第161話 たそがれ泣き

2008年04月25日 19時14分14秒 | 子育て・「おママごと」
春になれば!を支えに、
あと少し、もう少しと唱え続けたゴールの見えないゴール手前・・・
一番、きつかった。
出産時からの蓄積不安・緊張・ストレス・疲労あいまって、2月後半、
生後8ヶ月の息子を前で、私がたそがれ泣いておりました。

ここ最近、行く先々で息子の顔を見た方から
「綺麗になったね~。色、白いね~ツルツルだね~」と声をかけていただけるまでに回復。
ようやく待ちに待った春を迎えた。
赤みがひいた肌を見て、「後はここと、ここと、ここと、ここ」と
完治に向けて薬を塗り塗り♪ 嬉しい。
だが、ここからがなかなかよくならない。おまけに湿疹がないのに掻く。どうして?
掻いたところに新たな湿疹が出てしまう。
気に入らないと掻く。イライラすると掻く。抱っこ抱っこと私を呼ぶ為に掻く。
どうすれば自分の我を通せるのか一番の近道を知っているから、掻く。

スーパーで同じアトピーのお子様を持つ先輩ママに偶然会う。
「綺麗になりましたね~」
「ええ、でも掻いちゃっうから一進後退なんですけど」
「掻かせていますか?」
「え?」
「掻かせないことも大事ですけど、掻きたい欲求を満たしてあげることも大切なんですよ」
思い切ってお風呂に入る時、手袋をとることにした。
解放された手が勢いよく胸やお腹、太ももを掻く。覆われていた力のままに・・・
手加減なし。目をつぶって、目をつぶってと新たな呪文を唱え、ぐっとこらえている。

待ち焦がれた春、日差しの強さに夏を思う。
薄着になる。汗をかく。じめじめする。悪化する?
その時々に問題は出てくるもんだな~と落ち着いて思える自分にハッとする。
「普通」になってる!
私の中でアトピーが奇妙なものでなくなった瞬間。
アトピーであることも、食事制限があることも、お昼寝しないことも、すべて
私だけ特別ではなく、普通の育児なんだと・・・ようやく。

9ヶ月になった息子はいまもたそがれ泣き、掻く。
グッとこらえては、キャー、この辺で止めようね!を繰り返しながら寝かしつけ。
湿疹地帯ひとつない体なんて無理。完璧でなくていい。
「今日もここと、ここと、ここ、新たにここ」があってもいい。
息子が笑えるくらいに症状が落ち着いたのだから、それでいい。
息子が元気に笑っているだけで・・・たそがれうれし泣き!!
コメント (4)
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