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的場昭弘・著“マルクスだったらこう考える”を読んで

今回も読後感想への投稿とした。的場昭弘・著“マルクスだったらこう考える”についてである。久しぶりのマルクス主義文献、と言いたいところだが、実は昨秋、同じ著者の“マルクスを再読する―主要著作の現代的意義”を読んでいて、今回はその読み直し版と言えるのか。若い頃、読んだマルクス文献では、マルクス主義は、フォイエルバッハの唯物論とヘーゲルの弁証法を合体させた弁証法的唯物論が哲学的な根幹となっている、とどの本にも書かれていたものだったが、的場氏の著書ではスピノザが核心的思想になっているとしている。若いころとは様変わりでマルクス学の進歩を大いに感じ衝撃でもあった。 著者は“マルクスは古くなったのでなく、今やっとマルクスが「読める」時代になったのかもしれません。”と序章で言っている。最新のネグリの〈帝国〉論や実存主義と構造主義から、サバルタン論、ポストコロニアル論、クイア理論からフェミニズム論までと、マルクス主義と関連する思想が、“ヒューマニズム”の観点から多く紹介されている。また、その中でマルクスを神格化することなく、時代に生きる人物の限界を率直に解説してくれている。こうしたことから、逆に著者・的場氏の暖かさも伝わってくるような気がした。 . . . 本文を読む
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