車中で 大黒摩季さんの Anything Goes! を大音量できき、
オープニング映像通りにアンクの手を再現。
母子が車中で右手を乱舞するという異様な光景をお見かけしたなら、
それは我々親子かもしれない。
前話で話した通り、我が家は仮面ライダー○○○(オーズ)にハマっている。
朝晩DVDを見るだけでは飽き足らず、お誕生日でもクリスマスでもないのに、
どんどん増えるオーズグッズ(おもちゃ)
欲しいものを買い与え過ぎてはいないだろうか・・・時には我慢も必要なのでは?
とは思うが、もう生産されていないモノたち・・・実は私も欲しい。
この機会を逃すと二度と出会えないかもしれない。
買わずに後悔するより、買って後悔したいを理由にレジに向かう。
が、やっぱり息子に我慢も教えたい・・・揺れる気持ち。
なので、取り引き、することにした。
「毎日歯磨きをするなら」「生活発表会、頑張るんだったら」
「出先で(抱っこではなく自分で)歩くなら」「保育園、頑張っていくなら」
交換条件、決していい方法とはいえないが、親がしてほしい数々を息子に課した。
欲しいおもちゃを前にした息子の約束は軽く、
約束は磨きたくない、やりたくないという欲望の前に早々に破られ、
結果、残るはおもちゃのみ。約束が守られていない・・・
「毎日、歯を磨く約束でおもちゃを買ったよね?
磨いていないから、いつかこの変身ベルト、神様が持っていくんじゃないかな・・・」
忠告したが、それで磨くわけでもなく、息子が眠っている間に隠す。
朝起きてすぐ息子が「ベルトがない。どこいったん?」と問うので、
「えっ、ベルト、ないの?!」と驚いて見せ、「あぁ、神様ちゃうか」と答える。
「もう、神様なんて大嫌い!!」
しばらく神様を怨み、泣いていたが、代替え品(その他のオーズおもちゃ)で欲望を消化し、
約束は守られないまま。忠告通り神様が次々にお持ち帰りになり、今はアンクの手のみ。
神様がいつもどこからか見ていることを考えるようになった息子。
「なあ、神様って、どこからKのこと、見てるの?」
「このお空の上からじゃないかな。神様はいつもKのことを見てくれているの」
おもちゃはなくなったが、息子は神の存在を信じ、信仰を手に入れた。
小さな息子には決して見えない場所、我が家のクローゼットの一番上に神様がいる。
私は虫が嫌いだ。
カブトムシの幼虫を見ると、倒れそうになる。
蝶々のお腹、バッタのお腹、カマキリのお腹・・・
遠方、背中から見る分(観賞用)にはまだいいのだが、
普段(はりついていて)見えないお腹側が至近距離で見えた場合、
私にとってそれは、襲来でしかない。
そんな虫嫌いが災いしてか?
これまで仮面ライダーとの接点があまりなかった。
ところが、そんな私が、息子共々今頃になって仮面ライダー○○○(オーズ)にはまっている。
(以下、ややマニアックな話になります。この話は次の話への前説でありまして、
ライダー話が苦手な方は次の第423話をお待ち下さい)
クリスマスプレゼントのリクエストは、「DXオーズドライバー」(変身ベルト)だった。
私たち親子がオーズと出会ったのはテレビ放送終了後久しくDVDにて。
今はフォーゼ時代、店頭には残っていなかった。
ネットで検索し、見つけたと思ったら定価倍以上のプレミア価格・・・
定価以上では買わないが主人のモットー。探しに探してついに見つけた変身ベルト!
この変身ベルトにはメダルが4つ、付いている。
不思議なものでメダル4つだと物足りない。(コンボは、タトバにしかなれない)
もっともっと欲しくなる。欲望の塊となって、メダルを探し歩くだけの不毛な休日。
オーメダルセット03を発見!(シャウタコンボ、入手)この時の興奮!
(収集家になる男の子の気持ちがわかる)
見つけた時のあの快感を求め、さらに欲望は加速する。04発見。(プトティラ、ゲット)
まではよかったが、01と02が見つからない。
その間、とりあえず、タジャドルスピナーを購入し、クジャクとコンドルのメダルを手に入れる。(タジャドルコンボに変身可能)
諦めず探していると、ついに手にした01セット。
これで、ラトラータとガタキリバへの変身が可能となる。
残すは、サゴーゾになるためのメダルセット02とオーメダルホルダーのみ。
これがなかなか見つからない・・・
のだが、思いがけず「なりきりアンク(の手)」が見つかる。もちろん、即、購入。
(冷静に見ると、おどろおどろしい手なのであるが、はまっているのでうっとりオブジェ)
ガチャガチャもチェック。
鴻上会長のお言葉「その欲望、ちょうどいい」とか「その欲望、解放しろ」
なんて見つけたら、ためらわず財布の中の百円玉を探す。
ゲームセンターにも行った。
かなりの資金を投入したが、下手なので狙ったオーズのゴミ箱はゲットできず。
徒労に終わる休日も多いが、残るメダルセット02を探す欲望の旅はまだまだ続く。
オーズのデザインもいい、
ストーリーも面白い、
自動販売機がバイクに変わるのもいい、
何より主題歌である 大黒摩季さんの Anything Goes!がいい!!
テンションあがる。
私もこんな風に歌えたら・・・なんてキャラにないママロックを夢見る。
※メダルを3枚つかって変身する。
文中のタトバは、タカ、トラ、バッタのメダルを使用した タトバコンボ。
シャウタは シャチ、ウナギ、タコ。
プトティラは、恐竜で プテラ、トリケラ、ティラノ。
タジャドルは、タカ、クジャク、コンドル。
ラトラータは、ライオン、トラ、チーター。
ガタキリバは、クワガタ、カマキリ、バッタ。
サゴーゾは、サイ、ゴリラ、ゾウ。
文中では触れていないが、メダルセットSPはブラカワニ、コブラ、カメ、ワニ。
3枚のメダルの組み合わせを変えれば、無限大に拡がる変身形態。
個人的に変身音(串田アキラさんの声)で好きなのは、シャ、シャ、シャウタ、シャ、シャ、シャウタ。
元気でる。
変身後の挿入音で好きなのは、やはりタジャドルコンボ。
最初、アンク(の激しい口調)が苦手で毛嫌いしていたが、
随所に散らばる伏線が一つになった時、はまる。私も随分マニアックになったものである。
さて、この下地(我が家の背景)ができたところで次の本題(第423話)に入る。
佐藤春夫の「退屈読本」所収の「好き友」を思い出す。
あらすじは・・・
「友達を5、6人あげよ」
十二歳の私(佐藤春夫)は先生から質問される。
雨の日の体操の時間、
いつもなら一番好きな歴史上の人物は誰だとか楽しい時間のはずなのに、
その日はこの質問によって試験の日のように緊張した空気に包まれる。
友達がひとりもいない私は困る。ふだんそのことを不幸に思っていたわけではない私だが、
答えることができないことを淋しく思う。
先生に向かってきっぱりと友達はひとりもいないと書くこともできず、
考えた末、自分の座席周辺4、5人の名を書く。
自由時間になると重大な事件のように、俺はお前のことを書いたと口々に言い合っていたが、
私に向かってそんなことを言いかけた者はひとりもいない。
いつものように黙っている私に後ろの席の少年が話しかける。
「あんた、誰書いたんな?」
「おれはあんたの名を書いたんじゃ」
その答えとともに、彼のはしゃいでいた顔は一刹那にがらりと変わる。
しばらく無言の後、「こらへとおくれよ。なう、わあきやあんたをわすれたあつた。
わあきやあ、ぎやうさんつれがあるさか」
二十年経った今でも彼の言葉をそっくり田舎訛りのまま思い出す。
私は彼の正直な一言に無限の友情を見出す。
ひょっとすると、これが私のうけた第一の友情ではないかとさえ思われるくらいに・・・
というものである。
無限の友情を思う私もいれば、残酷さや子供らしさを思う方、様々であろう。
私はさみしさを味わい、一読で忘れられない物語となる。
私のつたない要約では伝わらないであろうから、ぜひ原文をご拝読いただけたらと思う。
「退屈読本」(冨山房百科文庫)私がこの書籍と出会ったのは、人からの紹介である。
私もここに「好き友」を紹介する。
と、申し上げたいところですが、1位と2位は非公開で。
申し訳ございませんが、まだ書けそうにありません。
いつか公開できる日がくるまで 胸の内に・・・
大なり、小なり 色々ありますが、私が何か抱えておりますと、
息子が、四角い枠だけを書いた紙を差し出します。
「ここに 10回 息を吹きかけて」 言われたとおり、10回吹きかけますと、
四角い囲いの中に、パパとママと息子の顔。 家族写真があらわれました。
息を吹きかけた後、息子がサササッと絵を描く
という種も仕掛けも見え見えのこの魔法にふっと癒されます。
なかなかこのシリーズ面白く、ドライヤー(みたいなものを描いていた)にも
息を吹きかけたことがありますが、できたてホットなパパとママと息子、
なんてのもあります。(湯気が出ていたりします・笑)
書き方を教えていないひらがなやカタカナを見よう見まねで一生懸命書いています。
ユユ ゜ハ゜ハ ゛たいすき → たぶん → ママ パパ だいすき
子どもの書く文字はどうして右上につけるマルや濁点が左上にくるのか・・・
ちゃんと読めているのに見たまま書けない不思議が面白く、
この暗号みたいなメッセージを解読しながらあたたかいものがこみあげてきます。
子どもに胸の内を見透かされているようで・・・
子どもって、ほんとに子どもなのかな(変な表現ですが)って思う時があります。
「え~ だって、豆、まいたらお家、汚れるやん」と!!
パパの片づけ第一主義の影響(第417話参照)を受けてしまったのであろう・・・
「そんなの、気にしなくていいだよ」と始めたものの、豆を一粒投げる息子。
「もっと、ば~っと。で、投げる時は、鬼は外、福は内って言って」
「え~、言うの、恥ずかしいから、言うの、嫌」
「他に誰もおれへんやん。パパとママ(今年はダブル鬼)だけやん」
「え~、言わんでいいなら、投げる」
静かに始まった我が家の豆まき。
やはり家が汚れるのが気になってか 豆を5粒ほど投げて、あっけなく終了・・・