「舞台の演技は、大げさだって言われるけれど、
それは、空間が大きいからで、
大げさなのではなく、空間にあわせて演技をしているから」
ときいた時、ずっと思っていた違和感に対する答えが出た気がした。
テレビと舞台は違う。
まず、前述した広さもそのひとつであろう。
次に、肉眼による距離感。
60代の女性が、テレビで高校生役をされた場合、
ハイビジョンのクリアさに隠すことのできない年齢映像になるのに対し、
舞台上では、それは可能となる。(舞台女優さんの年齢不肖な若さがすごい)
と、ここまでの違いはこれまでの演劇・観劇経験から得たものであるが、
このたび縁あって 人生初・映画のエキストラに参加する。
セリフのないエキストラには台本もない。役柄に対する設定・説明もない。
だってストーリーに影響することのない、風景としての通行人なんだも~ん(笑)
ということで、歩く。
舞台は、ワンカット、観客席から見た舞台空間になるのだが、
映画は、同じシーンを何度も違う角度から撮影できる。
見ればワンシーンだが、そのワンシーンに何時間もかけることができる。
カメラのアングルを変えて、その度ごとに何度も歩く。
ちなみに、顔がうつることはない。
幾人もの通行人の一人。 後ろ姿が映っているかいないかの世界。
主役・主要人物の、後ろの方にいる人。
主役・主要人物が語りかける人の、そばにいる人 も担当することになるのだが、
これが意外に難しい。
声を出さず、雑談している風景にするのだが、
今日あった見ず知らずのエキストラさんと無言の会話を繰り広げなければならない。
ん~困った という思いが顔に出ている気がする。
出ても、NGになることはない。 だって 顔が映ってないんだも~ん(笑)
撮影現場に居合わせ、舞台と映画の違いを感じることができた。
役があって、セリフがあることは、本当にすごいことなのだと身をもって知った。
エキストラには、エキストラの心意気、流儀があることも知る。
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