先々週のこと、こげの散歩に出かけました。この日は午前中、新宮市の税務署に行きお昼過ぎに
帰宅したので、こげの散歩はいつもより30分ほど遅くなりました。前日の雨もやんで日差し
もあり、暖かくて歩きはじめた私達も足取りが軽やかです。家を出て30メートルもいかない
まに、こげの耳がピンと緊張して真っすぐ立っています。私は今朝みたネコかな?とか夜中に
やってきたイノシシの匂いを感知したのか?とこげに話しかけるけどグングンリードを引っ張
り、走り出します。ただの匂いだけでこんなに興奮はしないのに・・と思いながら、橋を渡る
と、今度はこげが立ち止ります。いつもは行きたがらないこげグランドを見ているので、私も
道からグランドを見たら、そこにはなんか「あそこはグランドの入り口やよね、この間入って
ちゃんと閉めたけど、昨日の雨にわけわからん人が来てたけどなんか忘れていったの?」と
よくよく見たら入り口用にしているメッシュ網にシカがぶら下がっています。こげはより近く
に行こうと前脚は空をきっていますが、死体に近づくのはいやだし、まんがいち生きていたら
向こうも必死です。ケモノの反撃は想像がつきません。「うそ!シカやん・・・生きてる?」
と呟きながらも、私も近くで見たい!一歩前に進むと気配を感じたのか、シカがピクっと動き
ます。なんか、やばいなぁ~どうしたらいいか?とりあえず、家に電話しておばあちゃんに
「こげのグランドの入り口にシカがぶら下がってるんやけど、ちょっと役場に電話してくれん
かな」と言うと乗り気がなさそうに「役場は何番かな・・」とかぶつぶつ言って切っていった
こげはたんぼの上の道にお座りをして、じっとシカを見ている。なんか自分で興奮してるのか
奮い立たせようとしてるのか、前脚がブルっています。もしかしたら怖いのかもしれません。
ナマジカは初めてではないけど、こんなに近いのは記憶にないです。死んでいるのは見たこと
あるし、こげも匂いを嗅いだしイノシシの死体も血の匂いも嗅いでいます。ナマジカの匂いも
嗅ぎたいのかもしれません。役場が来るんだ・・と思いながら、動きそうにもないこげの横に
座っていたら携帯が鳴ります、おばあちゃんかなと思って出たら、役場の人やん。
シカの状況と、場所を説明したらとにかく行きます、もし暴れたりしてできないと(保護だと
思う)、また鳥獣委員の人にきてもらうかも・・と言います。そうか、来てくれるんだ、
と胸をなでおろし、じゃとにかくそれまで待っていよう・・とシカの様子を見られるとこ
ろ(町道わき)に座っていたら、けっこう車が通って行きます。でも私達に会釈する人が
いても、ちょうど死角となるのか、ススキの大株が邪魔して車から見えないのか、まさか
そんなところにシカがそういう格好でぶら下がっているとは思わない・・のかたんぼに
目を向ける人はいません。
こんな姿で
シカの前に転がっているのは、青いネットがシカにめくられないように押さえとして例の
人がネットの裾に置いたものです。メスのしかみたい。私達はたんぼまで降りては行かず
離れているけど、こげがク~ンと鳴いたり車が通過すると、シカの目は閉じて微動だにし
ません。そのたび私は「死んだ?」と心配になります。それにしても役場の人は遅い!
いったいいつからこの状態なのか?昼日中にそう出てこないだろうし、夜中か朝方にグラ
ンドに入って、飛び越えたつもりが後ろ足を見事に引っかけてしまったようだ。夜中なら
鳴いただろうし、きっと反対側の道を行く人は夜が明けてからは気づいたと思うけど。
なら、教えてくれたらいいのにねと思うわ。「お宅のたんぼの柵にシカがぶら下がってる
けど」ってね。見て見ぬふりか?黙っておいて死んだらどう処分するかこっそり見ていよ
うってことはまさか、ないだろうけど。気がつかないなら、このシカにとって本当に不幸
だったということだね。おじいちゃんがおばあちゃんに話を聞いて、見にきました。
近寄るとシカが興奮するし、体力が消耗するので近寄るなと言うのにズンズンあぜ道を
下りていくと案の定、シカが逃れようと前脚で地面を蹴ってもがくけど後ろ足が外れない
からどうもできません。シカの目が大きくひんむいて怖がっているのがわかります。それ
をみるこげも同じように二本足で立ち上がって、行きたがります。「まったく、はよ来い
よ」と私は役場に文句を言いたくなります、その時、役場らしき軽トラックが来るのを
見つけ「ほらほら、役場がきたで」とおじいちゃんの撤収を促します。役場の人は二人で
一人は私と同学年、もう一人はさっき電話をかけてきた人みたいだ。「あそこやね。」と
一人がメッシュ網に近寄るとシカはまた暴れかかります。戻ってきて「メッシュ切るのあ
る?」と聞くので「あるけど家に戻らないと」「それなら僕、自分ちに行って取ってくる
わ」といい、私達を残して去って行きます。「家ってどこ?」と同学年の人に聞くとこの
地内だけどもともとはここ生まれでないという。探しているのか遅い、これなら我が家か
ら持ってきた方が早かったかも。時間つぶしに役場の人と話すとこういう風にネットや
網にかかるシカの通報も多く、出かけていくと「叩いたってくらんし(叩き殺して)くれ
」と言われることが多いそうだ。その気持ちもわかる。高齢化した畑作、稲作の人々に
すれば獣害はどれだけ防御してもいたちごっこで、敵はシカ・イノシシ・サル・タヌキ・
アナグマ最近はアライグマやカピバラ?ヌートリア?だっけと多種多様。圧倒的にケモノ
のほうが数が多いのだ。一匹でも死んでくれたら・・と思うのは当然だ。でも役場の人は
それはできないそうで、生きてるものは放す、死んでいたら処分・・だと。話しながら
「え?これってもし死んでいたら役場は来てくれないのか?」と思ったのでした。という
のも先月の今頃私は「死んでいたので・・・」という記事を書いた。
我が家の所有地で死んでいた鳥の対応で役場に電話をした時、「愛」のない対応だと憤慨
したんだけど、もしこのシカ死んでいて役場に電話したら「私有地なんですから自分で
穴掘って埋めるか、ゴミ袋に入れて生ゴミの日に赤い袋に入れて出して下さい」と指示さ
れるのか?聞こうとしたけど、そのいきさつを話すと先月電話したのが私だってバレそう
なので聞かないことにした。きっとそうなんだろう・・役場やもんな・・でも、あれは
環境保健課の人やったからかも・・とかあれこれ思ってたら軽トラが戻ってきた。
役場の人が素手で外そうとするものの無理で
メッシュ網から外す
パチン、パチンと網を切ってくれて足を外しにかかる。シカは人の手で触られるのが恐怖
で暴れはじめた。「外れたらどっちに走るかわからんから逃げといて」と言う。
そうか、解き放たれたら四方八方敵に思えて、暴れたり突っこんでくるかも・・それを
聞いたおばあちゃんは慌てて家のほうに走る。私はこげが動かないのでその場にいるしか
ないんだけど・・シカはガクンと崩れ落ちたかと思った瞬間、走り出した(自分ではその
つもりだった)けど、半日近く不自然な形でぶら下がっていたため全身に力が入らないよ
うで、前足も支えられずにキリンやウマの出産直後の赤ちゃんとそっくりな立ち上がり方
走行(自分では走ったつもりだけど)が歩行しながらつんのめり、そのまま倒れ込み必死
で人間から遠ざかろうとしている様子。私達が危険なわけではないのに本能なんだと思う
三人と一匹がみつめる中、シカは例の人々のたんぼに転げ落ちたり、その上の花を作って
いる(現在はまだ畝作りをしていなくてよかった)畑に上がったりしながら山のほうへ
走るのかなと思いきや、家のある方に遠ざかろうとしている。こげを促して逆方向に引っ
張って行かないと、シカの目に入るとよけい慌てるだろうと思ったのでその場を離れた。
役場の人にお礼も言わずにだ・・・それが心残りなのだが・・・。前回の人と対応が
違っていたので役場にも対応できる人はいるんだと思ったのだ、鳥とシカの大きさの違い
なのかもしれんけど。
それから数日は カラスが大挙したとかよく鳴いたとかの悪い動きを私は感じなかったの
で、無事になんとか山に戻れたんじゃないかと、良い方に考えている。逆に、弱ったシカ
を見つけて、秘密にたたいて、処理した人がいたのかもしれない、それはあのシカの運命
なのかもしれないけど、生き延びていたら二度とたんぼに近づくことはしないと思う。
帰宅したので、こげの散歩はいつもより30分ほど遅くなりました。前日の雨もやんで日差し
もあり、暖かくて歩きはじめた私達も足取りが軽やかです。家を出て30メートルもいかない
まに、こげの耳がピンと緊張して真っすぐ立っています。私は今朝みたネコかな?とか夜中に
やってきたイノシシの匂いを感知したのか?とこげに話しかけるけどグングンリードを引っ張
り、走り出します。ただの匂いだけでこんなに興奮はしないのに・・と思いながら、橋を渡る
と、今度はこげが立ち止ります。いつもは行きたがらないこげグランドを見ているので、私も
道からグランドを見たら、そこにはなんか「あそこはグランドの入り口やよね、この間入って
ちゃんと閉めたけど、昨日の雨にわけわからん人が来てたけどなんか忘れていったの?」と
よくよく見たら入り口用にしているメッシュ網にシカがぶら下がっています。こげはより近く
に行こうと前脚は空をきっていますが、死体に近づくのはいやだし、まんがいち生きていたら
向こうも必死です。ケモノの反撃は想像がつきません。「うそ!シカやん・・・生きてる?」
と呟きながらも、私も近くで見たい!一歩前に進むと気配を感じたのか、シカがピクっと動き
ます。なんか、やばいなぁ~どうしたらいいか?とりあえず、家に電話しておばあちゃんに
「こげのグランドの入り口にシカがぶら下がってるんやけど、ちょっと役場に電話してくれん
かな」と言うと乗り気がなさそうに「役場は何番かな・・」とかぶつぶつ言って切っていった
こげはたんぼの上の道にお座りをして、じっとシカを見ている。なんか自分で興奮してるのか
奮い立たせようとしてるのか、前脚がブルっています。もしかしたら怖いのかもしれません。
ナマジカは初めてではないけど、こんなに近いのは記憶にないです。死んでいるのは見たこと
あるし、こげも匂いを嗅いだしイノシシの死体も血の匂いも嗅いでいます。ナマジカの匂いも
嗅ぎたいのかもしれません。役場が来るんだ・・と思いながら、動きそうにもないこげの横に
座っていたら携帯が鳴ります、おばあちゃんかなと思って出たら、役場の人やん。
シカの状況と、場所を説明したらとにかく行きます、もし暴れたりしてできないと(保護だと
思う)、また鳥獣委員の人にきてもらうかも・・と言います。そうか、来てくれるんだ、
と胸をなでおろし、じゃとにかくそれまで待っていよう・・とシカの様子を見られるとこ
ろ(町道わき)に座っていたら、けっこう車が通って行きます。でも私達に会釈する人が
いても、ちょうど死角となるのか、ススキの大株が邪魔して車から見えないのか、まさか
そんなところにシカがそういう格好でぶら下がっているとは思わない・・のかたんぼに
目を向ける人はいません。
こんな姿で
シカの前に転がっているのは、青いネットがシカにめくられないように押さえとして例の
人がネットの裾に置いたものです。メスのしかみたい。私達はたんぼまで降りては行かず
離れているけど、こげがク~ンと鳴いたり車が通過すると、シカの目は閉じて微動だにし
ません。そのたび私は「死んだ?」と心配になります。それにしても役場の人は遅い!
いったいいつからこの状態なのか?昼日中にそう出てこないだろうし、夜中か朝方にグラ
ンドに入って、飛び越えたつもりが後ろ足を見事に引っかけてしまったようだ。夜中なら
鳴いただろうし、きっと反対側の道を行く人は夜が明けてからは気づいたと思うけど。
なら、教えてくれたらいいのにねと思うわ。「お宅のたんぼの柵にシカがぶら下がってる
けど」ってね。見て見ぬふりか?黙っておいて死んだらどう処分するかこっそり見ていよ
うってことはまさか、ないだろうけど。気がつかないなら、このシカにとって本当に不幸
だったということだね。おじいちゃんがおばあちゃんに話を聞いて、見にきました。
近寄るとシカが興奮するし、体力が消耗するので近寄るなと言うのにズンズンあぜ道を
下りていくと案の定、シカが逃れようと前脚で地面を蹴ってもがくけど後ろ足が外れない
からどうもできません。シカの目が大きくひんむいて怖がっているのがわかります。それ
をみるこげも同じように二本足で立ち上がって、行きたがります。「まったく、はよ来い
よ」と私は役場に文句を言いたくなります、その時、役場らしき軽トラックが来るのを
見つけ「ほらほら、役場がきたで」とおじいちゃんの撤収を促します。役場の人は二人で
一人は私と同学年、もう一人はさっき電話をかけてきた人みたいだ。「あそこやね。」と
一人がメッシュ網に近寄るとシカはまた暴れかかります。戻ってきて「メッシュ切るのあ
る?」と聞くので「あるけど家に戻らないと」「それなら僕、自分ちに行って取ってくる
わ」といい、私達を残して去って行きます。「家ってどこ?」と同学年の人に聞くとこの
地内だけどもともとはここ生まれでないという。探しているのか遅い、これなら我が家か
ら持ってきた方が早かったかも。時間つぶしに役場の人と話すとこういう風にネットや
網にかかるシカの通報も多く、出かけていくと「叩いたってくらんし(叩き殺して)くれ
」と言われることが多いそうだ。その気持ちもわかる。高齢化した畑作、稲作の人々に
すれば獣害はどれだけ防御してもいたちごっこで、敵はシカ・イノシシ・サル・タヌキ・
アナグマ最近はアライグマやカピバラ?ヌートリア?だっけと多種多様。圧倒的にケモノ
のほうが数が多いのだ。一匹でも死んでくれたら・・と思うのは当然だ。でも役場の人は
それはできないそうで、生きてるものは放す、死んでいたら処分・・だと。話しながら
「え?これってもし死んでいたら役場は来てくれないのか?」と思ったのでした。という
のも先月の今頃私は「死んでいたので・・・」という記事を書いた。
我が家の所有地で死んでいた鳥の対応で役場に電話をした時、「愛」のない対応だと憤慨
したんだけど、もしこのシカ死んでいて役場に電話したら「私有地なんですから自分で
穴掘って埋めるか、ゴミ袋に入れて生ゴミの日に赤い袋に入れて出して下さい」と指示さ
れるのか?聞こうとしたけど、そのいきさつを話すと先月電話したのが私だってバレそう
なので聞かないことにした。きっとそうなんだろう・・役場やもんな・・でも、あれは
環境保健課の人やったからかも・・とかあれこれ思ってたら軽トラが戻ってきた。
役場の人が素手で外そうとするものの無理で
メッシュ網から外す
パチン、パチンと網を切ってくれて足を外しにかかる。シカは人の手で触られるのが恐怖
で暴れはじめた。「外れたらどっちに走るかわからんから逃げといて」と言う。
そうか、解き放たれたら四方八方敵に思えて、暴れたり突っこんでくるかも・・それを
聞いたおばあちゃんは慌てて家のほうに走る。私はこげが動かないのでその場にいるしか
ないんだけど・・シカはガクンと崩れ落ちたかと思った瞬間、走り出した(自分ではその
つもりだった)けど、半日近く不自然な形でぶら下がっていたため全身に力が入らないよ
うで、前足も支えられずにキリンやウマの出産直後の赤ちゃんとそっくりな立ち上がり方
走行(自分では走ったつもりだけど)が歩行しながらつんのめり、そのまま倒れ込み必死
で人間から遠ざかろうとしている様子。私達が危険なわけではないのに本能なんだと思う
三人と一匹がみつめる中、シカは例の人々のたんぼに転げ落ちたり、その上の花を作って
いる(現在はまだ畝作りをしていなくてよかった)畑に上がったりしながら山のほうへ
走るのかなと思いきや、家のある方に遠ざかろうとしている。こげを促して逆方向に引っ
張って行かないと、シカの目に入るとよけい慌てるだろうと思ったのでその場を離れた。
役場の人にお礼も言わずにだ・・・それが心残りなのだが・・・。前回の人と対応が
違っていたので役場にも対応できる人はいるんだと思ったのだ、鳥とシカの大きさの違い
なのかもしれんけど。
それから数日は カラスが大挙したとかよく鳴いたとかの悪い動きを私は感じなかったの
で、無事になんとか山に戻れたんじゃないかと、良い方に考えている。逆に、弱ったシカ
を見つけて、秘密にたたいて、処理した人がいたのかもしれない、それはあのシカの運命
なのかもしれないけど、生き延びていたら二度とたんぼに近づくことはしないと思う。