先週の続きです。
京島から押上へ、戦中から戦後へ、昭和の匂いの残る下町を路地を伝って歩いています。
京成押上駅に近づき、広い通りに出ました。
濃紺に白抜きの暖簾が眼に入りました。“大衆押上食堂”とあります。
最近では、あまり眼にしない、耳にしない、“大衆”の文字です、そして、押上で、食堂です。
“大衆”を辞書で引くと、『多数の人、多衆、民衆、特に、労働者・農民などの一般勤労階級』とあります。
大衆の付く言葉として、大衆運動、大衆化、大衆課税、大衆社会、大衆小説、大衆演劇、大衆作家、大衆誌、大衆文学、大衆文芸、大衆路線、大衆性、大衆的、大衆魚、大衆酒場、そして、大衆食堂です。
“大衆”の文字が頭に付くと、“安っぽさ、親しみやすさ、埃っぽさ、寂しさ、懐かしさ、そして哀愁”を感じます。
それに“粗末、不潔、安直、通俗、下品、下劣”何て、マイナスのイメージも引きずってきます。
そんな、こんなを思いつつ、アーケードからぶら下がった、プラスチック製の“行燈看板”に視線を移すと、
“東京都指定食堂”の文字を発見。
何なの? どうして? 東京都が食堂を指定する? 都が誰かに? ここで!喰え!と、云ってるのでしょうか?
あの“高慢ちき”な知事なら、もしかして?と、思ったのですが、どうやらそう云う事では無さそうです。
いろいろ調べてみたら、あの“外食券食堂”の流れが、僅かに残っているようなのです。
戦中、戦後の食糧難の時代に活躍した外食券食堂、そして、敗戦後の暫くして“東京都指定民生食堂”という制度ができたようです。
“飲食営業臨時規整法”何て法律ができて、
【目的】
第一条 この法律は、主要食糧等のやみ取引を防止し、その有効な活用を促進するため、飲食営業の合理的な規整を行うことを目的とする。
【定義】
第二条 この法律において「飲食営業」とは、設備を設け、客に飲食物を提供して飲食させる営業をいう。
【飲食営業の許可】
第三条 飲食営業を営もうとする者は、左に掲げる営業の種類ごとに、主務大臣の定める手続により、都道府県知事の許可を受けなければならない。
一 外食券食堂(外食券と引換に、食事を提供する営業をいう。)
二 めん類外食券食堂(外食券と引換にうどん、そば、冷麦、中華そばその他のめん類を提供する営業をいう。)
三 旅館(一泊又は半泊定の宿泊料を取つて、客を宿泊させ、外食券と引換に、宿泊に伴う食事を提供する営業をいう。)
四 軽飲食店(食糧管理法(昭和十七年法律第四十号)第二条の規定による主要食糧及びこれを調理加工したもの(以下「指定主食」という。)以外の料理又は酒類その他の飲物を提供する料亭、待合、カフエー、キヤバレーその他の営業をいう。)
五 喫茶店(酒類以外の飲物、果物又は指定主食を原材料としない菓子類を提供する営業をいう。)
2 都道府県知事は、左の各号の法律の規定により許可を受けなければならないものとされている営業については、それらの法律の規定による許可を受けた者以外の者には、前項の規定による許可をしてはならない。
指定を受けると、どんな特典があるのか? 現在では、上下水道の料金が一部免除されるだけのようです。
【生活関連業種の減免対象範囲】
民生食堂
東京都民生食堂指定要綱(昭和48年3月26日47民福地第570号民生局長決定)第5条第1項の規定により、知事の指定を受け、食堂を営む者が、当該食堂において、直接、その営業のために使用した水量。
大衆食堂
店舗を設け、従業者3人以下で、一般消費者を対象に主として米飯と多品種の副食物を一般市価よりも低廉な価格で食させることを業とする者が、当該食堂において、直接、その営業のために使用した水量。
ドンダケ免除されるのか?、その額について調べたのですが、何処にもありませんでした。
“東京都指定食堂協同組合共済会”何て組織もあるそうです。そして、この減免処置はあくまでも、“臨時処置”なので、毎年、都議会で決議が採択され、今も続いているようです。
「道路特定財源」の“暫定税率”とは異なり、大した額でもなく、人知れず、ささやかに、21世紀の今も生き続けているのです。
でも、しかしです。現在、食料の自給率が話題になっています。海外から食料の輸入がストップしたら・・・・・・。
最近、テレビ、新聞等で、輸入が停止したときの献立サンプルを「農林水産省?」が発表しました。
それは、まさに「外食券食堂」の時代(当時の経験はありませんが、親から聞いたり、映画やテレビドラマで見た)を思い出させる、食事内容です。
小林多喜二の“蟹工船”も“ブーム”のようです。そのうちに、食料も配給制になり、“米穀通帳”とか“外食券食堂”も復活したりして・・・・・・。
“ダイエット”も“メタボリックシンドローム”も、遠い過去の想い出になるかも知れません。
そんな、こんなに、思いを馳せ、押上界隈を歩きました。
それでは、また明日。
京島から押上へ、戦中から戦後へ、昭和の匂いの残る下町を路地を伝って歩いています。
京成押上駅に近づき、広い通りに出ました。
濃紺に白抜きの暖簾が眼に入りました。“大衆押上食堂”とあります。
最近では、あまり眼にしない、耳にしない、“大衆”の文字です、そして、押上で、食堂です。
“大衆”を辞書で引くと、『多数の人、多衆、民衆、特に、労働者・農民などの一般勤労階級』とあります。
大衆の付く言葉として、大衆運動、大衆化、大衆課税、大衆社会、大衆小説、大衆演劇、大衆作家、大衆誌、大衆文学、大衆文芸、大衆路線、大衆性、大衆的、大衆魚、大衆酒場、そして、大衆食堂です。
“大衆”の文字が頭に付くと、“安っぽさ、親しみやすさ、埃っぽさ、寂しさ、懐かしさ、そして哀愁”を感じます。
それに“粗末、不潔、安直、通俗、下品、下劣”何て、マイナスのイメージも引きずってきます。
そんな、こんなを思いつつ、アーケードからぶら下がった、プラスチック製の“行燈看板”に視線を移すと、
“東京都指定食堂”の文字を発見。
何なの? どうして? 東京都が食堂を指定する? 都が誰かに? ここで!喰え!と、云ってるのでしょうか?
あの“高慢ちき”な知事なら、もしかして?と、思ったのですが、どうやらそう云う事では無さそうです。
いろいろ調べてみたら、あの“外食券食堂”の流れが、僅かに残っているようなのです。
戦中、戦後の食糧難の時代に活躍した外食券食堂、そして、敗戦後の暫くして“東京都指定民生食堂”という制度ができたようです。
“飲食営業臨時規整法”何て法律ができて、
【目的】
第一条 この法律は、主要食糧等のやみ取引を防止し、その有効な活用を促進するため、飲食営業の合理的な規整を行うことを目的とする。
【定義】
第二条 この法律において「飲食営業」とは、設備を設け、客に飲食物を提供して飲食させる営業をいう。
【飲食営業の許可】
第三条 飲食営業を営もうとする者は、左に掲げる営業の種類ごとに、主務大臣の定める手続により、都道府県知事の許可を受けなければならない。
一 外食券食堂(外食券と引換に、食事を提供する営業をいう。)
二 めん類外食券食堂(外食券と引換にうどん、そば、冷麦、中華そばその他のめん類を提供する営業をいう。)
三 旅館(一泊又は半泊定の宿泊料を取つて、客を宿泊させ、外食券と引換に、宿泊に伴う食事を提供する営業をいう。)
四 軽飲食店(食糧管理法(昭和十七年法律第四十号)第二条の規定による主要食糧及びこれを調理加工したもの(以下「指定主食」という。)以外の料理又は酒類その他の飲物を提供する料亭、待合、カフエー、キヤバレーその他の営業をいう。)
五 喫茶店(酒類以外の飲物、果物又は指定主食を原材料としない菓子類を提供する営業をいう。)
2 都道府県知事は、左の各号の法律の規定により許可を受けなければならないものとされている営業については、それらの法律の規定による許可を受けた者以外の者には、前項の規定による許可をしてはならない。
指定を受けると、どんな特典があるのか? 現在では、上下水道の料金が一部免除されるだけのようです。
【生活関連業種の減免対象範囲】
民生食堂
東京都民生食堂指定要綱(昭和48年3月26日47民福地第570号民生局長決定)第5条第1項の規定により、知事の指定を受け、食堂を営む者が、当該食堂において、直接、その営業のために使用した水量。
大衆食堂
店舗を設け、従業者3人以下で、一般消費者を対象に主として米飯と多品種の副食物を一般市価よりも低廉な価格で食させることを業とする者が、当該食堂において、直接、その営業のために使用した水量。
ドンダケ免除されるのか?、その額について調べたのですが、何処にもありませんでした。
“東京都指定食堂協同組合共済会”何て組織もあるそうです。そして、この減免処置はあくまでも、“臨時処置”なので、毎年、都議会で決議が採択され、今も続いているようです。
「道路特定財源」の“暫定税率”とは異なり、大した額でもなく、人知れず、ささやかに、21世紀の今も生き続けているのです。
でも、しかしです。現在、食料の自給率が話題になっています。海外から食料の輸入がストップしたら・・・・・・。
最近、テレビ、新聞等で、輸入が停止したときの献立サンプルを「農林水産省?」が発表しました。
それは、まさに「外食券食堂」の時代(当時の経験はありませんが、親から聞いたり、映画やテレビドラマで見た)を思い出させる、食事内容です。
小林多喜二の“蟹工船”も“ブーム”のようです。そのうちに、食料も配給制になり、“米穀通帳”とか“外食券食堂”も復活したりして・・・・・・。
“ダイエット”も“メタボリックシンドローム”も、遠い過去の想い出になるかも知れません。
そんな、こんなに、思いを馳せ、押上界隈を歩きました。
それでは、また明日。