第291話 涙のツボ

2010年05月22日 06時54分42秒 | 子育て・「おママごと」

息子は春に食物アレルギーの検査を受ける。
その結果を元に、進級したクラスでの給食やおやつの食材、メニューを決めていくからだ。
血液をとってから結果がでるまでの一週間、毎年のことだが、
合否結果を待つ受験生のような気持ちになる。結果は?

今年もダメだった・・・期待が大きいだけに、この先また1年の除去生活を思うと、
がっくりきてしまう。
卵、小麦、ミルク、エビ、カニ、ソバ・・・ミルクの数値は下がっていたが、
その他、すべてあがっていた。
0歳の頃、3歳頃になったら食べれるようになるかもと言われていた卵だが、
どんどんアレルギー値が高くなり、
医師の話は今では、小学校にあがるころにはともう3年のびた。
だが、3歳までは2カ月ある。
3歳になったらすぐに食べれるようにとは思っていないが、
来年の春の検査では!との思いを奮い立たせる。

出先でパン屋さんを見ると、「パンを買う」という。
自分はパンを食べることができないのは理解している。
選んだパンをトレイにのせていく、あのパンを買う、という行為が好きなのだ。
帰宅する。 「Kが、パンを食べさせてあげる」という。
いつも私にパンをちぎって食べさせてくれる。
それもこれも、息子自身、パンや卵に対する憧れの気持ちからだと思えてならない。
「おいしい?」ときく。 こんな時、涙が出そうになる。

食べることができないとわかっていても、たまに「Kもパン(卵)食べる~」
と、泣いてきかない時がある。
私はこの子がいつか食べることができるようになると信じているので、
子供にきかれた時、何の根拠もなく「大きくなったら、Kも食べれるようになるからね」などと言ってしまう。
親が信じているので、子も信じる。あきらめたように、泣きやむ。

でも、絵本を見ながら、
「しまじろう、大きくなったから、パン、食べれるようになったん?」ときく。
こういう不意の攻撃に弱い。目頭が熱くなる。

珍しく一人で絵本を読んでいると思ったら・・・
ロールパンに、ハンバーグ、目玉焼きが並んでいる食卓をしまじろうとパパとママが囲んでいるところ(絵本)
しまじろうとKはきっと同じ歳。だけど・・・
「そうだよ。だから、Kもいっぱい食べて、寝て、いっぱい遊んで、大きく強くなろうね」
信じているから・・・

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第290話 大発見

2010年05月21日 06時56分22秒 | 子育て・「おママごと」

園から家庭での検尿依頼があった。
決行日一週間前に配布された検尿のお知らせに緊張が走る。
主人にその旨伝えると、案の定「そんなの、絶対、無理じゃないか」と
私と全く同じ感想が返ってきた。

まず、朝起きたて、トイレに行く習慣がない。いまだかつて行ったことがない。
行かなくても、朝一番におむつを交換するのかといわれると、毎朝、交換拒否。
おむつを脱ぐという作業一つも一苦労である。
寝起き、おむつにちっちが出たとして、パンパースの優れた吸収力に飲み込まれ、
復元不可能だ。
園の連絡帳に、検尿は提出できないかもしれませんと予告。
私の打診に先生からできなくても大丈夫ですよとお許しが返ってきて、
最悪の事態になった場合の安全をまずは確保。

決行日前夜、息子と向きあい、
「いいかいお前。これからはママがいなくても・・・」とドラマの台詞並みに、
「明日の朝、起きた時、おしっこの検査をしないといけないから協力してほしい」
ことをシリアスに語る。
親の真剣さが伝わったのか、「うん」と快諾を得て、就寝。
ついに迎えた実施日当日。おむつを脱がそうとすると、やはり嫌がる。嫌がる。
母、手をあわせ、首を傾げて「お願い」のポーズ。
主人にいまだかつてこんなにも可愛くお願いをしたことがあるだろうか・・・
今、ちょっとウィンクまでしてしまった気がする・・・
年外にもないこの母の捨て身の攻撃に、息子もただならぬものを感じて検尿体制に。
「ここ(にするの)?」初めて見る検尿カップを前にして、出ない。
とっさに私の口から出た言葉は「し」

「し~、し~」・・・すると、出たぁ!  不可能かと思われた2歳児の検尿に大成功。

し~って、たった一言で、出てくるなんて、「し」ってすごい。
誰? こんな時、「し」を発見した人は?
「あ」から「ん」の中で、この「し」を発見した人、誰~。
魔法の言葉だよとさえ本気で思う。
この話を書こうとした原動力は、このたった一文字の「し」の感動による。
そして、この話、この後半5行でいいのではないかと思う・・・

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第289話 パステルライフ

2010年05月20日 07時12分30秒 | 子育て・「おママごと」

前話と同じ題で、違うお話。

久しぶりに私が保育園のお迎えに行くと、抱っこ抱っこと一歩も歩かない。
私が「どうしたん?」ときくと、
息子が「甘えたになってるねん」という。この返しに、抱かざるを得なくなる。

息子「いらっしゃいませ~」
私「おにぎりをください」
息子「はい。ご注文ありがとうございました。ぎゅっ。ぎゅっ」
(ぎゅっ、というのはおにぎりを握る効果音を自身でいれている)
できたてのおにぎりとお金を手渡してくれる。
「違うよ。ママが買ったから、お客さんであるママがお金を払うよ」
と言ったが、お金を払うのは自分だと頑なにこばむ。
なんて良心的なお店なの・・・お金もおにぎりももらうことにして、ままごと続行。

息子がDVD「となりのトトロ」にハマる。
(母となってみるトトロは、母心を刺激するシーンが随所に盛り込まれており、泣ける)
ネコバスが息子の心をとらえたようで、ネコバスになる。
「乗って」と言う。私はネコバスと化した彼の背中を持って(乗車のサイン)
家の中をかけまわる。
家族でバイキングに行った時のこと、お皿を持つ私に彼が下から、「乗って」と言う。
ここで・・・? 片手で肩を持ち、もう片手でお皿を持ってテーブルに帰ろうとしたら、
「両手で!」 こうなったら仕方がない。
お皿をカウンターに置き、ネコバスに乗ってテーブルまで。バイキングなのに・・・
また「乗って」と言う。
両肩を持ち、乗るとネコバスは店の外へ飛び出した。
食い逃げではないか(涙) そのままショッピングモール内をネコバス走行。
携帯は手放せない。とりあえず、店内に残っているパパにこの状況を送信し、会計処理後、合流してもらう。
本人が思っている以上に、息子のネコバスは小さく、遅い。
その小さな背中の真剣さにいつも吹きだしてしまう。

子供には「さ行」の発音が難しいようで、「た行」が代役を務める。
たとえば、うさぎさんなら、「うたぎたん」となるのだ。
す、で始まるすしなら、つ、で始まるつちとなり、さ行とた行がうまく呼応している。
絵本「うしろにいるのだぁれ うみのなかまたち」を読む。
クイズ形式に、うしろにいるのだぁれ?ときいていく。
息子が「うみがめたん」「とびうおたん」「ラッコたん」「あざらちたん」「たこたん」・・・
そのつたない発音をききながら、幸せだなぁ・・・と思う。

※2歳児は「魔の2歳」と言われるほど、なんでもイヤイヤ、第一反抗期。
これは世界共通らしく・・・私も多分にもれず奥歯をかみしめること、幾多あり。
消耗の中、反抗期の夜明けを祈願する。
ほとほとヘロヘロになってしまう育児(一面)なのだが、息子が面白くなってきた(のも、また一面)

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第288話 パステルライフ

2010年05月19日 07時05分41秒 | Weblog

なんだか出鼻をくじかれた気分(前話参照・・・と迎えた納車日。
私の車、を見たとたん、ふっとび~、テンション、瞬間に、あがりまくり~。
わきあがる思い。愛車、ってこういうことなのね(涙)
おそるおそる見るナンバープレート。
地名のあとの数字は?・・・見た目、まあまあ。許せる範囲。
ひらがな、これが予想外のひと文字で・・・ちょっとこける。まあ、笑える範囲。
あんなに字ずら、ならぬ、数字ずらを考えて決めた希望ナンバーだけれど、
自動はりつけにゃあ、かなわない(笑) これもまた縁とナンバーを記憶。

教習車以来、5年ぶりの運転。
これは、何? どっちがブレーキ?
学んだ教習知識が体にまったく残っていないことを確信し、いざ出発。
わぁ、車ってすご~い。私、走ってる~。早~いと感動中の私に、
「10キロで走るな」と横から主人の喝。
あ、後ろから車。焦る私に、後続車が右折。ありがとう初心者マーク。
最後までミラーをみることなく、終了。
前を向いて運転しなければならないのに、
途中3点離れ離れにあるミラー確認までしなければならないなんて・・・なんて神業。

主人の想像を絶するへなちょこ運転だったようだが、いつかきっと。
車を運転できるようになれば、
箱売りのおむつを買うのに、主人の休暇までジメッと待たなくていい。
せっかくの貴重な休日、お買い物だけでつぶれてしまうのももったいない。
必需品は父不在時に購入しておきたい。
車購入の最終、かつ、最重要目的は、主人からの自立。
土日仕事の多い主人がいなくとも、充実させたい休日プラン。
白浜アドベンチャーワールドがいいかな。それとも、姫路セントラルパーク?
北海道なら現地レンタカーで旭山動物園なんてもの!・・・うっとり。
夢も行動範囲も拡がるばかり。

車は自由と自立の象徴。 始まったばかりの私のパステルライフ。


※長い間、更新できずにいました。訪ねて下さったのに、無更新にて申し訳ございません。
自分自身の体調不良や息子の体調不良が原因です。
息子がぜんそくとの診断を受けて・・・また、ぜんそくに詳しくなりそうです。
不安も悩みも抱えながら、気持ちの中に、新車というワクワクが存在していることは
励みになります。私の車(ボディーカラー)はピンク色。
駐車場で見つけやすい色という選択基準がありましたが、
実際購入に至るまでにはかなり迷いました。
駐車場に止まっている私の車を見ると、気分を高めるこの色を選んでよかったなと。
この車(の色)に負けないよう人生を彩っていきたいです(笑)

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