルを予約しました。
824列車については種村直樹さんの『鈍行列車の旅』日本交通公社1979にも「駅名標撮りつぶし体験記」という記事が載っています。
ここでは森嶋さんというカメラマン志望の青年が、種村さんを含む乗り鉄仲間で824列車に乗って、824列車が通る駅名標を撮ったというものです。
この記事も長い間、私に824列車へのあこがれを抱かせたものでした。
今回、この駅名標を動画で撮っていったら、おもしろいものができるんじゃないかとやってみることにしました。
そして、長門市行列車は出発します。
2両編成ワンマン運転で、後ろの車両は駅に着いてもドアが開かず、降りるには1両目の運転席側のドアに行かなくてはなりません。
終点の長門市まで行くので、私は2両目に座ることにしました。
途中、行き違いの列車がシカに衝突したとかで、列車が遅れたりしましたが、長門市に着く頃には遅れもかなり戻していました。
長門市駅では益田行に乗り換えます。
駅では隣のホームに列車が停まっており、この列車に乗り継ぐんだと思った私は列車が停まると階段を上り下りして隣のホームに行きました。
しかし、様子が変なので運転士さんに聞くと「先崎行」とのことで、その時「あー今まで乗っていた列車がそのまま行くんだ」と気づきました。
また、階段を上り下りして、乗っ行先標てきた車両(1両目)の行先標に「益田」とあるのを確認して、まだ時間があったのでトイレに行き、2両目に座ってほっとすると、1両目だけが走って行ってしまいました。
そして車内放送が「この車両は小串行き」と案内しました。小串ってどこ?
もう、頭の中がパニックです。
降りた方がいいのかなと思ったら、列車は乗ってきた方向に走り出しました。
下関から来た2両の列車は長門市で切り離し、1両目は益田行、2両目は引き返して小串行になるのでした。
もう乗り間違えは決しも定的です。
しばらく、呆然としましたが、幸い時刻表を持っていたので小串駅がさっき通ってきた駅だと確認し、山陰本線では特急に乗っても(そもそも益田駅まで特急が走っていません)、もう行ってしまった列車に追いつけないことを確認しました。
ずーっと動画を撮ってきた線をそのまま引き返し、824列車をなぞる旅は突然終わってしまいました。
福知山でカプセルホテルを予約していて、キャンセルはしたくないので、今日中に福知山へ行くルートを探します。
新幹線に乗ればなんとかなりそうで、結局、新下関駅に行って岡山まで乗車券6380円と自由席特急券4170円を買いました。
10550円は痛かった。
しかし、悪いことばかりでなく、やって来た新幹線こだまは500系でした。
500系は私の好きな新幹線モデルで、山陽新幹線でしかお目にかかれないのでした。
広島でのぞみに乗り換え岡山で初乗りの津山線、因美線に乗り、鳥取駅に着きました。
予定では19時初の列車に乗るはずでしたが、1本前の17時32分発に乗れました。
雨も降り始め、午後11時過ぎにチェックインするのが気がかりだったのですが、午後9時半にはチェックインできそうです。
途中、列車がシカにぶつかり、緊急停止しましたが、なんとか列車は走り出しました。
雨の中、福知山に降り、コンビニに寄ってからカプセルホテルに行きました。
初めてのカプセルホテル、泊まってしまえば何ということもなく、予定より早く着けたので余裕もありました。
早く着いたので、早く寝ることもできました。
さて、乗り間違えを防ぐにはどうすればよかったのかですが、駅の時刻表にその列車は何番線から乗るかを表示してあったので、まず駅の時刻表を確認することだと、その後は気をつけるようにしました。