旗揚げ公演のアンケートで「あなたの好きなおすすめの本」をきいた。
自分では手にとることのできなかった見知らぬ本がいっぱいあって…少しずつ読んでいる。
図書館で借りることができればよいのだが、仕事帰りでは閉館している。
すべて買うことができればよいのだが、痛い。古本屋に向かう。
最初はより安くを求めて足繁く通っていたのだが、今は少し違う。
古本屋にない本がある。売られない本がある。
売らずに、大切に本棚の中に残る本(作家)がある。そこが気になる市場調査。
私はないを探しに古本屋さんに行く。
凹な時、△になってしまうから…自己嫌悪。
笑えなくなって、口をひらくと涙が溢れ出してしまいそうで、貝になる。
気づいてほしいのに、どうしてなのか理由をきいてほしいのに、
心と体がうらはらになって「一人にして」と言いながら「一人にしないで」と叫んでる。
こんな態度はいけない、いけないと思えば思うほど、あぁ…可愛くない私。
こんな時、辛いのがその翌日。たっぷりそのツケがまわってくる。恥ずかしいのだ。
うちから出て、そとへ向かうその間。
駅に向かうまでの道すがら、「冬の運動会」(向田邦子著・新潮社刊)を思う。
この物語は…冷たくやさしさのない家庭を憎む青年が、ふとしたことから
子供のいない靴屋夫婦との間に、いつしか奇妙な疑似親子関係ができていく…話。
そこに表現された日本人の照れがなんとも身にしみて…お見事!な作品。
変わることに照れがある。
環境の変化がイメージチェンジしやすくするのはこの照れのあるなしが大きいのだろうと思う。
とがってしまった翌日は運動会日和。
照れてしまう。 昨日はごめんなさい。 恥ずかしいので伏し目がちに笑う。
語るほどでもない日々の実感を、恥ずかしげもなく語り始めたほころび茶話んも
ついに100話を迎えました。
ほころび茶話んで語った思いは今も少しずつ変容している。時の流れ、かな。
劇団カプチーノ旗揚げのきっかけは喪失感。
最大のエネルギー源は…失恋。ふりかざすほどの理由にもならないほど、普通。
私も人並みに色々あること・ないことに悩んで、振り返ることができるほど年を重ねて、
ある時、ふと、この為だったのか…と思う瞬間があって。
つかみにいったわけではない。不思議に自然に流れのままに。それは、気づきに近かった。
そう思っても気分によってデコボコしたり、トガッたと思ったら、グズグズになったり。
まだまだ悟りの境地にはなかなかに…人間だもの、そんなもの?
友人に問うと、悟れない。だから人は輪廻転生を繰り返すのかな~って。
そうだね。これからも繰り返し重ねていくんだろうな~って。
あなたにとってお気に入りのお話が1/100でもあれば幸いです。