6/27 18:40頃スパナによるEmbossを最後尾に追記しました
以前「Emboss エンボス そして近藤楽器」で音叉(Folk)を使ったEmbossを紹介しました。Reedがショッキングなまでにスロットに陥没する姿からあまりトライされた方はいらっしゃらないかと思います。
しかし、Embossは劇的にハープのレスポンスを上げます。
今回は音叉ではし難いReed根元付近のEmbossを紹介します。
とはいっても、こんだけなんです。
このEmboss方法は Kinyaさんの「The Comb Over, Part 3」で知りました。
最近根元付近のEmbossをするようになってからSquealing(dog whistle)対策をそれほどやらなくてもよくなりました。
えーっ早速脱線します(笑)。とはいってもサブタイトルのSquealing対策ですね。
Squealingとは2-6番DrawBend、10番BlowBend、OverBlow/Drawをした時に発する「キーーーーン」と甲高い音です。最近のSuzukiはし難くなりましたが昔のProMasterやTomboの製品は何故かでやすいのです。HohnerのMSも結構するもんですが、Classicタイプはあまりしません(Heringも結構強い)。といっても出ないわけではありません。
この音を聴くと「OverBlowはキンキンした音がするので経過音にしか使えない」とかなりそうですが、きちんと対策すればそんな事はないのです(音色はストレート、ベンドと違いますが片言チックな感じがキュートで好きです)。
とはいえ手間のかかるもんなので完璧に対策されたも市販品を求めるのは無理でしょう。
Manji、FireBreath、CrossOver、Fabulousなんかはかなり良いと思いますが。
TurboHarm.comに興味深いシミュレーションがあります。
Reedが振動するとスロットを通過する時にフラッター(空気の流れが剥離して色々やっかいな事を引き起こす)が発生させるそうで、これがSquealingの原因としています。
このシミュレーションは穴を真上からみているという前置きがついているのでリード先端の状態を表しているのかもしれません(ちょっとわかりませんね)。
ただ(ちょっと生意気ですが)、リード端(固定されていない)とリベット付近(固定されている)では空気の流れ方は違うかと思います(昔模型飛行機に凝っていた時期がありまして)。特にリード先端からの空気の回り込み等はリード長方向の解析が必要になるかと思うのであります。。
とはいえ、貴重な数少ない資料でありがたい話です。感謝、感謝です。
さて、経験的にリード端の振る舞いがSquealingにつながっていると感じる事は殆どないです(Dr.Antakiを否定しているのでは無いのでお間違えのないように)。
よく「カバーを外して吹きReedを指で塞いでOverBlowの練習をしましょう」というのがありますが、塞ぎ方によっては吹きReedがキーンと鳴り始めます。先端を開けるよりも、根元付近を開ける方がSquealingの発生する頻度が高いからです。
余談ですが、この指でスロットを塞いでやる方法は吹き吸いどちらのリードがSquealingしているかを判別するのにも有効な手段です。
Squealingを止めるには色々あるらしいのですが、私が知っている範囲では以下5つです。
1.Gapを低くする(PatMissinさんのfaqを参考にしました)
藁をも掴む思いで以下の一文を見つけそれを心の支えとしてきました(笑but切実)
> by and large, reeds with lower gaps are less prone to this diagonal torsion
しかしGapを下げるとOB/ODは良いとして勢い良く吹き込むと詰まりやすいのです。
もっとブレスコントロールが上手ければよいのですが、Squealing対策だけのためにどんどんGapをさげると今の私ではバンプすると詰まるぐらいになってしまう事もあります(まぁOBに関して言えば#4-6が出ればよいとすれば、#1-3は低くしないという戦略もありですが、各穴の振る舞いが一様でなくなってしまいます)。
2.BeeWax/NailVanish等で対策
効果に寿命がある。BeeWaxは手入れがし難いですし、NailVanishは暖まるまでピッチが若干高くなりがちです。
#もちろん二つとも試しています。
BeeWaxはアロマ関連のお店、自作石鹸の材料としても売られています。
なお、BeeWaxより高性能ということで紹介されている"orthodontic wax"とは「歯科矯正用ワックス」の事です。
その辺に売っていないようなので私はこちらから購入しました(マウスケア関連グッズはハープに応用できそうなものがあり見ているだけで想像力を掻立てられます)。
NailVanishは「マニキュア」ですね。男の子は買い難いかもしれませんが100均に売っています。必ず除光液を一緒に買いましょう。でないとはみ出したところを拭取れません。
なお、マニキュアはHohnerのクロマチック用のバルブを接着する時にも使えます。その接着力はかなり強力ですよぉ。
3.TurboTape
BeeWax/Vanishに比べ効果の減衰は気にならないが全リードやると結構しんどいので(記事中に"Turbotape on requires a little patience and precision"とありますが"a little"は謙虚すぎかと)、どうしてもというとき利用します。というか、これはかなり有効です。ありがとうDr.Antaki!
#Hohnerのリードで赤や青でリードの一部がペイントされたものがありますが、この効果をねらっているのかな?
microporeテープを使っていますが、普通のセロテープなどでOKです。
4.Reed根元付近のなんか(笑)The Hering Golden Blow
"harp online"さんのこの記事の"pic 6"です。Reed根元付近をテープで「塞いでいる?」ようです。実際にやってみました(普通のセロテープで)が効果あります。でも結構作業がしんどいんです(実際写真でも全部のリードにやっていないですし)。
#この記事のリードの写真はもの凄く参考にしましたっけ。。このハープ欲しいなぁ。。
5.Reed根元付近のEmboss
上の"Golden Blow"の記事からヒントを得て根元付近を「きっちりEmbossしてやろうじゃないの」というのが趣旨です。海外のページを見てもSquealingに効果があると明言しているとこはありません(私の個人的な感想です)。
やってみたら良かったというだけで人様にきちんと説明できるような材料も文才もありませんのであしからず。
以前はGapを低くする事で対応していましたが、最近は以前より強く吹き込みたい事が多くなりましたのと、Embossの腕も上がってきたので、この面倒な作業を行うようになりました。どうしてもという時だけTurboTapeというのが最近のパターンです。
まぁ、Squealingはやっかいな問題(吹き方でもある程度カバーできますが)ですので、効果はおまけ程度に思って頂き、本来のレスポンスをあげるためにと思って頂ければと思います。
さて脱線はおしまいにして、作業についてです。
Kinyaさんの「seam scraper (M-M #80801) 」というものがどういうものかが分からずじまいだったので、精密マイナスドライバ等でやっていましたが、最近は前回紹介したソルダーアシストを使っています。
ソルダーアシストくん(前回から再登場です)
まずは音叉でEmboss(写真使い回しです)
音叉によるEmboss終了。根元付近はEmbossできていません。
ここでリード先端を持ち上げるように薄いシート等を挟みます。こうすると陥没したリードがプレートの上に持ち上がるのでリード沿いにスクレイパーやソルダーアシストを沿わせる事ができます(そうしないとリードが陥没しているあたりで道具が滑ってリードを傷つけてしまいます)。
まぁ、陥没を治してGapを付けた状態でやればよいのですが、今度はリードとスロットの間に道具が滑ってしまいます。陥没を持ち上げるテンションでスロット間に隙間が出来難いと自画自賛しています(冷笑)。
#少なくともシートを入れると、どれぐらいEmbossを付けるかのガイドにはなりますね。
根元付近にこすったような後ができていますよね。角っことかもっと出来そうです(まだまだだ)。
えーと、1リードにつき2カ所ですから、全部やると40カ所ですね。かなりウンザリします(まじ萎)。でもやる甲斐はありますよぉ。
ちなみに写真はおなじみHeringのFreeBlues-Dです。
気合いをいれましたのでOBはもちろんODも非常にやりやすい愛機になりました。もちろんタングブロックでバンプしても詰まりません(えへん)。
鉄筆とかも道具としてはよさそうなので、今後良さげな道具がないか徘徊しそうな予感です(笑)。
追記:6/27 18:40頃
本日試したところソルダーアシスト君よりスパナの方が使い勝手がよかったので追記しておきます。
私が使っているのは次の物です。他にも良い物があるかと思いますので参考までに。
【S2-05507】 KTC 両口スパナ 5.5x7mm
写真やExcelで書くのが面倒だったのでハイブリッド方式でお送りします(笑)。この方法見てくれは悪いけど自由度あって楽でいいですわ。
赤丸してあるところですが、リードの根元付近をスパナを押し当ててリード沿いにグイッグイッとやります。
スパナの角っこやアールの違う部分、当てる角度等色々と試して隙間をどんどん狭めて下さい。
先の細い道具と違いリードとスロットの間に入ってしまう心配がありません。そのかわり滑るとリードに乗っかりダメージを与えるのでいずれにせよ注意は必要です。
いつもは音叉で行うEmbossも本日はこのスパナオンリーで行ったところ効率がよかったのです。
例によってHering Free Blues Bbを調整しましたが、初めてOverDrawで2stepが出来るようになりました(曲で使うのはまだまだやね)。
いやはやEmobss恐ろしや。。
以前「Emboss エンボス そして近藤楽器」で音叉(Folk)を使ったEmbossを紹介しました。Reedがショッキングなまでにスロットに陥没する姿からあまりトライされた方はいらっしゃらないかと思います。
しかし、Embossは劇的にハープのレスポンスを上げます。
今回は音叉ではし難いReed根元付近のEmbossを紹介します。
とはいっても、こんだけなんです。
このEmboss方法は Kinyaさんの「The Comb Over, Part 3」で知りました。
最近根元付近のEmbossをするようになってからSquealing(dog whistle)対策をそれほどやらなくてもよくなりました。
えーっ早速脱線します(笑)。とはいってもサブタイトルのSquealing対策ですね。
Squealingとは2-6番DrawBend、10番BlowBend、OverBlow/Drawをした時に発する「キーーーーン」と甲高い音です。最近のSuzukiはし難くなりましたが昔のProMasterやTomboの製品は何故かでやすいのです。HohnerのMSも結構するもんですが、Classicタイプはあまりしません(Heringも結構強い)。といっても出ないわけではありません。
この音を聴くと「OverBlowはキンキンした音がするので経過音にしか使えない」とかなりそうですが、きちんと対策すればそんな事はないのです(音色はストレート、ベンドと違いますが片言チックな感じがキュートで好きです)。
とはいえ手間のかかるもんなので完璧に対策されたも市販品を求めるのは無理でしょう。
Manji、FireBreath、CrossOver、Fabulousなんかはかなり良いと思いますが。
TurboHarm.comに興味深いシミュレーションがあります。
Reedが振動するとスロットを通過する時にフラッター(空気の流れが剥離して色々やっかいな事を引き起こす)が発生させるそうで、これがSquealingの原因としています。
このシミュレーションは穴を真上からみているという前置きがついているのでリード先端の状態を表しているのかもしれません(ちょっとわかりませんね)。
ただ(ちょっと生意気ですが)、リード端(固定されていない)とリベット付近(固定されている)では空気の流れ方は違うかと思います(昔模型飛行機に凝っていた時期がありまして)。特にリード先端からの空気の回り込み等はリード長方向の解析が必要になるかと思うのであります。。
とはいえ、貴重な数少ない資料でありがたい話です。感謝、感謝です。
さて、経験的にリード端の振る舞いがSquealingにつながっていると感じる事は殆どないです(Dr.Antakiを否定しているのでは無いのでお間違えのないように)。
よく「カバーを外して吹きReedを指で塞いでOverBlowの練習をしましょう」というのがありますが、塞ぎ方によっては吹きReedがキーンと鳴り始めます。先端を開けるよりも、根元付近を開ける方がSquealingの発生する頻度が高いからです。
余談ですが、この指でスロットを塞いでやる方法は吹き吸いどちらのリードがSquealingしているかを判別するのにも有効な手段です。
Squealingを止めるには色々あるらしいのですが、私が知っている範囲では以下5つです。
1.Gapを低くする(PatMissinさんのfaqを参考にしました)
藁をも掴む思いで以下の一文を見つけそれを心の支えとしてきました(笑but切実)
> by and large, reeds with lower gaps are less prone to this diagonal torsion
しかしGapを下げるとOB/ODは良いとして勢い良く吹き込むと詰まりやすいのです。
もっとブレスコントロールが上手ければよいのですが、Squealing対策だけのためにどんどんGapをさげると今の私ではバンプすると詰まるぐらいになってしまう事もあります(まぁOBに関して言えば#4-6が出ればよいとすれば、#1-3は低くしないという戦略もありですが、各穴の振る舞いが一様でなくなってしまいます)。
2.BeeWax/NailVanish等で対策
効果に寿命がある。BeeWaxは手入れがし難いですし、NailVanishは暖まるまでピッチが若干高くなりがちです。
#もちろん二つとも試しています。
BeeWaxはアロマ関連のお店、自作石鹸の材料としても売られています。
なお、BeeWaxより高性能ということで紹介されている"orthodontic wax"とは「歯科矯正用ワックス」の事です。
その辺に売っていないようなので私はこちらから購入しました(マウスケア関連グッズはハープに応用できそうなものがあり見ているだけで想像力を掻立てられます)。
NailVanishは「マニキュア」ですね。男の子は買い難いかもしれませんが100均に売っています。必ず除光液を一緒に買いましょう。でないとはみ出したところを拭取れません。
なお、マニキュアはHohnerのクロマチック用のバルブを接着する時にも使えます。その接着力はかなり強力ですよぉ。
3.TurboTape
BeeWax/Vanishに比べ効果の減衰は気にならないが全リードやると結構しんどいので(記事中に"Turbotape on requires a little patience and precision"とありますが"a little"は謙虚すぎかと)、どうしてもというとき利用します。というか、これはかなり有効です。ありがとうDr.Antaki!
#Hohnerのリードで赤や青でリードの一部がペイントされたものがありますが、この効果をねらっているのかな?
microporeテープを使っていますが、普通のセロテープなどでOKです。
4.Reed根元付近のなんか(笑)The Hering Golden Blow
"harp online"さんのこの記事の"pic 6"です。Reed根元付近をテープで「塞いでいる?」ようです。実際にやってみました(普通のセロテープで)が効果あります。でも結構作業がしんどいんです(実際写真でも全部のリードにやっていないですし)。
#この記事のリードの写真はもの凄く参考にしましたっけ。。このハープ欲しいなぁ。。
5.Reed根元付近のEmboss
上の"Golden Blow"の記事からヒントを得て根元付近を「きっちりEmbossしてやろうじゃないの」というのが趣旨です。海外のページを見てもSquealingに効果があると明言しているとこはありません(私の個人的な感想です)。
やってみたら良かったというだけで人様にきちんと説明できるような材料も文才もありませんのであしからず。
以前はGapを低くする事で対応していましたが、最近は以前より強く吹き込みたい事が多くなりましたのと、Embossの腕も上がってきたので、この面倒な作業を行うようになりました。どうしてもという時だけTurboTapeというのが最近のパターンです。
まぁ、Squealingはやっかいな問題(吹き方でもある程度カバーできますが)ですので、効果はおまけ程度に思って頂き、本来のレスポンスをあげるためにと思って頂ければと思います。
さて脱線はおしまいにして、作業についてです。
Kinyaさんの「seam scraper (M-M #80801) 」というものがどういうものかが分からずじまいだったので、精密マイナスドライバ等でやっていましたが、最近は前回紹介したソルダーアシストを使っています。
ソルダーアシストくん(前回から再登場です)
まずは音叉でEmboss(写真使い回しです)
音叉によるEmboss終了。根元付近はEmbossできていません。
ここでリード先端を持ち上げるように薄いシート等を挟みます。こうすると陥没したリードがプレートの上に持ち上がるのでリード沿いにスクレイパーやソルダーアシストを沿わせる事ができます(そうしないとリードが陥没しているあたりで道具が滑ってリードを傷つけてしまいます)。
まぁ、陥没を治してGapを付けた状態でやればよいのですが、今度はリードとスロットの間に道具が滑ってしまいます。陥没を持ち上げるテンションでスロット間に隙間が出来難いと自画自賛しています(冷笑)。
#少なくともシートを入れると、どれぐらいEmbossを付けるかのガイドにはなりますね。
根元付近にこすったような後ができていますよね。角っことかもっと出来そうです(まだまだだ)。
えーと、1リードにつき2カ所ですから、全部やると40カ所ですね。かなりウンザリします(まじ萎)。でもやる甲斐はありますよぉ。
ちなみに写真はおなじみHeringのFreeBlues-Dです。
気合いをいれましたのでOBはもちろんODも非常にやりやすい愛機になりました。もちろんタングブロックでバンプしても詰まりません(えへん)。
鉄筆とかも道具としてはよさそうなので、今後良さげな道具がないか徘徊しそうな予感です(笑)。
追記:6/27 18:40頃
本日試したところソルダーアシスト君よりスパナの方が使い勝手がよかったので追記しておきます。
私が使っているのは次の物です。他にも良い物があるかと思いますので参考までに。
【S2-05507】 KTC 両口スパナ 5.5x7mm
写真やExcelで書くのが面倒だったのでハイブリッド方式でお送りします(笑)。この方法見てくれは悪いけど自由度あって楽でいいですわ。
赤丸してあるところですが、リードの根元付近をスパナを押し当ててリード沿いにグイッグイッとやります。
スパナの角っこやアールの違う部分、当てる角度等色々と試して隙間をどんどん狭めて下さい。
先の細い道具と違いリードとスロットの間に入ってしまう心配がありません。そのかわり滑るとリードに乗っかりダメージを与えるのでいずれにせよ注意は必要です。
いつもは音叉で行うEmbossも本日はこのスパナオンリーで行ったところ効率がよかったのです。
例によってHering Free Blues Bbを調整しましたが、初めてOverDrawで2stepが出来るようになりました(曲で使うのはまだまだやね)。
いやはやEmobss恐ろしや。。
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